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【9月12日 AFP】赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross、ICRC)のペーター・マウラー(Peter Maurer)委員長は11日、シリアの化学兵器使用疑惑と同程度の努力を、シリア国内の人道状況の改善にも向けてほしいと国際社会に強く訴えた。
マウラー委員長はスイス・ジュネーブ(Geneva)で記者会見し、「(シリアで)化学兵器が使用されたという実に大きな脅威に向けられている政治力と精力には感謝するが、それと同じだけの努力と勢力を、人道支援団体が活動できる環境を整えることにも向けてもらいたい」と述べた。
シリアの化学兵器問題ではジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官とセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)露外相が12日、ジュネーブで外交的解決を目指して協議に入るが、マウラー委員長はこの席で、日々悪化を続けるシリア国内の人道危機についても議題にするよう要請。「紛争の犠牲者に払われるべき注意が、世間の認識にはいささか欠けている」と苦言を呈した。
マウラー委員長によると、シリアでは最も人道支援が必要なのに援助団体がたどり着けない場所が複数あり、特に医療支援を届けることが難しい。負傷した兵士や戦闘員を助ける行為は、政府軍、反体制派のどちらからも利敵行為とみなされ、基本的な人道支援が尊重されていないという。
2011年3月に始まった反体制派の蜂起以降、シリアでは赤十字のスタッフ22人が命を落としているが、マウラー委員長によれば、これは「赤十字の記録に残る中で最悪の規模の死者数」だという。
赤十字は最近シリア支援体制を大幅に増強したが、活動レベルとしてはさらに倍増できる余地があるという。しかし、それでも10万人以上が死亡し200万人超が難民と化した内戦の対応には不十分だという。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2967892/11316650
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シリアでは200万人を超える国外難民と500万人近い国内避難民が発生している。この人数は、じつにシリア国民のおよそ4割に近い。その人数は現時点でも急速に増大しつつある。さらにかなりの人びとが避難しようにも包囲されて脱出できない状況にあるとみられる。
こうした危機的な状況にかんがみて、シリア政府、反体制派ともに人道支援団体の国内における自由なアクセスと安全を保障すべきである。
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