03. 2013年9月13日 18:28:58
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2013年 9月 13日 08:56 JST 米国は威嚇の中止を―シリア大統領、化学兵器の国際管理に同意By JAY SOLOMON AND GREGORY L. WHITE [image] AP 記者会見するケリー米国務長官(左)とラブロフ・ロシア外相(12日、ジュネーブ) シリアのアサド大統領は12日、同国が保有する化学兵器を引き渡す前に、米国がその「威嚇政策」を中止し、シリア反体制勢力への武器輸出をやめるよう要求した。この間、米国とロシアの外交代表は、化学兵器引き渡しのためのロードマップ作成を目指してジュネーブで会談を開始した。 米ロ外相会談開始に先立ち、ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相は、シリアの武装解除(化学兵器引き渡し)に向けて緊密に協力することを約束した。しかし、双方の見解の違いは明白で、ラブロフ外相は対シリア武力行使は不要と主張したのに対し、ケリー長官は、化学兵器放棄をアサド大統領が約束した唯一の理由は、米国による武力行使の警告だったと反論した。 関連記事 米ロ外相がきょうジュネーブで会談―シリアの化学兵器問題を協議 米攻撃の遅延はシリア反政府勢力に打撃 化学兵器引き渡し提案、シリア政府にとって戦術的勝利 シリア化学兵器の廃棄計画、安全面など実行には多くの難題 オバマ演説は「戦いを好まぬ戦士」の慎重なスピーチ─専門家の見方 ケリー長官は、ラブロフ外相とともに記者会見し、「武装解除が実現しなければ、それに対する報いがあるべきだ」と述べ、「化学兵器の所有の事実さえも、アサド政権が初めて認めたのは、(米国などによる)武力行使の公算があると確信したためだからだ」と強調した。また、アサド大統領に対し、外交プロセスを使って先延ばししないよう警告した。 ケリー長官は、シリア政府は化学兵器の廃棄を監視する国際機関「化学兵器禁止機関(OPCW)」に対して化学兵器の在庫状況を申告するのに30日間の時間が与えられるとアサド大統領が述べたことについて、30日間は非現実的だと述べた。 アサド大統領はロシア国営テレビとのインタビューで、化学兵器廃棄を話し合うことにしたきっかけは、米国の圧力ではなく、ロシアの外交だったと述べた。 同大統領は「ロシアのイニシアチブがなければ、われわれはこの問題を他のいかなる国とも協議しなかっただろう」と語った。 アサド大統領はまた、自らの政権が化学兵器攻撃に一切関与していないとあらためて強調し、化学兵器の製造・保管・使用禁止条約締結に向けた文書を数日以内に提出すると述べた。 この条約は署名後、1カ月で発効する。同大統領は、その発効時に、シリア政府は化学兵器保管場所を国際査察機関に申告すると述べた。 国連は12日、シリアから化学兵器条約加盟に向けた第一歩となる文書を受理したことを確認した。
2013年 9月 12日 13:15 JST 米攻撃の遅延はシリア反政府勢力に打撃 By NOUR MALAS [image] Agence France-Presse/Getty Images 政府軍との戦闘の準備をする反政府勢力兵士(シリア東部デリゾール) 【イスタンブール】米国によるシリアへの攻撃が保留となっていることで、西側が支援する同国の反政府勢力はアサド大統領を追放し、イスラム過激派を脇に追いやる最高の機会を失うと不安を抱いている。 米国が約束した軍事支援を先延ばししていることに既に失望感を抱いている反政府勢力は11日、オバマ米大統領がシリア攻撃に関する採決を遅らせるよう議会に要請したのを受けて、外国からの決定的な支援の期待に見切りをつけた。 オバマ大統領は10日夜、ロシアがシリア政府による化学兵器引き渡し提案を行ったことを受け、まず外交交渉を優先させるために軍事行動を保留した。オバマ政権は11日、ロシアの提案をフォローアップすることとし、ケリー国長官をジュネーブに派遣してラブロフ・ロシア外相と協議させることになった。 英国、フランス、それに米国は国連安全保障理事会の決議案についての提案をロシアに示したが、西側外交筋によると、決議案の内容をめぐる交渉は米ロ外相会談の結果が出るまで始まらないと見られる。 西側が支援する自由シリア軍(FSA)の指揮官の1人であるモハンマド・アルダヘル氏は「革命は死んだ。売り飛ばされた」とし、「人々は疑いもなくアサドが失墜すると見ていた。しかし、一連の交渉の結果、彼が大統領として残り、そればかりでなく、国を救った英雄になったとしても私は驚かない」と話した。 