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陸自にオスプレイ導入へ=調査費増額、15年度にも配備 (時事通信) 
http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/529.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 20 日 18:26:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130820-00000099-jij-pol
時事通信 8月20日(火)18時14分配信


 防衛省は20日、米国製の新型輸送機オスプレイを2015年度にも陸上自衛隊に導入する方向で検討を始めた。ヘリコプターのように垂直に離着陸できる特性を生かし、離島防衛や災害救助などに迅速に対応したい考え。同省は13年度予算に調査費800万円を計上し、導入に向けた検討を進めていた。14年度予算ではこれを1億円程度に増額し、配備する場合の規模などについて検討に着手する。
 オスプレイは米空軍や海兵隊が運用。日本国内では海兵隊仕様のMV22が沖縄県の普天間飛行場に配備されている。開発段階で事故が相次いだことから、安全性に対する懸念も指摘されているが、防衛省は「機体自体の安全性に問題はない」としている。 


 

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コメント
 
01. 2013年8月21日 17:49:29 : MCtUFQU4mE
失敗機をいまさら「多額の開発費は無駄でした」といえないから
無理やり運用しているものを 親切にも購入してあげるわけか

02. 2013年8月21日 18:20:40 : 3nTXkp9TvA
ライセンスを取得し、
日本国内で生産可能になれば日本仕様と称した改良型や派生型に
発展出来る余地は有るのだろうか?

AH-64Dの調達数が10機程度に留まった穴を埋める為に、
対戦車タイプや対艦タイプや対潜タイプとか出来たらいいね。


03. 2013年8月22日 09:35:13 : BDDFeQHT6I
ステルスに超音速の時代にプロペラの向きを変えて垂直・水平飛行を切り替える航空機なんて軍事的に意味があるとは思えない、ミサイルの標的になるだけだろう。
少なくともオスプレイは戦闘地域では使えないのは明白で、戦闘地域に行けない軍用機ってのは何なのだろう。

04. 2013年8月22日 10:37:59 : ashkus0a8A
>>03
ステルスや超音速は戦闘機や爆撃機ならまだしも輸送機には求められません。
戦闘機には戦闘機の役目が、輸送機は輸送機の役目があるのであって、そういう
比較は無意味です。

05. 2013年8月22日 10:41:47 : niiL5nr8dQ
JBpress>日本再生>国際激流と日本 [国際激流と日本]
米国・ロシアが軍縮する一方で
がむしゃらにミサイルを増強する中国
2013年08月21日(Wed) 古森 義久
 中国のミサイルの脅威に対する警告が再び米国当局から発せられた。いまの中国は全世界で最も活発にミサイルの開発、配備を進めている国だというのである。その結果として日本の安全保障にも、深刻な危険が迫りつつあるという。

 米国空軍の「国家航空宇宙情報センター」は「2013年度 弾道・巡航ミサイル評価」という報告をこのほど作成し、公表した。

 この報告の基礎情報は国防情報局と海軍情報室から得たという。報告は米国の安全保障に大きな影響を与え得る対象として中国、ロシア、イラン、インド、パキスタンの諸国のミサイルの状況を調査し、分析した。それを踏まえた結論として、以下の点を強調していた。

 「中国は、いまの世界で最も活発で最も多様な弾道ミサイルの開発計画を進めている。中国軍は攻撃的なミサイルの実験を重ね、ミサイルのシステムを質的に向上させるとともに、ミサイル防衛に対抗する方法をも発達させている」

国際的な規制を受けずミサイルを増強し放題

 報告は、中国のミサイル増強の最新の動きとして以下の諸点を挙げていた。

(1) 中国人民解放軍は射程150キロから800キロまでの短距離弾道ミサイルを特に集中的に増強し始めた。その短距離弾道ミサイルの種類は13に上るが、中国軍は最近、固形燃料のプロペラシステムによる高度のミサイルの開発に特に力を入れ始めた。短距離ミサイルのうち1200基ほどは台湾を標的にしているが、その一部や中距離ミサイルは沖縄の米軍基地や自衛隊基地をも主要標的としている。

