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2013-08-28
世界権力の飼い犬である英仏がシリア攻撃へ前のめりとなり、オバマ政権はそれに引きずられる形で攻撃態勢を整えています。明日29日にもミサイル攻撃がなされる模様です。
シリア政府軍が化学兵器を使用したという証拠は上がっておらず、「極めて疑わしい」「ほぼ確実」といった曖昧な証拠でミサイルをぶち込むことに決したわけです。イラク攻撃の際にも「大量破壊兵器が存在する」という理由で攻撃が行われましたが、後で嘘であることが判明しました。
オバマは大統領選でブッシュ政権のこの遣り口を厳しく批判して当選しましたから、今回のミサイル攻撃にも及び腰のようですが、「このままでは米国の外交力が低下する」という理由で軍事介入を決断しました。政権内外の好戦派(米国戦争屋)に引っ張られた形です。
「櫻井ジャーナル」にいつも記載されているように、1991年の段階で米国のポール・ウォルフォウィッツ国防次官はシリア、イラン、イラクを殲滅すると述べており、米国務省はシリアの反政府勢力に対し、2000年代半ばに資金援助を開始しています。
また、2001年の911テロから間もない段階で、当時のドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺は、イラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンを攻撃することにしていたと、クラーク元欧州連合軍最高司令官は語っています。
化学兵器を使っていようがいまいが、シリア攻撃は既定路線だったということです。キャメロンやオランドは、この秘密プランに忠実に従っているわけです。ポチは日本だけではなく、世界中で飼われています。
アサド政権が化学兵器を使用した証拠はないようで、この問題を調査するために国連のチームが現地入りしていますが、潘基文国連事務総長は、調査チームは化学兵器が使われたかどうかに決着をつけるように命じられているだけで、誰が使ったかでないと述べています。(ウォール・ストリート・ジャーナル)
潘基文は、日本政府の歴史認識を批判するという国連事務総長にあるまじき言動で批判されていますが、今回の動きを見ても明らかな如く、世界権力の忠実な下僕です。身内を縁故採用したことも批判されており、事務総長の器でないことは明らかです。
国連を神聖視している人たちもいますが、こんな如何わしい人物が事務総長に地位にあるようでは信用できません。日本やドイツは未だに「旧敵国」とされており、こんな組織に多大な分担金を支払うこと自体、間違っています。
シリア情勢は極めて緊迫化しており、アサド政権を支援するロシアは米英仏などによる軍事介入を徹底阻止する構えを見せています。「産経ニュース」は、本日付で次のように報じています。
(http://sankei.jp.msn.com/world/news/130828/erp13082806010001-n1.htm)
化学兵器使用「証拠ない」露は反発 対シリア、介入阻止へ徹底抗戦
【モスクワ=遠藤良介】シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとの見方を米国などが強めるなか、同政権を擁護する立場のロシアは徹底的に疑義を唱えて、対シリア軍事介入を阻止する構えだ。根深い欧米不信を抱くロシアのプーチン政権は、国連安全保障理事会の常任理事国という立場を十二分に生かし、地中海における橋頭堡(きょうとうほ)であるシリアの政権転覆を避ける方針で一貫している。
プーチン大統領は26日、英国のキャメロン首相と電話会談し、「化学兵器による攻撃があったのか、誰が行ったのかについての証拠はない」と述べた。アサド政権による化学兵器使用は「ほとんど疑いない」としたキャメロン首相とは対照的で、両者の認識の溝は埋まらなかった。
ラブロフ外相もこれに先立ってモスクワで緊急記者会見を開き、国連安保理の決議なしに軍事介入することは「重大な国際法違反だ」と米国などの動きを強く牽制(けんせい)した。
こうした強硬姿勢の根底には、ソ連崩壊後のロシアが蓄積してきた欧米への不信感がある。1999年のユーゴスラビア空爆や2003年のイラク戦争が武力行使を容認する安保理決議なしに行われたことは、かつての超大国ロシアにとって屈辱的だった。
安保理常任理事国の地位を大国復活に向けた最大の「テコ」と考えるプーチン政権は、シリアの化学兵器使用疑惑でも国連調査団の報告だけを受け入れる構えだ。米国などの独自調査に基づく軍事介入容認の決議案などには、安保理で拒否権を行使することが確実視されている。
ロシアは11年のリビアへの軍事介入も安保理決議からの逸脱だったと考えており、欧米の「独走」で、再び中東の友好国を失う事態を避けようと躍起だ。
ロシアは、米国がイラク開戦の理由とした大量破壊兵器が見つからず、戦後のイラク情勢が不安定である点も挙げ、欧米の姿勢を批判している。シリア内戦をめぐる構図が現時点でさえ周辺国を巻き込んで複雑化していることも、軍事介入に反対する論拠だ。
ただ、米国などが実際に軍事介入に踏み切った場合、それに対抗する具体策がロシアにあるわけではない。ラブロフ外相は26日、「イラク開戦時と同様の威嚇行動が始まっている」と欧米を批判する一方、「シリアをめぐっていかなる国とも戦争するつもりはない」と述べた。
現在、地中海にはロシア海軍の艦船が16隻存在し、潜水艦も3隻配備されています。これがNATOの直接介入を阻んでいましたが、今回はミサイル攻撃を強行すると見られます。
ロシアと米英仏が戦闘になったら第三次世界大戦に発展しますから、ロシアは武力行使は控えることでしょう。アサド政権の崩壊は避けられない見込みです。プーチンはアサド大統領を亡命させ、新政権が樹立されてもロシアの影響力が失われないように工作すると見られますが、果たしてどうなるでしょうか?
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