軍事行動を支持する米議員にとっては、遅延は同行動への支持を広げる新たなチャンスになるが、外交的駆け引き―それにアサド大統領にとっての抜け道提供―はシリアの反政府勢力に新たな失望となった。 関連記事 米ロ外相がきょうジュネーブで会談―シリアの化学兵器問題を協議 シリア化学兵器の廃棄計画、安全面など実行には多くの難題 化学兵器引き渡し提案、シリア政府にとって戦術的勝利 オバマ大統領、慎重ながら外交的解決に傾く―シリア問題で演説 シリア、化学兵器保有初めて認める―米の軍事攻撃回避狙う 米国を頼ってシリアの首都ダマスカスの郊外にいる反政府勢力は、既にその戦闘計画を修正した。アサド政権の空軍力を無力化すると見られる米軍の空爆を期待していた同勢力は、米の空爆に続いてダマスカスを攻撃し、これによって政権にひびを入れられると考えていた。 こうした予想―2年半にわたる内戦の流れを変える米の介入への期待と同様に―は非現実的なように見える。オバマ大統領は化学兵器を使ったアサド政権を罰するために―反政府勢力支援のためではなく―軍事行動の構想を打ち出したのだ。 米軍当局者は、米国が攻撃するという脅威は戦闘に影響を与えたと述べている。これらの当局者は、シリア政府軍は過去数週間に、米の空爆を避けるために攻撃位置から掩ぺい壕に移動するなど、一部で後退していると語った。その結果、特にアレッポなどの周辺では、政府軍は反政府勢力を攻撃しにくい場所に移ったという。 しかし、今週に入ってからの政府軍の新たな攻撃の報道は、米による攻撃の脅威が後退したため、流れが変わったことをうかがわせる。 議員のなかで米の軍事介入提唱の中心的な存在である立つマケイン上院議員(共和)は11日、ロシアの計画は引き延ばし作戦だとし、シリア政府軍は10日に反政府勢力に対する空爆作戦を再開し、地上作戦も強化したと語った。 西側が支援する同勢力は、米攻撃の遅延が同勢力の中の過激派も利する見ている。8月21日の化学兵器使用のあと、米軍による攻撃の選択肢が浮上した際、国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派やこれと手を組む外国のイスラム聖戦士グループは、自分たちも攻撃の標的になることを恐れて、姿をくらませてしまった。 FSAのメンバーによると、過激派はその後、意気盛んな、より機動力のあるゲリラとして再び姿を現したという。過激派の存在とその力は、アサド敗北によってシリアはテロリストが支配するならず者国家になることはない、と穏健派が西側に説得するのを難しくしている。過激派は西側に反政府運動への疑念を抱かせているため、外国からの支援も鈍いという。 シリア国民連合のメンバーで過激派に反対しているサミル・ナチャル氏は「大混乱の中でイスラム聖戦士たちは利益を得ている」とし、「彼らは穏健派があれこれ議論し、外国の支援を待っている間に勢力を広げている」と話した。 同連合やこれと手を結ぶ反政府勢力が米国の支援を期待して戦略を修正したのはこれまでもあり、今回の米による介入の約束受けたものが初めてというわけではない。FSAは、西側が推奨する組織形態となることによって過激派を一掃し、より多くの資金流入を確保し、最終的には武器も手に入れられると信じて、内戦勃発以来何度かその組織や指導部を再編してきた。 FSAの最高軍事評議会のリーダー、サリム・イドリス氏やその他の評議会メンバーは、FSAへの支援はこれまでのところ不十分だとしている。一方で米当局者は、反政府勢力は根拠のない期待を抱き、当局者らの発言や行動をしばしば誤って解釈していると指摘した。 オバマ大統領が今年6月に承認した、反政府勢力への武器供与は11日、一歩前進したようだ。国民連合の報道官ハリド・サレ氏によると、米国はFSAに一部の武器供与を開始した。しかし、同氏は詳細は述べなかった。米当局者によると、供与計画は米議員の当初の反対と、反政府勢力の穏健派に供与するためのルート確立が困難だったことで遅れたという。ホワイトハウスと、武器供与を実行している米中央情報局(CIA)は、最初の武器が供与されたとの報道へのコメントを拒否した。 米の軍事介入の先送りに対する失望はアラブ世界にも広まっている。バーレーンのハリド外相は湾岸協力会議(GCC)加盟6カ国を代表して、シリア攻撃に関する話し合いに参加している西側諸国に向けた声明で、「立ち往生や先送りで時間を浪費しないでほしい」と訴えた。カイロで会合を開いたアラブ連盟加盟22カ国は、ロシアの提案の成功を望むとしながらも、国際社会は依然として「シリア内戦を直ちに停止させるための拘束力ある、効果的な措置について決定しなければならない」との見解を表明した。 |