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海上自衛隊の護衛艦を海上保安庁の巡視船に転用できないのは、エンジンが異なるからだ。護衛艦がガスタービンで巡視船はディーゼ
http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/765.html
投稿者 TORA 日時 2013 年 9 月 20 日 16:27:38: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu296.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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海上自衛隊の護衛艦を海上保安庁の巡視船に転用できないのは、エンジン
が異なるからだ。護衛艦がガスタービンで巡視船はディーゼルエンジン。

2013年9月20日 金曜日

◆護衛艦と従来の巡視船ではエンジンの仕組みが異なり? なんでも相談室
http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa8130404.html

日本政府は、海上自衛隊の退役護衛艦を海上保安庁の巡視船として活用する事を断念しました。

「護衛艦と従来の巡視船ではエンジンの仕組みが異なり、海上保安官にとって操作が難しいことなど」が転用見送りの理由とされております。

「しきしま」などヘリ搭載型の大型巡視船は基準排水量6,500トンにもなる巨艦で、軍用艦船と言っても過言ではない様相を呈しております。

日本政府が護衛艦と巡視船で「異なるエンジンの仕組み」を採用する理由なんでしょうか?
護衛艦と巡視船で相互運用性を確保する事は国民の税の有効活用となり、国益の増大になるとおもわれるのですが、敢えてインターオペラビリティを放棄する理由は何でしょうか?

素人目には、防衛省・国土交通省のセクトを問わず、すべての海洋装備に関しては、高効率ディーゼル発電機と高トルク電動モータ駆動というハイブリッド・システムの駆動系に統一するのが一番合理的に思えるのですが、この考えは間違っているのでしょうか?

軍備、および、造船技術に関する専門家のアドバイスをいただければ幸いです。

◆質問者が選んだベストアンサー

もし機会があれば、護衛艦の体験搭乗もありますし、巡視船の体験搭乗もありますから、ぜひお乗りになって、内部の見学や運用方法を隊員の方に聞いてみるもの良いかと思います。
疑問に思う部分の答えが出るかもしれません。

他の回答から、そもそも運用方法が全く違うというのはご理解いただけたと思います。

>高効率ディーゼル発電機と高トルク電動モータ駆動というハイブリッド・システムの駆動系に統一するのが一番合理的に思えるのですが、この考えは間違っているのでしょうか?

前述の、用途が全く異なる、出力の要求値が異なりますから、方式はどうであれ、統一には無理があります。
どこの国も、コーストガードと海軍の船が同じエンジン構成というのはありませんよ。

ちなみに、次期護衛艦には、ガスタービンで発電し電気推進するCOGLAG(Combined Gas turbine Electric And Gas turbine)という方式が採用されます。
この方式は、低速巡航時は、ガスタービンで発電した電力でモーターを回して航行します。ガスタービンエンジンは、低速巡航時(低回転時)の効率が悪いのですが、この方式を採用することで、低負荷時は例えばガスタービンを1基だけ回すことで(次期護衛艦には発電用ガスタービンは2基搭載されます)、効率のよい運転を可能とします。
また、減速機を使わないために低雑音となり、これにより敵潜水艦から探知されにくくなります。

一方、モーターだけでは大出力を得られないため、戦時の高速航行のために、直接ガスタービンエンジンが推進軸を回すことも可能です。
ここが戦闘艦と、巡視船の違いの大きな所です。

ちなみに、イギリスの23型フリゲイトは、ディーゼル発電+ガスタービンの構成となっていて、やはり低速時はディーゼル発電によりモーター推進となります。
やはりそれでは出力が得られないために、高速用のガスタービンも搭載されています。

軍艦といえど、経済性は無視出来ませんが、同時に戦時の出力も無視できないため、今後はディーゼルorガスタービン発電+高速ガスタービンという組み合わせの軍艦は増えるでしょう。

余談ですが、エンジンで発電し、モーターで推進する方式は、半世紀以上前から存在します。
第二次大戦時、あのアメリカですら減速機の生産不足により、蒸気タービン発電でモーター推進するフリゲイトがありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%8E%E3%83%B3%E7%B4%9A%E8%AD%B7%E8%A1%9B%E9%A7%86%E9%80%90%E8%89%A6

>今年、来年に退役する護衛艦4隻は基準排水量3000トン級の汎用護衛艦(DD級)らしいのですが、25,000馬力超の高性能エンジンを搭載し、最高速度30ノットの世界最高性能の軍艦らしいです。

何を持って世界最高とおっしゃるのでしょう?
30ノット出るのは、戦闘艦としてはどの国のものでも当たり前、むしろ第二次大戦時の駆逐艦などは35ノット程度出せるものも多かったです。
退役する「はつゆき」型護衛艦は、すでに搭載レーダーや電子装備は旧式の艦です。

>1.燃料経済性と機関保守費用
>1.は調達コスト=0なのですから、燃料費や補修費が高くても5年ぐらいの転用なら納税者メリットが大きく出るでしょう。

護衛艦は機密の塊です。巡視船には不要な兵装や電子機器類は外さなければなりません。
また海保職員の操艦訓練も行わなければなりません。そこまでして"たった"5年の運用、しかも寿命によって退役する護衛艦ですから、その延命費用はかかります。であれば、海保からすれば、そんな運用しにくい船を期間限定で与えられるくらいなら、新しい船を建造する費用に回した方がよっぽど良いと考えるはずです。
納税者の納得以前に、運用側が納得しません。
警察が、パトカーを買ってもらえないから、自衛隊の軽装甲機動車を与えられたとして、それで仕事ができますか?

