06. 2013年8月22日 21:43:12
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2013年 8月 22日 14:35 JST 米国、シリア軍が化学兵器使った兆候認める By SAM DAGHER, FARNAZ FASSIHI, ADAM ENTOUS 米国は、シリア政府がダマスカス郊外の反政府勢力に対する21日の攻撃で化学兵器を使ったことを示す「有力な兆候」を認めている。反政府側は、この攻撃で1100人以上が死亡したと主張している。関連スライドショー スライドショー を見る [SB10001424127887323480904579027491795981928] シリア当局は化学兵器を使用していないと否定し、反政府勢力が話をでっち上げたか、あるいは自らガス攻撃を仕掛けたと非難した。シリア軍の報道官は「こうした主張は全くのでたらめであり、何の根拠もない。シリアに敵対する国々が仕掛けた汚いメディア戦争の一環だ」と話した。 米当局者はこの主張を否定した。ある米政権幹部は「化学兵器を使った攻撃があったことを示す有力な兆候があり、それは明らかに政府によるものだ」と指摘、「しかし、われわれは綿密に調査し、全ての事実を知り、そして、しかるべき手段を決めなくてはならない」と述べた。
2013年 8月 22日 09:29 JST シリア政府軍が毒ガス使用と反体制派発表―1000人以上死亡
By SAM DAGHER IN DAMASCUS, SYRIA AND FARNAZ FASSIHI IN BEIRUTCONNECT シリアの反体制派は21日、政府軍が同日未明に首都ダマスカス近郊で毒ガスを使用し、1000人以上が死亡したと発表した。現場は、国連の化学兵器調査団が拠点としているところから8―16キロの地点。これが事実とすれば、シリア内戦開始以来最も大規模な化学兵器の使用となる。 シリア政府軍はダマスカス周辺で、反体制派に対する新たな軍事作戦を開始したが、毒ガスの使用を否定し、反体制派が国際的な支持を得るために話をでっちあげたか、自作自演の攻撃を行ったかのどちらかだと反論した。 シリア内戦の犠牲者 スライドショー を見る [SB10001424127887323480904579027491795981928] 画像を拡大する image 政府軍、反体制派の双方とも、相手側が毒ガスなど化学兵器を使用していると主張していることから、19日に国連の調査団が情報収集のためダマスカス入りしている。国連安保理は21日午後、反体制派の発表を受けて緊急会合を開いた。 米、英、独などは化学兵器使用の情報に衝撃を受けたとし、国連調査団による調査を求める声明を発表した。一方、アサド・シリア政権を擁護するロシアは、化学兵器による攻撃を仕掛けたのは反体制派側だと断じ、反体制派は国連の支持を得るとともに、ジュネーブで開催される予定のシリア和平会議を妨害するために政権側に責任をなすりつけたと非難した。 シリアの反体制派組織の「地域調整委員会」によれば、ダマスカス東部と西部の近郊の複数の町で毒ガス攻撃があり、少なくとも1360人が死亡し、数千人が呼吸器や皮膚に深刻な炎症を起こしているという。一方、反体制派が運営するダマスカス地域の野戦病院の統括組織である「アルグータ合同医療オフィス」は、化学兵器による攻撃で1600人が死亡したと発表、西側が支援するシリア反体制派連合体の「国民連合」は1100人以上が死亡したとしている。反体制派グループや活動家によれば、少なくとも5つの町で毒ガスが使用されたという。 毒ガスが使用されたとされる地域は、政府軍と反体制派がここ数カ月間激しい戦闘を行ってきたところで、21日にはジャーナリストは現場に近づけず、反体制派の主張についての第三者による事実確認はこれまでのところ取れていない。 政府軍がこれほど大々的に化学兵器を使用したとの情報が本当だとすれば、アサド政権は内戦への対応を大きく転換したことになる。米政府は6月に、アサド政権が3月から5月にかけて4回化学兵器を使用したと結論付け、最大150人が死亡したとの推定を発表したが、限定的な使用だとしていた。 さまざまな町の十数人以上の住民や医療関係者、活動家はウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し、野戦病院や死体安置所に死体が積み重なっているのを目撃したと述べた。活動家らが撮影した写真や、動画サイトのユーチューブに投稿された多数のビデオには、ロケット砲や迫撃砲の攻撃ではなく、化学兵器によるものとみられる惨状が映し出されている。野戦病院とみられる建物の床に損傷が見られない多数の子供の死体が並んでいるビデオもあった。 アーネスト米大統領副報道官は21日深い懸念を表明し、「追加情報を至急集めることに努めている」と述べた。今回の攻撃はオバマ大統領が昨年8月20日に、シリア政府による大量破壊兵器の使用が米国の軍事介入への「レッドライン(越えてはならない一線)」になると明言してからちょうど1年で起きた。 http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323480904579027522625287620.html
