http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/597.html
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu294.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
日本はアメリカがいつまでも同盟国でいてくれると思わないほうがいい。チャーチルは
「永遠の敵も永遠の同盟国もない。永遠にあるのは国益だけだ」と言いました。
2013年8月31日 土曜日
◆始まっている日中戦、心理戦に負けた日本メディア いつまでもあると思うな日米同盟、永遠にあるのは国益だけ〜織田邦男氏 8月30日
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38577
ここにきて集団的自衛権の問題がクローズアップされていますが、個別的自衛権についても併せて議論する必要があることを強調したいと思います。
力を信奉する中国の前に力の空白を作ってはならない
中国ははっきり三戦、スリー・タイプ・オブ・ウォーを戦うということを言っています。それは心理戦、法律戦、世論戦。
今は心理戦を仕掛けてきていますが、メディアの中国寄り報道からも読み取れる通り、日本は押される一方です。戦後、軍事を忌み嫌い、タブー視してきたツケが回ってきているということでしょう。
中国はどういう国かということを、まず押さえないといけません。背景には華夷秩序の伝統があるんですが、中国には自分の実力の及ぶ範囲がテリトリーだという考え方が根付いています。経済力がつき国力が高まれば、自分の領域が広がるということですね。
私がスタンフォード大学にいたころ中国から亡命した人に教わったのですが、彼によると中国は2人のカールを愛する国だというんですね。2人というのは、カール・マルクスとカール・フォン・クラウゼヴィッツ。どちらも力の信奉者であり、したがって中国もまたそうなのだ、と。
ケ小平のころは国力が弱かったから、あくまで下手に出るモミ手外交でした。しかし経済力も軍事力もついてきた今、俄然強気に転じています。南シナ海にも東シナ海にも進出し、ウイグル、チベットなんかにも勢力を広げた。その延長線上にあるのが、尖閣であり沖縄なんです。
力の信奉者である彼らに対処する上でわれわれが気をつけるべきは、力の空白を作らないことです。米軍がベトナムから撤退して空白ができた途端に、中国は西沙諸島を占領しましたが、同様のことがカムラン湾や南沙諸島でも起きています。力の空白ができてここが弱いと見たら出てくるわけです。
「永遠の同盟国も永遠の敵もない」――日本は自前の軍備を
日本の安全保障は自衛隊と日米同盟で成り立っています。しかし近年アメリカの足元がおぼつかなくなってきている。2年前、アジアに集中するという戦略転換に踏み切りましたが、これを実行に移せるかは疑問です。
アメリカは今後10年で国家予算を1兆2000億ドル、日本円にして約120兆円も削減します。その半分は国防費です。したがってアメリカの力はこの先確実に弱まります。
アジアを重視するといっても、アメリカのDNAからして中東を放り出すわけにはいきません。ただでさえエジプトもシリアもイランもきな臭い今、どうしたって中東に目が向く。するとアジアは手薄になり、日米同盟の比重は軽くならざるを得ないでしょう。
日本はアメリカがいつまでも同盟国でいてくれると思わないほうがいい。チャーチルは「永遠の敵も永遠の同盟国もない。永遠にあるのは国益だけだ」と言いました。
要はアメリカも国益で動いているということです。戦闘機にしても日本はアメリカから買っていますが、アメリカが補給の道を閉ざしたらお手上げです。アメリカ頼みではいられなくなるこれからの時代に向けて、自前で軍備を持つ、自分の国を自分で守るということを考えないといけません。
(私のコメント)
英国がシリアへの軍事攻撃に関して議会に否決されたことで、アメリカは単独攻撃を仕掛けるのでしょうか。アメリカ自身も議会の賛成を得なければ軍事攻撃できない可能性もありますが、対イラク戦争における大量破壊兵器のでっち上げの前例があるから、アメリカの国民世論も武力攻撃には否定的だ。
アメリカ国民には厭戦気分が出てきており、シリアのアサド政権を倒す利益がアメリカにあるのだろうか? シリアの反体制派も外国人が入り込んでおり、民主化を求めるシリア人がアサドを倒すために戦闘しているのだろうか? その点でリビアやエジプトやチュニジアなどとは違うようだ。
中東でもアサド政権を支持するグループと反体制を支援するグループに分かれており、さらには反体制派を支援するアメリカとアサド政権を支援するロシア・中国との代理戦争のような様相を呈してきている。もし集団的自衛権を日本が認めれば、中東における紛争が拡大してアメリカが日本に支援を要請してきたら断れるのだろうか?