はつゆき型護衛艦ですが、自衛隊側も護衛艦不足のため、後期型は寿命延長改修をしてまだしばらく現役にとどまります。
現場としては、よく知らない政治家の発言に翻弄されて、この案が撤回されたことにほっと胸をなでおろしているのが現実でしょうね。


(私のコメント)

尖閣問題で一時海上自衛隊の護衛艦を巡視船に転用する案が出ましたが、任務に向かないという事で立ち消えになりました。船の大きさや見かけは同じようでも護衛艦と巡視船とは性能が大きく違うようです。護衛艦にはガスタービンエンジンが使われており、巡視船委はディーゼルエンジンが使われてる。

同じ船舶用エンジンでもガスタービンとディーゼルでは特性が大きく異なるからです。最近ではディーゼルエンジンの進歩は著しく、高速コンテナ船では31ノットで巡航できるものがあるし高速フェリーでは40ノット近い速度の船もあります。自動車でもディーゼルは音と振動がうるさくて日本では普及しませんでしたが、ドイツではクリーンディーゼルが乗用車の主流になっている。

船舶でも以前は蒸気タービンが主流でしたが、今では10万トンクラスのタンカーやコンテナ船にもディーゼルエンジンが使われています。戦艦大和が約7万トンだから大和にジーゼルエンジンを積んでいれば31ノットで「巡航」ができるスーパー戦艦ができたかもしれない。しかし当時の日本にはそれだけの技術は無かった。

ディーゼルエンジンの特徴は熱効率がいい事であり、海上保安庁の巡視船の「しきしま」は7000トンクラスのイージス艦並みの大きさながら、25ノットと高速であり20000海里を航行できる。これだけの航続距離があると日本からオーストラリアを回ってインド洋の横切ってイギリスまで行って無給油で帰ってこれる。これはプルトニウム輸送用として開発されたからですが、ガスタービンの護衛艦なら6000海里でガス欠だ。

金剛や霧島型の巡洋高速戦艦があれだけ活躍したのに、大和や武蔵が使いものにならなかったのは速度と航続距離に劣ったからであり、燃料バカ食いの戦艦だった。大和が長い間トラック等に停泊したまま、天王山のソロモン海戦に参加しなかったのは不思議でなりませんでしたが、あれだけの巨大戦艦だと燃料不足が祟ったのだろう。

日本海軍は1年もたてば燃料不足で軍艦が動けなくなることが分かっていたからこそ、大和や武蔵を作る金でタンカー護送船団護衛用のフリゲート艦を100隻作るべきだったのだ。終戦時でも戦艦や空母が残っていたが燃料がなくて浮かぶ砲台になっていた。当時の日本海軍はアメリカ海軍をバカにしてアメリカの潜水艦を眼中に入れていなかった。

この事は現在でも言える事ですが、南シナ海からインド洋を通って中東に至るシーレーンを守れるフリゲート艦を海上自衛隊は持っていない。海上自衛隊にはフリゲート艦という軍艦が存在しない。駆逐艦ほど武装は強力ではないが長距離を航行できなければ船団の護衛はできない。

テロとの戦いでインド洋に燃料補給で日本の護衛艦が出動しましたが、燃料補給艦を伴っての活動であり、熱帯地方用のクーラー設備もないことが問題になった。仕方がなくて電力に余裕のあるイージス艦を出しましたが、中東からのタンカー船団を護衛できるフリゲート艦がない。海上自衛隊では護衛艦の航続距離を公表していないがガスタービンではインド洋まででガス欠だろう。

軍艦において航続距離が問題になるのは、原子力空母や原子力潜水艦の長所が燃料補給の必要なない事からも明らかですが、帝国海軍も燃料バカ食いの巨大軍艦ばかり作って多くの軍艦を浮かぶ砲台にしてしまった。海上自衛隊の護衛艦がなぜ海上保安庁の巡視船に使えないかはガスタービンエンジンにあるのですが、燃料バカ食いでは海上保安庁でも使えないだろう。

