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シリアにはイラク+リビアのシナリオ
VORの専門家らは、西側の対シリア攻撃がもし行われるとすれば、これはイラクとリビアのシナリオを合体させたものになるだろうとの見方を示している。
イラクの経験からは攻撃を開始する前提を作りあげるメソッドがとられる。何らかの国際法に違反したとして、これを証拠もないまま大騒ぎして非難するというやり方だ。リビアからは軍事作戦の例を引くことができる。西側の空軍は、シリアで活動する国際テロ組織の地上作戦を空から覆うだろう。
エヴゲーニー・エルモラエフ評論員は次のように述べている。
「いわゆる西側社会では全員が全員、戦争の斧を振り回しているのではない。豪州のプラド首相は9月初めに国連安保理の議長に就任するが、プラド氏は『われわれの、そしてほかの政府が自国をイラクの軍事紛争へと介入させたかをよく記憶している。その根拠とされたのは、全く正しいものではなかったといわねばならない』として、シリアで起きていることを性急に結論付けず、化学兵器の使用の真偽を調べる国連の専門家の結論を待つよう呼びかけている。」
だが西側陣営でこうした声が聞かれることはきわめて稀だ。
論調を作り出しているのは全く別の政治家らだ。オランド仏大統領は熱弁をふるい、シリアで化学兵器を用いようとした発案者を罰するよう呼びかけており、そうした発言によって自らを愚かな立場に追い込んでいることに気づいていない。なぜなら権威ある専門家らは、これには仏の専門家も入るのだが、この攻撃は反体制勢力の扇動であるとの見方を示しているからだ。となると、オランド氏は誰を罰しようとしているのだろうか? だがこの場合論理に引き込むのは、全体から察するに意味を成さない。西側指導者らは今回も自分にしか耳を傾けていないからだ。
東洋学者のヴィクトル・ナデイン=ラエフスキー氏はイラクとリビアとの類似点について次のような見解を寄せている。
「シリアへ外国の軍隊が軍事介入を行うことはありうる。だがイラクで介入の当初起きた事態は繰り返されないだろう。イラク軍は介入者に抵抗することはほとんどなかった。シリアではすべてが違う形で進むだろう。米国ではこれは意識されており、だからこそ自国の地上軍は現地には派遣されない。米国はシリアに扇動をかけ、カオス状態を作り上げようとしている。このカオスに対抗するには米国の息のかかった地域の連合国が必要となる。こうした国らは西側の無謀な行為の結果を支払うはめになるだろう。この意味でイラクの経験が考慮に入れられる。シリアの地上戦については米国の名において『アン=ヌスラ戦線』と『イラクとレバントのイスラム国』が戦うことになるだろう。これはリビアの例にほぼ沿う。」
だがシリアへの攻撃が地域に及ぼす影響はイラクやリビアの例よりもっと悪くなるにちがいない。シリアを攻撃することで西側は事実上、シリアのシーア派とキリスト教徒を対立させようとする地元のアル・カイダの意図を支持することになる。この支持を取り付けることで、急進派らは地域全体のシーア派、キリスト教徒らに攻撃を開始するだろう。シリアのクルド人らが急進派に勝利した最近の例も帳消しになってしまうに違いない。クルド人はこれを冷静に受け止めることはないだろう。このため、ここでは様々なパターンが想定しうる。
全体としてシリア攻撃は、もしこれが行われた場合、西側が中東地域においてある程度独立性を保つ中心的影響力をすべて力で退けようとするものであることが証明される。
イラクとリビアは荒野と化し、すでに「民主化」されている。そのため、現在の西側の連合国らもこの地域で幻想を作り上げる必要はない。カダフィー大佐は西側の介入を受ける前の最後の数年、欧州の多くの指導者らと個人的レベルで友好を固めた。だがこれはどういった結果を招いただろうか? アラブの君主制が現在のシリアよりもいわゆる西側の民主主義の標準とはかなりかけ離れたものになっていることを、欧米が数年先、思い出すことはあるのだろうか?
http://japanese.ruvr.ru/2013_08_29/120412824/
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