(2) 中国軍は、米海軍の空母など大型艦艇が有事に中国方面へ到来することを防ぐ「接近阻止」に力を注ぎ、特に中距離弾道ミサイルのDF21D(射程1500キロ、海上航行中の空母など大型艦艇攻撃用)の実戦配備を終えた。その結果、西太平洋全域のパワーバランスが変わり始めた。中国軍は同時に、精度の高い対艦用中距離巡航ミサイルCJ10などを国内生産で完成させ、有事の米軍艦艇の接近を阻む能力を急速に高めてきた。

(3) 中国軍は米国本土に到達し得る大陸間弾道ミサイル(ICBM)を50〜75基保有している。この数は2012年から2013年にかけてほとんど変わりはない。ただし、そのミサイルの多くが移動可能になり、サイロ発射の固定ミサイルも、その防御がより堅固となってきた。また一部のICBMを鉄道の列車型の運搬施設に載せ、常時の移動をさせて、外部からの戦略核兵器の所在探知を困難にする措置が取られている。

 同報告は以上の事実認定に基づき、中国に関する問題点を指摘する。

 それは米国とロシアが大陸間の長距離戦略核ミサイルでも削減を図り、さらに中距離ミサイルは原則として両国とも廃絶に近い措置を取っているのに対し、中国は長距離、中距離のいずれのミサイル保有に関して、なんの規制もないという点だった。

 つまり、中国は、日本国内の米軍基地や台湾、グアム島などを直撃できる中距離弾道ミサイルをいくら増強しても、なんの国際的な規制を受けない。それに対して、米国とロシアはその増強はできないという不公平である。

 米国とロシア(旧ソ連)は、東西冷戦の終わりの時期に中距離ミサイル全廃条約に調印したままなのだ。だから、いまや中国に対しても核兵器や中・長距離ミサイルの削減や規制を求める時期が来たということだろう。

 中国を軍縮の対象に含むことは、日本の安全保障という観点からも欠かせなくなってきたと言える。

 この種の安全保障問題で軍事能力を考える際は、実際に使わないときの威力に注視しなければならない。中国が弾道ミサイルの基数を増し、命中精度を高めて、日本の主要都市をいつでも攻撃できる態勢を固めても、実際の攻撃の可能性は決して高くない。それよりもむしろ、ミサイルの攻撃能力を誇示して、外交上、政治上、あるいは経済上の要求を日本に突きつけるときの威嚇効果が重要となる。

 日本側としては中国のミサイル怖さのために、普通ならしないであろう譲歩や妥協をしてしまうわけだ。万が一、中国が日本に「尖閣諸島の領有権も施政権も放棄しなければ日本本土に弾道ミサイルを撃ちこむ」と迫ってきたとき、どうすればよいのか。軍事力の非軍事効果がここにあるわけである。

アジア・太平洋地区の米軍施設が攻撃圏内に

 上記の「国家航空宇宙情報センター」の中国ミサイルの脅威への警告について、CIA(米国中央情報局)の元専門官たちが結成した安全保障研究集団「リグネット」は以下のような分析を明らかにしていた。

・中国軍のミサイル戦力は、通常弾頭、核弾頭の両方とも近年の近代化と増強により、純粋な自衛のための抑止力の域を脱して、アジア地域全体での大きな戦力へと発展した。その構成は準中距離、中距離、長距離の各弾道ミサイルで、核弾頭装備も多数含まれる。

・中国はいかなる軍縮や軍備管理の国際規制の対象とはなっていないため、いまミサイル能力の強化を最大限のスピードで進めている。

・中国から米国本土に届く長距離のICBMの基数は増えていないが、短距離、中距離の弾道ミサイルは急速に増え、台湾への脅威が大幅に増した。

・この短・中距離ミサイルの増強は、特に米国海軍が台湾海峡、南シナ海、東シナ海で作戦を実施する際に危険な要素となる。

・中国のミサイルは、アジア・太平洋地区の米軍施設を攻撃できるのに十分な能力を有するという点を特に警戒しなければならない。また東シナ海での米国海軍の作戦能力が削がれるということは、日本の尖閣諸島の防衛もが削がれることを意味する。

 以上のリグネットの指摘は警告の段階にとどまり、そのために取るべき対策までには触れていなかった。一方、米国の他の研究機関や専門家集団は、中国のミサイルの脅威への日米同盟としての対応策をこれまでに提示してきた。