ベストアンサーでは、「ちなみに、次期護衛艦には、ガスタービンで発電し電気推進するCOGLAG(Combined Gas turbine Electric And Gas turbine)という方式が採用されます。」という事ですが、護衛艦もハイブリッド時代が近いという事なのでしょう。「ちなみに、イギリスの23型フリゲイトは、ディーゼル発電+ガスタービンの構成となっていて、やはり低速時はディーゼル発電によりモーター推進となります。」という事でディーゼルハイブリッドのフリゲート艦になるようだ。

戦前の海軍の軍人は目先の性能にこだわり、兵器としての実用性をあまり問題にしてこなかった。戦艦大和の大砲にしても射程が40キロあるにしても着弾までに40秒かかっては敵艦も進路を変えてしまって当たらない。当たるのはせいぜい2万キロくらいであり大砲も当らなければ意味がない。

尖閣で緊張が高まっていますが、実践に役立っているのは海上保安庁の巡視船であり、海上自衛隊の護衛艦ではガスタービンで燃料バカ食いで使えない。以前はちくご型やまぐも型護衛艦はディーゼルエンジンを使っていましたが2005年までに退役してしまった。今や解除自衛隊の護衛艦はガスタービン全盛であり、軽空母の「ひゅうが」や「いずも」までもがガスタービンだ。

アメリカの最新鋭強襲揚陸艦やイギリスの最新鋭空母のようにハイブリッド化して、低速巡航時には電動で動いて高速時にはガスタービンで動くようにできなかったのだろうか? なおアメリカの巡視船は海上自衛隊の護衛艦並みの武装とガスタービンとディーゼルを積んでいる。ならば海上保安庁も護衛艦を巡視船として使えば尖閣でも中国に対するカードとしては使えるのではないだろうか。 

 

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コメント
 
01. 2013年9月20日 17:35:12 : dEwkOIiuBY
ちょっと気になったのだが
大和の頃って蒸気機関の方が
ディーゼルより速いでしょ

02. 2013年9月20日 17:43:07 : e0k3K1A4qI

   2万キロも当たる大砲とはすごいな、まぁ単なる表記ミスだが。


03. 2013年9月20日 18:01:34 : dEwkOIiuBY
てかなんかアゲ足取りみたいで申し訳ない

04. 2013年9月20日 19:43:46 : gf4gGIfLFY
単なる燃料消費のことを言っているのか航続力のことを言っているのか
航続力なら先覚諸島だけなら必要ないし。
それとも海上警察と軍隊の違いを言っているのかよく判らない。
もともと専守防衛の思想で作られた護衛艦には長い航続距離は不要。
必用ならタンカー(補給艦)を随伴させれば済むこと。
とわだ型ははっきり言って能力不足。船体延長で大型化(搭載給油量を増やす)か
大型補給艦が必要になるだけ。
ただ軍艦作りが全てアメリカの後追いでは
そのうち海自は3000トンクラスの新型フリゲートを作るだろう。

05. 2013年9月20日 20:29:49 : cvtXWpCUFI
TORAは日中戦争を煽ることができれば、どんな話題でもいいから。
若者に好戦的な思想を植えつけることで小銭稼ぎ、いざ戦争が始まれば
TORAはアムロの親父のように戦場をテレビ観戦して大はしゃぎってね。
まぁ大家業が破産寸前で日本なんか壊れちゃえって思ってるだけかもしれんが

06. 2013年9月21日 09:08:14 : hXvkNL5IIw
海上保安庁の巡視船は本来日本領土の近海域での違法行為と取り締まりにあたるものだから、相手は主に漁船などの小型船舶による違法な操業や、密輸や密入国になるだろう。 巡視船の主機がデイーゼル・エンジンなのは、さほど高速力はいらないし、燃費も安いと言うのが理由だろう。 船体構造も商船規格で耐弾能力は不である。 投稿にあるような航続性能などは、特殊なケースを除いてはもともと不要な話。 帝国海軍の戦艦大和がソロモン海戦に参加しなかった理由は別な話であり、尖閣諸島をめぐる日中対立の話とは全く関係ない。 海上自衛隊の退役艦船を活用することは、財政上の都合であれば問題はないと思う。 海上保安庁が嫌ったとすれば、多分組織の違いから来るセクショナリズムと言う事だろう。 皮肉な言い方であれば、造船に伴う利権に関係すると言う話じゃないのか。 船員の訓練など、説得力のある理由にならないと思う。 要らないと言うのであれば、フィリッピンなどの東南アジアのコースト・ガードに輸出して如何? N.T

07. 2013年9月21日 15:16:25 : rAZs4KvhOE
某国のカジノ改型の空母は、タービンエンジンの開発が出来ず、已む無くディーゼルエンジンを積んだため、速度が遅くて艦載機の発着鑑すら危惧されている。
というところを見ると、某国の艦艇は殆どがディーゼルエンジンということだな。

08. 2013年9月21日 17:23:01 : WBaQq2mdfY
海上保安軍を作って、それ専門に運用する組織なりを作れば良いじゃん。海上保安庁が使わないなら、そこで使えば良い。軍隊としては機能しないけど、尖閣警備なんかを自衛隊と同等か、それに準ずる装備で当たらせろ。沿岸警備軍だよ。それによって、海上保安庁の手に余るレベルの沿岸警備などの雑事を処理させれば、海上自衛隊の負担も減るだろ。

09. 2013年9月22日 01:28:52 : pEIUdkOgmg
 07
J11フル装備での発着艦成功してるよ

10. 2013年9月22日 01:42:41 : dEwkOIiuBY
>>09
マジでか!ソース教えてくれ!

