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【ロンドン時事】英下院は29日夜、対シリア軍事行動に関する政府提出の動議への採決を行い、賛成272、反対285で否決した。キャメロン首相は採決後、「英国民の意見を反映する議会が軍事行動を望まないことがはっきりした。政府はそれに従って行動する」と述べ、シリアでの化学兵器使用を受けた軍事介入を断念する意向を表明した。
動議は、シリアのアサド政権による化学兵器使用を非難し、英軍のシリアに対する軍事行動の可能性を認める内容。
英国がシリア軍事介入から手を引くことは、協調姿勢を取ってきた米国やフランスにとっても大きな打撃となる。また、2015年に総選挙を控える保守党党首のキャメロン首相にとっては極めて大きな政治的敗北であり、指導力に疑問符が付くのは確実。
首相はシリアで化学兵器使用が発覚した21日以降、「さらなる化学兵器使用を抑止する」ことを目的とした軍事介入に向け積極姿勢を取ってきた。当初、動議は採択されるとみられたが、野党労働党が、アサド政権による化学兵器使用を示すより明確な証拠を求めて反対に回ったほか、与党保守党内にも慎重論が相次いだ。
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