 その種の提示の中でよく掲げられるのは、当然ながらミサイル防衛の増強、中国側ミサイル抑止のための日米側での中距離ミサイルの配備、米軍や自衛隊の基地の防御強化などである。それに加えて、日本が外交政策として中国の中距離ミサイルの規制を求めるということも必要だろう。

 中国のミサイルの脅威とは、日本にとっては、いまそこにある危機なのである。


06. 2013年8月23日 18:17:22 : t5vEvr06wc
埋め立て申請「最終判断は知事」の文書
8月23日 13時8分 K10039767511_1308231704_1308231732.mp4
アメリカ軍普天間基地の移設問題で、沖縄県が、名護市辺野古沿岸部の埋め立て申請について「最終判断は知事が行う」と記した英語の文書を作成し、アメリカ政府などに送ったことが分かりました。
沖縄県は「アメリカ側に状況は簡単ではないことを理解してもらうためだ」としています。

普天間基地の移設計画を巡っては、沖縄防衛局がことし3月に名護市辺野古沿岸部を埋め立てるための申請を行い、現在、沖縄県が承認するかどうか審査を進めています。
沖縄県が作成した英語の文書は、埋め立て申請を巡る経緯をまとめたもので、審査には6か月半から8か月半程度かかることや、縦覧の期間中に3500件以上の意見が寄せられたことなどが書かれています。
そのうえで、「仲井真知事が地元の市町村長などの意見を踏まえ、年末か年明けごろに最終判断する予定だ」としていて、22日付けで、アメリカ国防総省や国務省、それに新聞社などにメールで送ったということです。
これについて、基地対策を統括する沖縄県の又吉進知事公室長は「県が確認している限りでは、アメリカで『知事は承認する』と楽観的な見方があり、沖縄の実情がきちんと伝わっていないと感じている。状況は簡単ではないことを直接アメリカ側に伝え、理解してもらうために送った」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130823/K10039767511_1308231701_1308231732_01.jpg
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130823/k10013976751000.html


07. 2013年8月28日 10:23:44 : niiL5nr8dQ
日本の認識の空白を突くCRSリポート

米中国防接近は何を意味するのか

2013年8月28日(水)  遠藤 誉

 今年7月29日、アメリカ上院は尖閣諸島周辺および南シナ海における中国の武力的な威嚇行為を非難する決議を全会一致で可決したばかりだ。しかし一方では軍事的な米中接近も目立つ。

 8月19日、アメリカを訪問した中国の常万全(Chang Wan-quan)国防部長(大臣)は、ヘーゲル国防長官とペンタゴン(ワシントン郊外にある米国防総省本部)で会談し、共同記者会見を行った。それによれば、米中ともに今後は「より安定的な関係構築に向けた取り組みの一環として軍事交流と軍事演習を拡充する」ことで合意したとのこと。おまけに来年にはヘーゲル国防長官が訪中するほか、米国が主催するハワイ沖での大規模な軍事合同演習(環太平洋合同演習)に中国が初めて参加することになったという。

まるで米中同盟成立のような報道

 中国の中央テレビ局CCTVは、まるで勝利宣言のように「アメリカとの今後の軍事演習」展開を大々的に報道した。

 今年6月初旬、習近平国家主席が訪米しオバマ大統領と二日間にわたる米中首脳会談を行ったことは、まだ記憶に新しい。会談中には50分間の「散歩」があり、互いの通訳以外は誰も周りにいなかった。盗聴されることもなければ録音や記録もない「密談」をしたことになる。

 世界第二の経済大国にのし上がった中国は米中をG2と位置付け「新型大国関係」を国家戦略の一つに据えている。オバマ大統領との一日目の会談の際、習近平が言った「太平洋には米中両大国を受け入れる十分な空間がある」という言葉は、中国のこのG2構想を意味している。

 8月19日の米中国防相による共同記者会見で、常万全は国名を明示こそしなかったが、「領土主権、海洋権益を守る中国の意志と決意を過小評価するべきではない」と強硬な発言を続けている。この領土主権の中に尖閣諸島が入っていることは明らかだ。

 それに対してヘーゲルは「力の行使を伴わない平和的解決」を求めたものの、領有権に関しては「どちらの立場にも立たない」を繰り返した。オバマ大統領が習近平に対して明言した言葉と同じだ。