11. 2013年9月22日 13:26:25 : retLpDxuzM
>>10
ようつべでぐぐれ
空母遼寧海上公開訓練とな
ただフル装備については?
ただSSMは大した重量にならないから要注意だが

12. 2013年9月22日 17:22:16 : pEIUdkOgmg
09
http://club.mil.news.sina.com.cn/thread-627560-1-1.html


13. 2013年9月22日 17:46:41 : pEIUdkOgmg
ついでに
お写真
http://slide.mil.news.sina.com.cn/slide_8_33676_25883.html

14. 2013年9月25日 03:23:02 : niiL5nr8dQ
>「護衛艦と従来の巡視船ではエンジンの仕組みが異なり、海上保安官にとって操作が難しいことなど」が転用見送りの理由

自衛官も船と一緒に海保に出向させれば問題なし

 
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38775
JBpress>海外>The Economist [The Economist]
アジアの領有権問題:ダイヤモンドの傷
2013年09月25日(Wed) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年9月21日号)

東シナ海と南シナ海で起きている紛争は別々の話だが、中国の狙いは同じだ。

 先日90歳になったシンガポールの長老政治家、リー・クアンユー氏は、東シナ海と南シナ海での領有権問題に対する中国のアプローチについて、彼独特の率直な分析を行っている。リー氏は新著『One Man’s View of the World(1人の男の世界観)』で次のように書いた。

 「中国人は自分たちが近所で一番大きな少年だということを知っており、力をつけるにつれ、近所の連中から自分たちの権利を尊重してもらえるようになることが分かっている」

 敬意が足りないと、中国は威嚇的になる。尖閣諸島(中国名:釣魚島)を巡っては、日本との緊張が再び高まっている。中国は9月11日、日本政府が尖閣諸島5島のうち3島を民間所有者から買い上げた「国有化」から丸1年となる日を腹立たしい気持ちで迎えた。同時に、南シナ海に浮かぶ小島を巡るフィリピンとの領有権争いも深刻化している。

危険な日中対立

「中国海警局」の船舶4隻、初めて確認 尖閣沖
尖閣諸島沖を航行する中国海警局の船舶〔AFPBB News〕

 ただでさえ危険な日本との対立は、日本政府が尖閣諸島に「公務員」(この分類には自衛隊も含まれる)を常駐させるという漠然とした提案を実行に移せば、ますます危険な展開になるだろう。

 9月10日には、中国の巡視船8隻が尖閣諸島の領海内に入った。過去1年間で200隻以上の船が領海に侵入している。

 これは昔ながらの戦術だ。1978年、中国が、日本がソ連との緊張緩和を模索するのではないかと恐れた時、武装した中国漁船の船隊が尖閣諸島を包囲した。日本は、尖閣諸島に対する日本の主権を認めるよう中国に迫るのをやめ、中国と友好条約を締結した。しかし今回、中国は尖閣諸島の支配に対する日本の主張にも異議を唱えている。

 また、両国の航空機も時折、にらみ合いを演じている。恐らく最大のリスクは、誤算や認可されていない威力の誇示が引き起こす偶発的な衝突だろう。

 利害がいよいよ大きくなっているのは、米国は尖閣諸島の主権に関しては特定の立場を取らないものの、尖閣諸島を日米安全保障条約の適用対象と見なしているからだ。アナリストの間には、中国の戦略は日本を挑発して日米安保に対する米国のコミットメントを試させることで、日米同盟を損なうことを意図していると見る向きもある。

 米国の戦略的なアジアへの「ピボット(旋回)」が中東での出来事の引力に逆らえるのかどうか疑問に思っているのは中国だけではない。

 中国は、昨年、同国が黄岩島と呼ぶ島を事実上併合した際に、米国が何も反応しなかったことに勢いづいているのかもしれない。

 黄岩島はフィリピンがスカボロー礁として領有権を主張する島で、フィリピン諸島最大のルソン島から220キロしか離れていない。フィリピン側は、中国が船団を島に常駐させ、漁場を封鎖していると主張。今では、中国が75個のコンクリートブロックを海に沈め、建設工事に着手していると訴えている。中国はこれを否定している。

中国とASEANの関係は「ダイヤモンド・デケイド」入り?

