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ロシアは9日、シリア政府に対してシリアが保有しているすべての化学兵器を国際社会の管理下に置くよう要請した。ロシアのラブロフ外相は、シリアのワリード・ムアレム外相とモスクワで会談し、ラブロフ外相は、化学兵器の国際管理受け入れに関する提案を伝えた。これに対してムアレム外相は、ラブロフ外相との合同記者会見で「ロシアのイニシアティブを歓迎する」と語った。
今回のロシアの提案を歓迎する。この提案は、シリアにおいて二度と化学兵器が使用されないことに道を開くものであり、大いに評価できるものである。
この提案については、米大統領もこれを歓迎すると報道された。これでシリア、ロシア、アメリカの主要3か国が共同歩調をとる可能性が開けてきたことは非常に好ましいことだ。これまでロシアは、国連安保理においてシリアに関する安保理決議に拒否権を行使し、事実上、国連が存在していない状況が続いてきたが、一説には1300人に上る死者を出すに至ったダマスカス郊外での化学兵器使用という許されざる犯罪行為を経て、ようやく国連が機能する状況が生まれつつある。
ロシアの提案は、シリアの化学兵器を国際社会の管理下に置き、シリアに化学兵器を廃止させ、化学兵器禁止機関(OPCW)への加盟を促している。しかし、ロシアの提案では大きな不確実性が残る。ただ単に国際社会の管理下といっても、シリアに化学兵器を全廃させるための強制力がなければ形だけのものに終わってしまう。
シリアに化学兵器を全廃するしか道はないという圧力を加えるために、違反すれば相応の制裁を科すという国連安保理決議が必要だ。この点について、シリアに化学兵器の廃止を提案したロシアが拒否する理由はない。さらに中国もロシアの提案を歓迎している。ロシアはつまらないにメンツにこだわることなく、いかなる前提条件をつけずにシリアの化学兵器全廃に向けた国連安保理決議の採択に協力を惜しむべきではない。またアメリカは、シリアの化学兵器の全廃に向けて積極的なイニシアチブを取るべきであり、シリアに対する武力行使は棚上げにすべきである。
シリアの化学兵器全廃を実現するためには、国連安保理決議とともに、国連およびOPCWによる大規模な化学兵器査察団の派遣が必要となる。シリアは査察団の自国内での自由な活動を最大限保証しなければならない。またシリアは国連査察団に自らが保有するすべての化学兵器について隠すことなく正確に申告しなければならない。
シリアの保有する化学兵器の全廃が実現すれば、シリアにおいて二度と化学兵器が使用されることはないだろう。このことは、反体制派が化学兵器を使用することの歯止めにもなる。シリアが保有する化学兵器の全廃が確認された後に、もしもふたたび化学兵器が使用されることがあるならば、それは反体制派の仕業ということになる。
ロシアとアメリカは、シリアの化学兵器全廃という大きな目標の実現に向けて、お互いが最大限に譲歩するべきである。
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