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2013年10月 9日 [国際事務局発表ニュース]
武器貿易条約(ATT)に署名した国が100を超えたことを受け、アムネスティ・インターナショナルのサリル・シェティ事務総長は、残虐行為や人権侵害を助長している通常兵器の移転に歯止めをかけるという約束を守るよう、各国政府に呼びかけた。
シェティは9月25日、国連で演説し、国連事務総長の潘基文(バン・ギムン)や各国の大臣、政府高官の面々に1993年から今日までの条約の長い道のりについて語った。シェティは、「この武器貿易条約を早急かつ厳格に施行するという約束を果たすよう、アムネスティはできる限り多くの国に訴え続ける」と述べた。
「今回、条約が政治的な契機を迎えたことは嬉しい。しかし、私たちは世界中の国々で危機を助長している武器の移転を止める術を、これから20年間ただ座して思案し続けるつもりはない」。
この日、さらに20の国が条約に署名した。その中には世界最大の武器商人である米国も含まれる。4カ月の間に108の国が条約に署名し、すでに7カ国が批准した。50カ国の批准から90日後、条約は発効される。
米国が署名したことは「残虐行為や人権侵害を助長する通常兵器の移転をくい止める一里塚である」(シェティ)。同国は170カ国以上に武器を提供しているが、人権問題を理由に武器提供を停止したこともあり、複雑な態度を見せてきた。
25日の署名国には、ボスニア・ヘルツェゴビナ、チャド、コロンビア、コンゴ民主共和国、ガーナ、モンゴル、ペルー、フィリピン、シエラレオネ、南アフリカなどもある。また、コスタリカとトリニダード・トバコは同日、条約を批准した。
武器を使った暴力や紛争の結果、少なくとも毎年平均50万人が亡くなり、数百万人が住む土地を追われたり、虐待されたりしている。
武器貿易条約によって、通常兵器が大量虐殺や人道に反する犯罪、戦争犯罪などに使われたり、事態の悪化に手を貸していると分かっている場合には、他国への移転が禁じられる。
4月に採択された条約によると、各国政府は武器を輸出する場合、そのリスク評価を行うことが義務付けられる。そして、国際人権法や国際人道法への深刻な侵犯に使用される可能性が著しく高い場合には、輸出を認可してはならない。
この20年、アムネスティは、残虐行為や虐待を助長させる通常兵器・弾薬の移転を阻止するために、国際的な武器移転に対する、法のもとでの強力な国際ルールを求めて活動してきた。そして、世界中で何百万人もの人びとが、各国政府に対し、人命を守ることができる実効性のある条約に合意するよう、求めてきた。
演説でシェティは、武器の不法取引に立ち向かい、根絶するためのあらゆる取り組みには、率先して女性の参加を得る必要があるとも述べた。また、各国に「性的暴行やジェンダーに基づく暴力など、銃が関わる暴力の被害を受けた女性・少女などの市民が、正義や真実、補償を確実に手にすることができるように」、必要なあらゆる施策を講じるよう呼びかけた。
アムネスティ国際ニュース
2013年9月26日
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/1009_4224.html
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