 しかし、日本に対する態度とは対照的に、東南アジアでは、中国は少なくとも友好的に思われるよう努めている。李克強首相は今月、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国との関係が「ダイヤモンド・デケイド」に入ろうとしていると述べた。

 また中国は、加盟国4カ国(ブルネイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム)が中国と重複して領有権を主張しているASEANと南シナ海について話し合っている。

 9月14〜15日には中国の蘇州で、中国、ASEAN双方が、2002年に採択された紛争防止のための海洋行動規範の「宣言」を実行に移す取り組みについて協議した。中国は法的拘束力を持つ最終的な行動規範について「協議」することを約束した。だが、中国が結論を急ぐ兆しは全く見られない。

 確かに、主権に対する中国の立場は和らいでいないし、中国の主張に異議を唱える国に対するトゲトゲしい態度も和らいでいない。先の李首相の発言は、中国南部の都市、南寧で開かれた「中国・ASEAN博覧会」で行われたものだ。聴衆の中に姿が見えなかったのは、フィリピンのベニグノ・アキノ大統領。アキノ大統領は招待を撤回されたのだという。

 アキノ大統領が不興を買っているのは、アキノ政権がスカボロー礁や他の島嶼、砂州、岩礁を巡る中国との紛争に第三者を巻き込もうとしているためだ。

 ASEANを分裂させようとする中国の努力――直近では蘇州での会合で試みた――をよそに、フィリピンはASEAN諸国を自陣営につけようとしてきた。またフィリピンは、日本と同様に安全保障条約を締結している米国の援助も歓迎している。

 米国は、国際的に認められているフィリピンの国境を越えた領域は両国の安保条約の適用対象外だと言明した。しかし、先のルソン島での共同演習を含め、フィリピンとの軍事交流を深めている。

 またフィリピンは、国連機関である国際海洋法裁判所(ITLOS)に訴えを起こした。今年1月、フィリピンはITLOSに対し、南シナ海における中国の領有権の主張、つまり、中国が漠然と「九段線」と呼ぶ、事実上南シナ海全域を取り囲むU字型の線について裁定するよう求めた。

 ITLOSは現在、フィリピンに対して、2014年3月末までに詳しい「陳述書」を提出するよう求めている。中国はただその手続きを無視するだろうが、多少面目を失う恐れがある。

 中国籍のITLOS判事、高之国氏が共同執筆し、今年、国際法の専門誌アメリカン・ジャーナル・オブ・インターナショナル・ローに掲載された論文は、九段線は、その内側に入るすべての島嶼に対する主権の主張および、島嶼と「その近海」に眠るすべての資源を開発する権利と「同義語」になったと述べた。

 シンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)のイアン・ストーリー氏は、この拡大解釈が次第に中国の公的見解になると考えている。

領海問題における真実

 ケ小平の下では、領有権問題に対する中国の政策は、恐らくは資源開発については相手国と協力し、問題を脇に追いやることだった。主権の問題は後で対処すればいい、ということだ。ケ小平は1978年に、釣魚島・尖閣諸島問題は「将来の世代」が解決してくれると述べている。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)のテイラー・フラベル氏は、7月末に開催された、海洋強国としての中国に関する政治局研究会の席上、中国の新国家主席、習近平氏がケ小平路線を再確認したと指摘する。また、習主席は中国の権利の保護と同じくらい地域の「安定の維持」を強調したという。これはASEAN諸国に親切にする努力に沿うものだ。

 しかし、それ以外の点では、中国が主権と見なす範囲を必死に防御する姿勢が和らぐことを示唆する兆候はほとんど見られない。中国はむしろ、国の南側でも東側と同様に、地図上のみならず海でも自らが主権と見なすものを行使しているのだ。

 