アメリカ軍が攻撃されたのではないから問題はありませんが、紛争が拡大してイラクやアフガニスタンに展開しているアメリカ軍が包囲されて危機的状態になれば、集団的自衛権に元ずく日本軍への要請があるかもしれない。その時に断れるのだろうか? 今までなら憲法上の理由で断ることもできたのでしょうが、イラクのサマワに出動した自衛隊の例もあるようにアメリカの戦争に巻き込まれる可能性がある。
「株式日記」では、サマワに出動するのは「国軍」として出動すべきと主張して、憲法改正して出動すべきと書いたことがあります。だから憲法解釈を変更するやり方ではなく、正攻法の憲法改正による集団的自衛権を認めるべきだ。現実にシリア問題がこじれて中東情勢が流動化してアメリカ軍が危機的になれば日本にも出動要請があるかもしれない。
日本の周辺でも、中国や北朝鮮や韓国などとの外交摩擦が拡大してきていますが、アメリカとの協力関係を密にしておかないと、いざという時にアメリカの支援が得られないことも想定しておくべきだ。だから憲法改正も安倍政権ではのんびり構えておくべきではなく、衆参で多数派を維持しているのだから、憲法改正に突き進むべきだろう。
中国の軍事的圧力はますます増してきており、海軍や空軍の戦力増強が著しい。直接武力行使してこなくても外交的圧力の手段として、軍事力が使われる。織田氏の意見でも、「中国ははっきり三戦、スリー・タイプ・オブ・ウォーを戦うということを言っています。それは心理戦、法律戦、世論戦。今は心理戦を仕掛けてきていますが、メディアの中国寄り報道からも読み取れる通り、日本は押される一方です。戦後、軍事を忌み嫌い、タブー視してきたツケが回ってきているということでしょう。」という事ですが、心理戦争で日本は中国に押されている。
中国は外交でも、韓国やアメリカを使って日本を孤立させようとしていますが、多くの工作員を送り込んで日米の分断工作をしている。政界やマスコミなどへの工作も進んでおり、憲法改正などに対する反対世論をかき立てている。中国の心理戦は多方面に及んでおり、尖閣でも長期にわたる神経戦に持ち込まれている。
頼みのアメリカは、中東問題で手がいっぱいだから極東にまで手が回らない。さらには財政緊縮で軍事費が削られるから、アメリカ海軍や空軍の戦力もカットされるだろう。日本円で120兆円もの削減するとなると、国防費が半減することも考えられます。中国はこのようなアメリカの足元を見ているから強気で押してきます。
アメリカには一貫した外交政策は無く、アメリカの国益次第では国内に閉じこもる「引きこもり国家」になる可能性もある。今までの同盟国も切り捨てて不関与政策になるかもしれない。そうなれば在日米軍基地も無くなってアメリカ軍は本土に引き揚げるかもしれない。そうなれば憲法9条改正もへったくりも無くなって、日本は自主防衛体制を築かなければならなくなる。
日米安保が永遠に続くことは現実的ではありませんが、日本人の中には永遠に続くと信じている人もたくさんいる。まことにお目出度い限りですが、アメリカという国は状況が変われば外交政策もがらりと変わる。それがバランスオブパワー外交であり、米中によるG2による世界戦略を構想するグループもある。だから油断も隙もないのだ。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。