2013年 8月 22日 14:14 JST 中東政策に苦悩するオバマ米政権 By JAY SOLOMON、JULIAN E. BARNES 【ワシントン】米軍指導部は過去2年間ほぼずっと、シリア情勢に対し本格介入と静観の中間的な立場を取ろうとしてきており、何度もお手上げだとあきらめた。米政府当局者によれば、米国のプランではシリア情勢にほとんど影響を及ぼさないか、もしくはほぼ確実に米国を長期にわたる内戦に引きずり込むかどちらかだろうと述べる。そうした中で、これまでに10万人が内戦の犠牲になったと推定されている。 画像を拡大する image REUTERS イランの改革派政治家の支援者ら(2009年) 米国の中東戦略はここ数年間に、ブッシュ前大統領時代の力による介入主義からオバマ大統領の消極的アプローチへと180度転換した。中東担当の外交官や専門家によれば、その結果米国が中東で広範な指導力を発揮するのに慣れていたアラブ各国やイスラエルには戸惑いが見られるという。 長年にわたって米国の外交政策の指針となってきたのは2つの学派だ。一つは安定を求め、あるがままの世界に対応するという現実主義で、もう一つは米国の目標と価値観を実現するため力を行使するのも辞さないとする新保守主義(ネオコンサーバティブ)である。いずれも、米国が騒乱の続く中東情勢にどう対応すべきかその答えを提示しようと四苦八苦している。 ジェームス・マティス前米中央軍司令官は「現実主義者も介入主義者も戦略的な基盤がなく、中東危機が知識人を覆う霧を吹き飛ばし、中には何もないことが明らかになった」と批判する。ブッシュ前政権は、イラク、アフガニスタン戦争を通じ中東を根本的に再編しようとしたネオコンの戦略を順守した。これに対しオバマ大統領は、過去10年間に及んだイラク、アフガン戦争を終了させる戦略の一環として、中東から軸足を移すと表明した。 中東担当の外交官や専門家は、この結果米軍のイラク、アフガンからの撤退が急ピッチで進み、中東に対しより消極的な外交・経済上のアプローチをとることになったと話す。 画像を拡大する image ASSOCIATED PRESS 拘束されたイラクのフセイン元大統領 オバマ大統領に同情的な外交官や専門家は、米国の資源に制約がある中で大統領は中東の大変動に直面していると指摘する。米国の政治家も有権者も、イラク戦争後新たな紛争を抱えることにはほとんど関心を示していない。 それでも米欧では、西側諸国は最終的にはシリアをはじめ中東に本格的に介入せざるをえなくなろうとの懸念が強まっている。そうなれば、米国にとってコストは高くなりそうだ。オバマ氏は、エジプトやシリアは難題であることを認識している。ホワイトハウスや国務省は、紛争終結に向けて国際的な対応を強化しているとしながらも、シリアへの軍事介入は中東やイスラム諸国の反発を増幅させる恐れがあると述べる。 画像を拡大する image REUTERS ムバラク元大統領の追放を喜ぶエジプト国民 オバマ政権のエジプトとシリアの危機への対応をみると、中東を変革しようという米国の野心がしぼんでしまい、しばしば米国の利益に反する形で他の国が指導力の空白を埋めようとしていることが浮き彫りになる。米欧のエジプトに対する経済支援は10億ドルを下回る。それに対し、サウジアラビアなどアラブ産油国はエジプトに200億ドル超の支援約束や投資を行っている。サウジやアブダビは、ムスリム同胞団への弾圧を止めるようにとのオバマ政権の呼び掛けに異議を唱え、必要ならば追加支援を行うと表明している。 シリアはオバマ政権にとってはもっとやりにくい問題となっている。ホワイトハウスと国防総省がシリア情勢にどう対処するか議論しているうちに、イランとロシアはアサド政権への支援を強化し、レバノンやイラクの多数のシーア派戦士がシリア政府軍と共闘するためシリア入りしている。 中東危機が深まる中で、米国の外交ストラテジストは、ネオコンも現実主義者も、中東の安定に向けて新しいレンズを手にしようと苦闘している。 |