http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38752

JBpress>日本再生>国防 [国防]
我が国のテロ対策の現状と課題
見えない、予測不可能なテロにいかに立ち向かうか
2013年09月25日(Wed) 山下 輝男
1 はじめに
 あの戦慄的な、歴史上初めての化学兵器による地下鉄サリン事件から18年、一瞬我が目を疑った、ハイジャックされた旅客機による世界貿易センタービル等に対する米国同時多発テロからまもなく12年である。
 また、サイバーテロの脅威は現実のものになりつつあり、100年以上の歴史あるボストンマラソンの爆弾テロ事件やアルジェリア人質拘束殺害事件も記憶に新しく、世界はテロの脅威に晒されていると言ってよい。
 本稿では我が国のテロ対策を概観し、その課題と解決方向を提示したい。
2 テロの概念
(1)テロの定義
 警察庁組織令、公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律、公安調査庁の要覧および自衛隊法などに、定義とおぼしきものが示されている。
 自衛隊法第81条の2第1項に示されている定義は次のとおりである。
 「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で多数の人を殺傷し、または重要な施設その他の物を破壊する行為」
 上述の法律などに共通する要素は、
●政治上の目的達成のため
●不安や恐怖を抱かせる
●殺傷や破壊等の暴力行為である。
(2)特性など
 いわゆる一般の犯罪行為と異なる点は、特定国家などの積極あるいは消極的な関与がある。9.11以降、「テロとの戦い」という考え方も定着している。
 伝統的なテロは、要人を標的とすることが多かったが、現在では無差別テロが主流となっている。また、政治性がますます強くなった。
 また、テロの手段も、以前は銃や刃物が主体であったが、現在は航空機や列車、爆弾しかも自爆テロもあり、テロ手段の予測不可能性が増大し、テロ手段に関する知見も容易に入手できるようになった。
 さらには、ホーム・グロウンテロリストやローン・ウルフと呼ばれるテロリストも出現し、誰がテロリストかますます不明瞭になりつつある。グローバル化の負の側面が表れている。
 日本人は、テロリストは“外から入って来る”ものと漠然と思っているが、そうとは言い切れない状況になりつつあるのかもしれない。
 なお、テロについては、国際的に定義化の動きはあるものの、各国の利害や認識の差異もあり、テロリズムを表現する適宜な用語は存在していないとされている。
3 国内外のテロ事件など
(1)日本
 テロ事件の主要なものは、VGの通りであり、地下鉄サリン事件、最近のサイバー攻撃テロおよびアルジェリア人質拘束事件の概要はそれぞれのVGの通りである。






(2)外国における主要テロ事件など
 9.11以降の主要なテロ事件をリストアップは次のVG(上)に示すとおりであり、それらを総括したものが下のVGである。



4 我が国のテロ対策
(1)国際的枠組みとそれに応ずる国内的措置
 9.11米同時多発テロ以前においては、「ハイジャック防止法」「破壊活動防止法」「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」などがそれぞれ制定されてきた。
 9.11以降の国際的なテロ対策の必要性の高まりを受け、テロ防止関連12条約や核テロ防止条約あるいはテロ対策に関する国際的な合意に基づき、各種の法整備を行ってきた。
 テロ防止関連12条約は次のVGに示すとおりである。

(2)我が国の対応
 地下鉄サリン事件や9.11米同時多発テロを受け、政府の初動措置等に関する態勢の強化が図られ、それは逐次にバージョンアップされている。
 「大規模テロ等の恐れがある場合の政府の対処について」には、
●事態の正確な把握は内閣情報調査室を通じ
●内閣に総理を長とする対策本部を設置し
●事態切迫時には治安出動の発出に係る準備の推進を行い
●迅速な閣議手続きを実施する
 と定めている。
 政府は、危機管理体制の構築にも着手し、内閣官房に「危機管理監」を設置すると共に、内閣官房の組織改編を行った。また、各省庁や行政機関等に危機管理担当官を配置して危機管理能力の向上を図ってきた。
 さらに、平成16年12月、国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部において、「テロの未然防止に関する行動計画」を策定した。
 その計画には、「今までに講じてきた未然防止対策」を記しているほか、「今後速やかに講ずべき未然防止対策」6項目および「今後検討すべき未然防止対策」が決定された。その概要は次のVGの通りである。



 平成20年には、「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008−「世界一安全な国、日本」の復活を目指して−」を犯罪対策閣僚会議において策定し、その第6項において「テロの脅威等への対処」を特記している。
 本行動計画は、本年12月を目途に最新化が図られるようになっており、その指針は次のVGの通りである。

(3)主なテロの未然防止対策の現状
 内閣官房がさる5月28日に発表した「主なテロ防止対策の現状」の概要は以下のVGに示す通りである。





 上記のVGに示す2、4、5および9項については、次項においてさらに検討してみる。
5 テロ対策に係る主要事項の現状など
(1)テロと国民保護法
 平成16年、有事法制整備の一環である武力攻撃事態対処関連法制の1つとして、いわゆる「国民保護法」が成立した。
 国民保護法は武力攻撃事態等における措置事項について定めたものであるが、武力攻撃よりも発生の蓋然性が高い武力攻撃に準じたテロなどの事態についても国民保護のための措置を行うことが必要とされ、緊急対処事態として所要の規定が設けられた。
 テロ対策としての国民保護法を簡単に見てみたい。
 緊急対処事態の定義・想定する事態や自衛隊の治安出動との関係および緊急対処保護措置は次のVGの通りである。













(2)核セキュリティ
 9.11以降、核テロからの防護を表す用語として、「核セキュリティ」という用語が使用され始めた。考えられる脅威の態様など、福島原発事故で露呈した原発の脆弱性および原発テロ対策の現状はVGの通りである。





