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孫崎享のつぶやき
意味のない自衛隊のオスプレイ購入計画
2013-08-24 07:33
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「 防衛省は、米軍新型輸送機オスプレイを二〇一五年度から自衛隊に導入する方向で検討に入った。政府関係者が二十日、明らかにした。一四年度予算の概算要求では調査費約一億円を計上する。沖縄県・尖閣諸島周辺での中国の海洋活動活発化をにらみ、海兵隊機能を強化する構えだ」(21日東京新聞)
防衛省はこれまで、日本の防衛に意味のない武器装備を行ってきた。
このオスプレイ配備も同じである。
オスプレイは基本的に急襲の時に採用される。現在のアフガニスタン情勢を見ればよくわかる。遊撃性の高い敵が一定の場所に集結した時に、海兵隊などが級数する。そのために軍事的に極めて有効である。しかし、一定地域を確保する目的では役に立たない。
今想定されるとする尖閣諸島周辺での中国の海洋活動を対象と考えよう。
中国が尖閣諸島を取った時にオスプレイで急襲したとしよう。
中国は尖閣諸島に攻勢をかけたのであるから、当然自衛隊の来ることを想定する。その時、制空権を確保していなければ、戦闘機などで単に撃墜されるだけだ。
中国の主力は台湾をめがけて配備されている。ここに300機程度配備され、その内の120機は最新機種と言われる。台湾はF15等を主体とするが、米国国防省の『中国の軍事力』では中国が台湾に優位に立っていると判断している。
日本が台湾周辺で戦闘活動を想定すると、せいぜい戦闘機は10機から20機くらいしか運用できない。そんな所でオスプレイを運用できない。
日本の安全保障論で大きな欠陥は「私がこうします」だけで終わっている。
「では敵がどう対応するか」になると、議論が全くない。
巨額の費用のかかるオスプレイは日本防衛に不要である。
そんなことは防衛省も解る。
では何のために買うか。
米軍の肩代わりである。すでにアフガニスタンで自衛隊ヘリ部隊の派遣が要請されていた。
「集団的自衛権」を武器体系で整えようというのがオスプレイ購入の理由である。そうであれば軍事的合理性はある、
しかしそれは日本に悲劇をもたらす戦略である。
孫崎享(元外務省・国際情報局長)元外務官僚で、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を経て2009年まで防衛大学校教授。7月に発売された『戦後史の正体』は9月時点で8刷20万部の売れ行きとなった。ほかに『日本の国境問題−尖閣・竹島・北方領土』(ちくま新書)などがある。ツイッターのフォロワーは5万人を超えた。
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