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西谷文和氏のアフガニスタン現地報告 2013.8
http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/718.html
投稿者 妹之山商店街 日時 2013 年 9 月 12 日 19:56:09: 6nR1V99SGL7yY
 

西谷文和氏のアフガニスタン現地報告 2013.8
http://www.youtube.com/watch?v=mmx7o-Qq784


2013年アフガン取材
http://www.nowiraq.com/blog/2013/08/


・<カブール2日目 赤十字で57名の子どもたちと出会う>
10歳のズベイル・アハマド君は、2年前ジャララバードの自宅から
学校に向かっていた。道にペンが落ちていた。
正確にはペンの形をしたもので、拾ってみると重かった。
「何だろうこれは?」。好奇心おう盛な少年は、
ペンの先を口に挟んで、キャップをこじ開けようとした。
閃光が走り、気を失った。ペンのようなものはクラスター爆弾だった。
この2年間で彼はドイツに2回運び込まれ、今回が3度目だ。
ドイツ語も少々話せるようになった。
「ペンのようなクラスター爆弾」は、タリバンは持っていないだろう。
米軍が投下した可能性が高い。


アフシャーンさんは先天的な膀胱傷害で、実はおしっこが垂れ流しの状態なのだ。
近づいてインタビューすると、プンとアンモニアの臭い。
中学生になってもおしめを離すことができない。
実はイラクでもこの症状の子どもを多数見たことがある。
「劣化ウラン弾だよ」。通訳のサバウーンがつぶやく。


・<アフガン3日目 子ども病院と避難民キャンプ>
この病院を4年前から取材しているが、少しずつ医療機器が充実してきている。
まぁあれだけの支援金があるのだから、本当はもっと早くこの病院に回って
こなければおかしい。カルザイ政権の汚職で、途中で金が消えている。


パクティア洲からやって来た。「なぜ、こんなになるまで放っておくのか!」と
この子の家族を責める人がいるかもしれない。
パクティア洲からカブールまでの乗合バスが約3千アフガニー。(6千円)
この家族には払えない大金なので、近所の村人たちに借金をして、ここへ来た。
今は、特殊なミルクを少しずつ飲ませて、体力の回復を待っている。
アフガンは医療費は無料なのだが、この病院までやって来る交通費がないのだ。
カブールには「戦争成金」がいっぱいいて、新築マンションが建ち並んでいる。
結婚式に一晩で何百万円と使うカブール住民もいれば、子どもがこんな状態にな
っても、わずか6千円のバス料金がないために病院まで来られない人々がいる。
絶望的な貧富の格差だ。戦争とグローバリゼーション。弱肉強食の世界。
病院を後にして、カブール市内のパルワンドゥー、
パルワンセ避難民キャンプを訪問する。
驚いたことに、キャンプがなくなっていて、
ここにも新築マンションが林立している。
7か月前に難民たちが地主に追い出され、ここにマンションが建ったのだ。


・<アフガン6日目 自爆テロとニュータウン>
アフガニスタンには巨額の復興資金が投じられていて、
さらには人口が急増しているので、ニュータウンの造成が始まっているのだ。
重機が林立し、建設会社の看板が並ぶ。大型トラックが資材を運んでいる。
建設会社は空前の好景気に沸き、マンションは作った尻から完売なのだ。
一部の「復興成金」「戦争成金」と、圧倒的多数の、
毎日1ドル以下で生活する人々。ここでは格差が極限まで広がっている。
みんなが貧しければ、テロは起こらない。一部のアフガン人だけが裕福になり、
その他大勢は貧困なまま。そんな格差がテロを生むのだと思う。


・<アフガン8日目 独立記念日>
米軍は2014年に撤退を発表しているが、おそらく基地は残すだろう。
アフガンの西側には敵国イラン、北の中央アジアと東の中国ににらみを利かせる
ためにもアフガンは「かなめ石」なのだ。この点は沖縄と通じる。
ここアフガンでも米軍が、例えば装甲車で人をひき殺しても、
裁判もないし、米兵は捕まらない。
「テロとの戦い」というあいまいな戦争を続けることによって、
軍産複合体と金融資本はボロ儲けができるし、
アジアのほぼ真ん中に巨大な軍事拠点を作ることに成功しているのだ。


・<2013年アフガン取材を振り返って>
地雷やクラスターは、すぐに戦争被害者と分かるが、
骨髄炎ややけどは直接には戦争に関係ないように思える。
しかしこれらも間接的な戦争被害者である。
どちらも戦争による貧困状況がもたらしたもので、
衛生状況が普通ならば、骨髄炎にならずにすんだだろうし、
キッチンと寝室が別れていれば、やけどにはならなかっただろう。
おしっこが止まらない、という症状はイラクでもたくさん現れていて、
これは劣化ウラン弾など「ダーティーボン(汚れた弾丸)」による
遺伝子破壊によるものだろう。


今回、たまたまカブール旧市街で、新たな避難民キャンプを発見した。
チャン・フズリーキャンプは、
主にパシュトン人、タジク人が故郷の村から逃げてきていた。
その原因は米軍の無人空爆とタリバン。
プレデターという無人空爆機、B52戦闘機によるかなり上空からの空爆。
どちらも米兵は死なない。村人の中に反米感情が芽生えるが、そんなところに
タリバンのリクルート部隊がやってきて、息子をタリバン兵にする、と言う。
拒否したら殺害される。よって、逃げざるを得ない。
チャン・フズリーキャンプには、そんな状況の村から
命からがら逃げてきた人であふれていた。
例によって、国連は来ないし、カルザイ政権は何の手当も打たない。
人々はここで見捨てられていく。
オバマになって、戦争がなくなる、と思っていた私たちは、見事に裏切られた。
オバマは、口では平和を唱えながら、
「ブッシュよりスマート」に戦争しているだけだ。
アフガンもイラクも、今は「復興バブル」に沸いている。
戦争で街を壊し、復興で作りなおす。
単純なスクラップ&ビルドの構図は、世紀を超えて継続される。
建設会社は空前のボロ儲けをしているし、
その株式を所有する金融機関は、笑いが止まらないことだろう。
もちろん「基地ビジネス」「民間軍事会社」「軍産複合体」など、
直接的に戦争でボロ儲けしている企業もいる。
TPPや米国とのFTAは、そんな企業がより儲けるための仕組みで、
国家を越えたコーポラティズム(大企業主義と訳すのかな?)の搾取と収奪から
私たちは自らを守っていかねばならない。
一部の富裕層に莫大な富が集中し、圧倒的多数の人々が貧困に喘ぐ。
そんな非人道的な格差が顕著に現れるのが、戦争だ。
その意味では、「避難民キャンプの背後に豪華な結婚式場」の映像や写真は、
分かりやすく、目に見えるものとして貴重なものかもしれない。


<参照>
西谷文和氏のアフガニスタン現地報告
http://ima-ikiteiruhushigi.cocolog-nifty.com/afghanistan/2009/06/post-9bfe.html
 

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