(3)NBCR対策
 核セキュリティに係る事項を除くNBCR対策はVGのとおりである。

 現実に地下鉄サリン事件が起き、イラクやシリアでは化学兵器が使用された強い疑いが持たれており、国際社会の懸念が高まっている。
 一方、生物兵器も化学兵器同様にあるいはそれ以上に厄介なテロ手段である。撲滅宣言がされた天然痘についても注意が必要だし、水道施設にも十分に注意しなければならない。感染症はテロかもしれない、それ位の注意が必要かもしれない。
 ちなみに、VGにあるバイオアッセイ(Bioassay)とは、生物材料を用いて生物学的な応答を分析するための方法のことである。
(4)サイバーテロ
 3(1)項 日本におけるテロ事件で示したが、日本に対するサイバー攻撃が頻発している。DDos攻撃から最近では標的型サイバー攻撃に進化(?)し、対策ソフトも機能しないとも言われている。
 イラン核施設攻撃に使用されたStuxnetの目的は、イランの核施設における遠心分離機を破壊することであり、そのため、遠心分離機の回転速度に関わる制御システムに特定のコマンドを出したと言われている。
 我が国内の重要インフラの制御系にイラン核施設攻撃と同様の攻撃が行われないという保証はない。対策などの現状はVGの通りである。









(5)大量輸送機関などのテロ対策
 ハイジャックされた航空機による貿易センタービル爆破、スペインにおける同時多発列車爆破事件、さらにはボストンマラソン爆破事件など大量輸送機関、多数集合施設やイベントに対する無差別テロが起きており、これが対策も喫緊の課題であると認識され、VGに示すような対策が採られている。



(6)在外邦人保護
 近年、邦人がテロや事件に巻き込まれる事件が多発している。金銭目的の拉致事件もさることながら、テロの被害に遭うことも多い。
 アルジェリアの人質拘束事件で邦人10人が犠牲になったことは改めて在外邦人保護の重要性を思い知らされた。アルジェリア人質事件を踏まえた有識者懇談会の報告書が本年4月末に発出された。

(7)テロ対処部隊など
 テロ対処は未然防止に努めるべきであるが、万が一テロが発生した場合にテロの実行犯などを鎮圧・逮捕すると共に被害者の救出・応急処置により被害の局限を図ることが必要である。
 警察や消防においてはテロ対策に積極的に取り組み、VGのような部隊などを創設している。自衛隊の各部隊はテロ対処専門部隊ではないが、必要に応じその能力は活用されるだろう。詳細は省略する。

(8)国際テロ対策
 テロ対策においては、国内における対策と国際的なテロ対策への協力は車の両輪でもある。我が国は国際テロ対策に積極的に貢献している。
 日本が主催する、アフリカの開発をテーマとする国際会議であるアフリカ開発会議(TICAD)において、6月2日、安倍晋三首相は演説し、サハラ砂漠南部の安定に向け、5年間で1000億円の開発支援を表明した。
 日本人10人が犠牲となったアルジェリア人質事件を踏まえたもので、砂漠南部地域でテロや治安対策部門の人材2千人を育成する方針をも明らかにした。
 自衛隊もテロ特措法等に基づき所要の協力活動を行った。国際テロ対策の概要はVGのとおりである。






6 日本が直面するテロの脅威は
 5項において、日本のテロ対策の現状を見てきた。随分と進歩したものだと感じるが、それでも十分だと言えるだろうか?
 我が国が直面するテロの脅威を端的に挙げればVGの通りではなかろうか?
 日本の安全を特に脅かすのは北朝鮮や中国であろう。「日本列島に住めなくしろ」との故金正日の発言は看過できないし、情報収集や破壊工作からゲリラ戦まで各種活動に従事する北朝鮮の特殊部隊は、10万とも18万とも言われる勢力を有しており、我が国にとって脅威である。
 また同国はサイバー戦についても積極的に取り組んでおり、注意を要する。中国のサイバー部隊は網軍(ネット軍)と言われ、勢力は13万人とも言われ、日本や欧米に対するサイバー戦を仕かけている。


7 我が国のテロ対策の課題と解決方向
(1)全般
 6項までで、我が国のテロ対策の概要を確認したが、9.11以降対策もかなり進んだと思われるが、それでも万全ではない。いくつかの課題があり、それらの現状と解決方向を提示したい。VGに示す10項目について述べる。

(2)テロに係る法制度
 行動計画において、基本方針等に関する法制について検討することとなっているが、その具体化がなされていない。すなわち、対テロ国家戦略とテロ対策基本法がなく、罰則なども個々の法律で規定されているのみであってテロに関する包括的な法制を整備する必要がある。

(3)国家中央組織
 国家中央組織における危機管理体制の強化も急務である。日本版NSCの設立に向けて体制が強化されつつある。安倍首相は年内発足に向けて、準備を加速するよう指示し、担当の安保担当審議官に自衛隊制服組の長島純空将補を充てる人事を固めた。
 また、NSCと連携する「内閣情報局」を新設するとも報道されている。いずれにしろテロ対策における国家中央組織が一新されるのは喜ばしいことである。

