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2013年9月 3日 [国際事務局発表ニュース]
ここ数日のあいだに、英国、米国、フランスをはじめ、数カ国の政府がシリア政府に対して軍事行動をとる意志を示している。8月21日の化学兵器による攻撃は、シリア政府によるものとみなしたからだ。攻撃された地域を撮影した数十点の映像には、これまでの長く悲惨な紛争を通して目撃したなかでも、特に目に焼き付いて離れないほどの悲惨なシーンが写っていた。
※以下は、8月29日に発表された内容の日本語訳です。
その後、英国の議会はシリアへの軍事介入を否決しましたが、米国は議会の承認を得たのちに、軍事介入を開始しようとしており、9月9日以降の動きが注視されています。
今や、シリアと他国の間に、国際的な武力紛争の不気味な影が迫っている。
いかなる場合でも、市民の保護が最優先の課題であり、そのために、すべての当事者は国際人道法を遵守しなければならない。関係者はとりわけ、以下のことを絶対に守らなければならない。
・民間人や民間人の所有物を標的にしない。
・無差別で過度の攻撃をしない。
・クラスター爆弾など、本質的に無差別となる、もしくは国際人道法によって禁じられている武器を使用しない。
・攻撃に際しては、可能なかぎり民間人に警告を発したり、基地や軍事施設で拘禁されている囚人に特に注意を払うなど、民間人に危害が及ばないよう、あらゆる手だてをとる。
・できるかぎり、軍事目標を人口密集地域や付近に置くことを避け、できれば民間人を軍事目標の付近から遠ざけるなど、管理下にある民間人を攻撃の影響から守るよう手だてをとる。
・民間人を使って軍事目標を攻撃から守る(いわゆる「人間の盾」)ことをしない。
この間に、ブラヒミ国連・アラブ連盟合同シリア特使が、危機打開を目指してきた。しかし国連安保理は手詰まり状態で、今のところこの残酷で血塗れの紛争を解決する試みは成功していない。シリア政府は民間人居住区に弾道ミサイルを発射するなど、人権侵害を野放図に続けており、どうやらロシアや中国などの同盟国が守ってくれると安心しているようだ。この2国は、無神経さを確固たる信念と取り違えているかにみえる。大きな変化と実効性のある強制力がすべての紛争当事者に加えられないかぎり、交渉だけでこの危機を回避するのは極めて困難だろう。
ただし、アサド大統領ほか国際法上の犯罪行為を命令・実行した者らの資産の凍結など、的を絞った制裁措置、国際刑事裁判所への紛争の付託、実効ある国際的な人権調査団の派遣などは、シリアのすべての人びとの人権を尊重した上での事態の解決に向けて、意味のある交渉を進めるうえでいくらかは寄与すると見られる。
国際社会はまた、425万を超える人びとが住む場所を追われたとされる、シリア国内の深刻な人権状況を改善するための緊急措置をとる必要がある。とりわけ、シリア政府や反政府勢力が人道支援団体や機関の活動を妨げないよう、国際社会が確保すべきである。また、シリア政府は、国境や戦線を越える人びとの往来を直ちに認めるべきである。
シリアの状況は、もはや心を痛めるどころではない。いまこの時も民間人が無差別に狙われ、殺されている。いまこそ行動すべきだ。なかでも、すべてのシリア人の人権を最優先させる行動が必要だ。
背景情報
アムネスティ・インターナショナルは、ダマスカス東部のゴータ地域で8月21日に化学兵器による攻撃を受けたとされる生存者、また被害者を診察した医師から情報を収集し、同時にこの分野の専門家と情報を共有し、調査を進めた。その結果、東部ゴータのザマルカとアイン・タルマの街で化学兵器が使用された可能性が高いと考えている。また、専門家は、使われたのは神経ガスの一種ではないかと考えている。この毒物には人の筋力を弱める作用があり、ひどい時には死に至る場合もあるという。
しかし、誰が化学兵器を使用したかを決定づける十分な情報は得られていない。
8月19日から国連の調査団がシリアに入り、調査を行ったが、今回の調査団の任務は、化学兵器が使用されたかどうかの確認であり、誰が使用したかについて特定することは含まれていないのだ。
アムネスティは、シリア独立調査団が、化学兵器による攻撃を含む国際法上の犯罪容疑についての加害責任を調査することができるようにすべきだと考える。そして、これまで一貫して訴えてきたように、国連安保理はシリアの事態を国際刑事裁判所に付託し、化学兵器の使用、その他の戦争犯罪や人道に対する罪に対しての責任を追及すべきである。
2013年8月29日
アムネスティ・危機対応キャンペーンマネジャー/クリスチャン・ベネディクト
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0903_4151.html
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アムネスティ・インターナショナルの本発表を強く支持する。
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