“Dispute”(紛争)という言葉が何度も米国議員に擦り込まれた

 中国が強硬な姿勢を取る原因はここにある。

 5月29日の本欄でご紹介したように、米議会調査局(Congressional Research Service=CRS)は、米連邦議会議員のそのときどきのニーズに応じて、月に何回か不定期に報告書を出している。これを「CRSリポート」と称する。

 実はCRSは2012年9月25日と2013年1月23日に、2回にもわたって、同じタイトルのリポートを出している。

 そのタイトルは“Senkaku(Diaoyu/Diaoyutai) Islands Dispute : U.S.Treaty Obligations”(「尖閣(釣魚/釣魚台)諸島紛争:米国協定義務」)だ。文書番号は両リポートとも「7-5700 R42761」。多少の表現の追加は見られたが、基本的に同じ内容のものを二度も出したことになる。釣魚島は中国大陸における尖閣諸島の呼称で、中国語の発音では“Diaoyu Dao”と表記する。“Diaoyutai”は「釣魚台」の発音表記で、台湾における尖閣諸島の呼び名である。

 CRSの定款には、CRSリポートは米連邦議会の全ての議員に配布する義務があるとある。ということは、議員すべてに「アメリカは尖閣諸島の領有権に関しては、(係争関係者の)どちらの側にも立たない」というアメリカの立場がすり込まれたことになる。だからオバマ(6月8日)もヘーゲル(8月19日)もこの言葉を強調した。

 事実、このCRSリポートには主として以下のようなアメリカの立場が書いてある。

アメリカは(かつて)アメリカに委託された施政権をそのまま日本に返しただけであって、それ以前に日本が持っていた法的権利に関しては、(沖縄)返還によって新たに加わることもなければ減少することもない。
アメリカは尖閣諸島に対していかなる権利も主張しておらず、尖閣諸島に関するいかなる主権紛争も、すべて関係者同士が解決すべき問題であるとみなしている。
アメリカのこの立場は、1971年のニクソン政権時の宣言に基づく。
日本は(日米安保)条約によって規定されている地域の防衛に関しては先ず「第一の(最も重要な)責任」(primary responsibility)を取らなければならないが、しかし安保条約は適用される。
 最初に同タイトルのCRSリポートが出た昨年秋、中央テレビ局(CCTV)では、このリポートの「1」と「2」をテーマとして特集番組を組んだ。特集では「アメリカは釣魚島の領有権に関して、どちらの側にも立たない」というアメリカ側の立場を示す言葉を、「したがってアメリカは釣魚島の領有権が日本にあるとは判断していない」と置き換えて報道。特にCRSリポートのタイトルそのものに“Dispute”(紛争)という言葉があることを以て、日本が「領有権に関する問題は存在しない」と主張していることを断罪した。

沖縄返還時に残された禍根

 たしかにCRSリポートの至るところに“dispute”という言葉がちりばめられている。したがってアメリカの議員の頭にはこのdisputeがすり込まれ、そして「アメリカは領有権係争国・地域のどちら側にも立たない」という概念が染みわたっていることになる。

 中国が強気に出る根拠はここにあるのだ。

 尖閣問題の困難さは、1971年の沖縄返還時にニクソン政権が下した判断に遠因があると言っても過言ではないだろう。

 それまで「中国」の代表として国連に加盟していた「中華民国」(現在の台湾政府)は、アメリカが「中華人民共和国」(現在の中国)に接近して米中国交正常化を果たそうとしていることに激怒していた。互いに「一つの中国」を主張する両者にとって、米中接近は「中華人民共和国」の国連加盟を意味し、それはすなわち、「中華民国」の国連脱退を示唆していたからだ。

 1969年5月には尖閣諸島周辺の海底に石油資源が埋蔵していることが判明し、11月には日米首脳共同声明が出された。ニクソン大統領と佐藤栄作首相による「沖縄返還」のロードマップに関する宣言だ。

 在米台湾留学生が最初に抗議活動を展開し始めたのは「沖縄返還」に対してだった(1971年1月)。海底資源に関しては、台湾も中国もすぐには反応していない。特に台湾の人たちは「カイロ密談」(記事はこちら)を知っていたからだ。1943年11月23日と25日、カイロ密談で「中華民国」の蒋介石主席は、アメリカのルーズベルト大統領の「日本を敗戦に追いやったら琉球群島(沖縄県)を中国にあげるよ」というオファーを拒絶した。だから「腑抜けな」蒋介石に対して抗議した。1949年(実質的には1947年)以降、蒋介石が発布した戒厳令によって弾圧された台湾のエリートの多くはアメリカに渡っていた。

