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2013年9月27日 [国際事務局発表ニュース]
オランダ最高裁判所が、スレブレニツァ大虐殺で3人のイスラム男性の殺害について、国に責任があるという判断を下した。これは、長期にわたった国に対する責任追及において大きな勝利である。
スレブレニツァ虐殺から20年近くが経った。この判決は国連の委任統治下で、平和維持部隊の行動について個別の政府に責任があると認めた最初のケースである。
裁判所によれば、スレブレニツァで国連平和維持軍として任務していたオランダ軍は、1995年7月13日に3人のボシュニャク人(ムスリム系住民)の男性を「安全地帯」と呼ばれる保護区域から外に追い出した。その結果彼らは、ボスニア系セルビア人につかまり殺害された。セルビア人らは、さらにその後3000人余りのボシュニャクの人びとや少年を殺害し、その遺体の多くはいまだに発見されていない。
オランダ軍の電気工リゾ・ムスタフィッチさんと軍の通訳者ハサン・ヌハノヴィエさんの父親と兄弟は、軍の管理下にあった「安全地帯」から追い出され、セルビア人の標的となった。ヌハノヴィエさんの母親も殺されたが、この裁判の対象とはなっていない。
オランダ軍は、「安全地帯」の外ではボスニア系セルビア人たちによる迫害や殺害を多数目撃していたにもかかわらず、彼らを平和維持軍の領地から放逐した。
最高裁は、殺された3人の親族によって起こされた民事訴訟に対するハーグの地方控訴裁判所での2011年7月の判決を支持した。
これは、この事件で殺された人びとの親族にとっての歴史的勝利であるとともに、第二次大戦以降国際法の下で起こったヨーロッパにおける最悪の犯罪が生んだ何千という他の犠牲者にとっても、重要な一歩を意味する。
オランダという国は、これまでにもスレブレニツァ虐殺の中で自軍が果たした役割との関連でいくつかの裁判で訴えられてきた。しかし、死亡と関連した民事訴訟において責任を認めたのは、今回が初めてである。
このオランダ最高裁の判決は、国際的な平和維持軍の行動の中でも国が責任を負うということを明確にした。
この判決は、訴訟を起こした親族のみならず他のスレブレニツァ虐殺の犠牲者の家族に対して、オランダ政府が賠償金を含む形で、完全な補償を行うことに道を開いた。
背景
ボスニアとコソボでの国連平和維持活動に関する事件や欧州人権裁判所で争われたものを含めて、国際平和維持軍の人権侵害の刑事責任を問うこれまでの試みは成功してこなかった。
旧ユーゴスラビア国際刑事法廷は、ボスニア系セルビア人の指導者ラドバン・ラジッチとボスニア系セルビア軍の将軍ラトコ・ムラジッチを、スレブレニツァ虐殺および1992年から95年のボスニアにおける武力衝突で行われた国際法上のその他の犯罪について有罪とした。
アムネスティは、この紛争の中で起きた1万件以上の強制的な失踪事件の真相究明を繰り返し訴えてきた。
アムネスティ国際ニュース
2013年9月6日
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0927_4204.html
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