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シリア危機:イスラエルの本当の狙い
奥山真司
2013年09月09日 12:01
今日の横浜北部は朝から曇っております。朝が涼しくなりました。
さて、まだまだ続いているシリア情勢について。イスラエルの公式な政策はやはりルトワックのアドバイス通りなんでしょうか?
イギリスのインディペンデント紙のコラムニストの意見です。
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シリア危機:イスラエルも「両者弱体」を狙っている?
by パトリック・コックバーン
●中東のすべての国は、アメリカのシリア空爆の予測に関して自国の利益を中心にすえた対応を行っている。
●シリア危機の人的コストについて喧伝されている懸念について、シリアの周辺国たちが最も恐れているのは、アメリカの行動が地域のパワーバランスや、その長期化する危機、そしてイスラエルとその敵、サウジ・アラビアとイラン、スンニ派とシーア派、そしてアメリカとロシアのような敵対関係にたいして、一体どのようなインパクトを与えるのかを懸念している。
●イスラエルのポジションはかなり強固に自国の利益を基盤において考慮されたものだ。アメリカ主導の攻撃によってアサド政権・軍部を十分に弱体化させて、長期的には内戦に勝たせないようにしたいと望んでいる。
●ところがイスラエルは、シリア政府を破壊してしまい、スンニ派の反政府運動(アルカイダとの関連性あり)を勝利させるような強力な空爆は好んでいないように見える。
●現在イスラエルは、中東の多くの人々がアメリカとその同盟国の本当の狙いとして疑っていた政策を、公式に宣言している。これはつまり、その紛争の当事者のどちらも決定的な勝利を得ずに、弱体化させまで紛争を続けるという戦略である。
●元在ニューヨークイスラエル総領事であるアロン・パイナスはニューヨーク・タイムズ紙にたいして「これはスポーツでいえばプレーオフのような状況であり、両者に負けてもらって、最後には誰にも勝ってほしくないというものだ。この状況における戦略的な考え方としては、両者共に傷ついてもらって出血多量死を狙うのだ。これさえ続けばシリアからの深刻な脅威はないのです」と述べている。
●イスラエルの見方は、もし実際にアメリカが軍事行動をとるとすれば、とくに重要になってくる。なぜならオバマ大統領は親イスラエル・ロビー団体にたいして、議会に軍事行動を理解するよう働きかけるよう求めているからだ。
●イスラエルはアメリカとその同盟国たちに、シリアにおけるイランの協力を得るのはいいが、そのためにイランの核開発計画まで譲歩してもらいたくないと思っている。
●ロシアとしては、ジュネーブで開催される和平交渉(五月から米ロが計画)にイランの参加を求めている。なぜならイランはシリアについて大きな影響力を持っていると見られているからだ。
●イランはアメリカの軍事介入について厳しく反対しており、空爆が実行されればイラン、シリアもしくはヘズボラがアメリカやイスラエルに反撃することもありえないわけではないのだ。
●これまでイランはシリアを完全に擁護してきた。そしてこの内戦を、イランとシリアの関係を政治・軍事面で弱体化させるものだとみなしているのだ。
●ヘズボラもシリアとの国境を越えたクサイルというところまで反政府勢力と戦うために兵力を派遣しているが、それ以上に深入りはしようとしていない。
●むしろシリアの隣国であるトルコのほうが直接的に関与しており、シリア国内の反政府勢力にたいして兵士や補給などを自由に流れ込ませている。
●トルコのエルドアン首相はアサド政権の崩壊を狙った攻撃をアメリカにうったえているのだが、この政策はトルコ人の間では不人気であり、シリアの反体制派を支援する彼の惜しみない支持は、彼にとって厳しい結果となって返ってきつつある。
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ここでの注目はイスラエルの元政府高官がルトワックと同じようなことを言ったということですね。もちろんどこまで「公式」見解かは謎でしょうが・・・・。いやはや中東はリアリストな世界です。
http://blogos.com/article/69706/
- Re: ルトワックの「シリアの内戦を長引かせろ」論 小泉犬 2013/9/09 19:30:56
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