(4)緊急事態基本法
 我が国の事態対処法制は、事態が発生し、あるいは条約が締結されるなどの、必要が生じた際に個別に制定されてきた。それはそれで必要なことであったとは思うが、事態と事態の狭間、グレーゾーンに対しては有効に機能し得ないことがあり、新たな特措法を制定しなければならないという事態をも起こり得る。これでは迅速な対応を期し得ない。
 さらには、ある事態から別な事態への進展が余りにも急で対応し得ないということも十分に考えられる。このような事態を回避するためには、緊急事態基本法を制定する必要がある。

(5)テロに係る情報の収集・集約・分析および共有
 テロの未然防止のためには、情報の収集・集約・分析が極めて重要である。各省庁、民間企業等が個別に収集している情報を集約して分析をする必要がある。一見するとバラバラに見える情報も集約して別な視点から分析すると玉石となる。
 各機関などが収集した情報、特に緊要な情報が本当に集約されるか否かが問題だ。真に重要な情報は提供されない恐れがある。それを打破するには強力なシステムの構築と提供された情報の秘密保全を確実にするための措置も必要だ。
 解決方向としては、国家安全保障に係る情報を統括し得る中央機関の創設であろう。そういう意味において、日本版NSCに合わせて内閣情報局を新設し、「内閣情報監」を任命するとの報道もあり、そうであれば、大前進である。

(6)現地における対処の統・調整
 緊急事態においては、現場における初動対処が事後の対処の死命を左右すると言っても過言ではない。現場力向上のための資器材等の準備のほか、関係機関相互における協力の在り方を検討して、その相乗効果が発揮できるようにする必要がある。
 福島第一原発事故における警察、消防および自衛隊による放水作戦においては、一時的に自衛隊が指揮したが、このような現地における関係機関相互の関係を適切に律することが重要だ。
 また、地下鉄サリン事件においては救急隊員など135人が、警察官等も相当数2次被害を被ったとされており、初動対処に任ずる隊員などの安全確保も重要であり、その措置があってこそ十全の初動対処が可能となる。



(7)対策の実効性は?
 いろいろな対策処置がなされており、一見盤石に見えないこともないが、その実態たるやお寒い限りであると言えよう。特に、1人で10人の兵隊に匹敵すると言われる北朝鮮の特殊部隊による攻撃や破壊活動などに対しては脆弱そのものであろう。
 政経中枢や重要インフラ等の防護・警護は、自衛隊の本来の任務ではないとしても、特殊部隊等に対処するには、それなりの実力を持つ部隊でなければならないのは自明であり、自衛隊の積極的な活用を考えるべきだろう。





(8)国民の役割について
 テロ対策基本法が制定されれば、国民の役割なども明示されるかもしれないが、現状では、国民の役割や期待する事項が明示されてはいない。
 少なくとも国民としては、下のVGに示す「3」のようなことを実施すべきだろう。自助や共助から発展してより積極的な役割を果たす事が出来れば、テロに強い社会足り得よう。

(9)民間力の積極的活用
 日本の商社のネットワークは世界中に張り巡らされ、日本最大の情報機関でもあろう。その情報を活用する方策を考える必要があろう。また、日本の工業力を生かしたテロ対処機材などの開発も必要である。日本としてのテロ対処総力戦体制を築くことが必要だ。

(10)訓練について
 自衛隊と警察、警察と海保の共同訓練は、まさにその緒についた段階であり、さらに実効性ある訓練へと進化させる必要があろう。また、国民や行政機関等の協同訓練は国民保護訓練として実施されているが、その内容と質をバージョンアップさせねばならない。
 さらに言えば、政治家等に対する国家危機管理時の対応に関する所要の訓練を行う必要もあるのではないだろうか?

(11)人材の育成および危機管理文化の啓発
 日本における危機管理意識は近年逐次に高まっているが、まだまだ不十分である。真のプロを育てる必要がある。危機管理は腰掛け的にやるようなものではないはずだ。
 危機管理を国家や社会、企業の重要なセクションと位置づけて、相応の態勢を取る必要があろう。また、国民の啓発もさらに力を注がねばならない。


8 終りに
 現代において、テロは特別なものではなく、我々の日常に潜んでいるものと認識する必要がある。何時どこで、どのようなテロに見舞われるか予測はできない。そのような脅威を常に意識することが重要である。国民一人ひとりがテロは絶対に許さないという強い意識を持つことが、最大の抑止力ではなかろうか。
 日本のテロ対策は、9.11以降格段に充実したが、それでも万全ではない。
 テロを単なる犯罪と認識するのか、我が国に対する戦争と認識するかによって対応は当然異なる筈だし、戦争行為と理解して対応策を決定し処置すべきである。
 また、各施策の実効性を高めることが必要であり、国家としての危機管理体制をさらに充実させねばならない。最近の政府の動きを歓迎したい。 


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