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米国のシリア攻撃でアジアに石油旋風が起こる
米国ミサイルの「標的」が地政学地図に出現したことに、世界の石油価格は敏感に反応した。シリア爆撃への見込みだけで、石油相場はここ4ヶ月で最大の水準に達した。2日間で5%も上昇し、既にバレル当たり117ドルに達している。世界市場は明々白々な警告を受け取っている。近日、石油価格の大変動が起こるかも知れない。
関係業者らは配当の書き換えを急ぎ、新価格表の作成に着手している。もしも米国が現実にシリアにミサイルを放ったら、石油価格はバレルあたり140〜150ドルにまで高騰すると、Societe Generaleは予測している。
中東産油国の紛争が泥沼にはまった場合にも、やはりバレルあたり150ドルへの高騰が予測される。これはファンタジーではない、と投資会社「ノルド・カピタル」分析局長ウラジーミル・ロジャンコフスキイ氏は述べている。
「シリアはそう多くの石油を産出してはいない。しかし、シリアは石油流通の道の上に位置している。シリアはイランと隣り合っている。イランはシリアと全く同様、不安定化ファクターである」
もし軍事的な干渉が行われた場合、イランはホルムズ海峡を封鎖し、ペルシャ湾産の石油の動脈を止める可能性がある。この海峡を通って毎日、世界全体の5分の1にあたる石油が運ばれている。イラクからの輸出も難航する。
投資会社「レギオン」の分析局長ワレリイ・ワイスベルグ氏は、シリア侵攻初日の石油価格動向について次の予測を示している。
「もしも軍事紛争がアクティブなフェーズに入ったら、中東産石油はバレルあたり120ドル強に高まるだろう。この期間が短期間で済む可能性もある。リビアとエジプトの一件の後にも同様の状況があった」
しかし、問題は米国その他NATO諸国のシリア侵攻がどれだけの期間つづくかということのみにあるのではない。既に武力の行使による紛争の終結という見込みだけで、発展途上国市場からの資本の引き上げが誘発されている。パニックじみた動きだ。最初のベルはUAEから聞こえてきた。ドバイ証券取引所のインデックスは7%も下落した。
発展途上国の多くは、差し引き、石油輸入国である。中国、インド、インドネシア、タイ、トルコ、みなそうだ。この国々が、シリア発の「石油旋風」に最初に打たれることになる。インド市場は既に恐慌に見舞われている。インドは石油の80%を輸入に頼っている。地政学的リスクの高まりによって、インド・ルピーは20年ぶりの低水準に落ち込んだ。米国によるシリア侵攻は、また中国にとっても頭痛の種だ。再びウラジーミル・ロジャンコフスキイ氏に聞こう。
「中国にとっては、石油価格が恒常的に上昇することは、極めて危険なことだ。中国はようやく経済成長の鈍化の時期を抜け出したところだ。いま中国にとって極めて重要なことは、年間のGDP成長率を7.5%レベルに維持することだ。それが第18回共産党大会で選ばれた新指導部の施政方針なのである」
石油価格の高騰でいい目を見ているのは米国である。シェール製品によって、燃料の国内価格を、世界平均と比べて、相当低く抑えることが出来ている。このことがまたひとつ、ロシアの一部専門家によれば5年後にも世界最大の経済大国の座を米国から奪うという中国の、米国への非難の種となっている。中国の、中東およびアフリカの資源へのアクセスを制限することは、米国の戦略目標のひとつである。米国はこの目標を、リビア侵攻やスーダン分割によって、うまく成し遂げてきた。米国がシリアにトマホークを打ち込むとき、地政学的ライバルの筆頭である中国が悶え苦しむ姿がその視野の端に捉えられているだろうことには疑いがない。
http://japanese.ruvr.ru/2013_08_30/120494224/
- Re:イラン最高指導者、「シリア攻撃で米国は苦しむ」(ホルムズ海峡を封鎖するかもしれない) 小泉犬 2013/9/08 09:17:51
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