 1970年9月になると、尖閣諸島に台湾関係者が上陸し、ここから初めて尖閣問題が生まれてきた。在米台湾留学生の大規模デモやメディアの力に押されて、蒋介石はようやく尖閣諸島(釣魚台)の領有権を主張し始めるが、その抗議に対してニクソン政権が出した結論が「返還するのは(尖閣諸島を含めた)沖縄県の施政権だけで、領有権に関しては、アメリカはどちらの側にも立たない」という妥協的結論だった。

 中国との接近を優先したニクソン政権の決断だ。

 現在の一連の米中接近は、アメリカのアジア回帰というリバランスに基づくものだ。

 アメリカは、世界第二の経済大国となった中国と対立したくない。

 しかし、やがてアメリカの経済力を凌ぎ、世界トップに躍り出るであろう中国を野放しする気はさらにない。

 それが「米中軍事演習」というピンと来ない現象を生んでいる。

 かつて、冷戦時代にソ連と対立したアメリカは、ソ連の軍事力を研究し尽くしていた。

 しかし急激に成長してきた中国の軍事力の実態は、実は測りきれないでいる。米中軍事演習は、その実態を感じ取ることができる、またとない機会だろう。

 その視点から新たな米中接近を見たとき、これまで必ずしも明確ではなかった構造が見えてくる。

日本の認識のギャップを突くCRSリポート

 現在の日本にとって、上記CRSリポートの内容の内、「1」と「2」は元より、何と言っても「4」が意味するものを見極めることが肝要だ。

 「4」は何を言っているかというと、「たとえば尖閣で中国と軍事的な衝突があった場合、日本は自衛隊が先ず戦い、その後、アメリカ連邦議会は日本側に付いて戦うべきか否かを討議する」ということだ。「討議した結果、アメリカも日米安保条約に基づいて参戦すべきである」と決議されたときに初めて、アメリカは日本を支援するという意味となる。

 実は拙著『完全解読 「中国外交戦略」の狙い』を出版したときには、この“primary responsibility”が何を意味しているのか、日本政府側による丁寧な説明が必要だろうと書いた。その上で、上記のようなことを意味するのだろうかと疑問を投げかけるに留めたのだが、出版後、自民党の防衛や憲法に詳しい方にこの意味を確認した。その結果、以下のような回答を得た。

「その通りです。まず自衛隊が戦い、それを米軍が応戦するというかたちです。日米安保があるから、最初から米軍が何とかしてくれるとは、政府・自民党は考えていません。だからこそ、日本独自の防衛力強化と憲法改正は必要なのです」

 やはりそうなのか。

 しかしこの解釈は日本国民に浸透しているだろうか。

 また日米安保条約の下、「初動責任が日本側にある」という条件は妥当なのだろうか。

 CRSリポートにはこのような、日本の命運を左右しかねない内容が書かれている。ところが、日本ではこのリポートは、議論の対象にもなっていない。日本ではCRSリポートをむしろ軽視する傾向にある。

 中国はアメリカの立場と日本の認識とのギャップに照準を当てて国策を練っている。日本はこのことに気がつかなければならない。

 私がこの記事を通し、日本政府と読者の皆さんにに訴えたいのは二つの点だ。

 中国が今では海底資源を不当に狙っていることは確かだ。

 しかしそれは、尖閣問題の一面に過ぎない。

 いま世界の構造は再び、アメリカのリバランス(アジア回帰)によって地殻変動を起こそうとしている。米中国防相同士の会談と中国の強気は、それを如実に示している。

 日本は中国のしたたかな外交戦略だけでなく、アメリカの対中外交の裏側に潜むものを読み取らなければならない。

 そのためには尖閣問題と「米中接近」をリンクさせる視点が必要だ。大きな材料となるのがここで示した二つのCRSリポートだ。ぜひ、真剣に分析していかなければならないと筆者は思う。

 二つ目。

 尖閣諸島が歴史的にも国際的にも日本の領土であることは歴然たる事実だ。

 しかし世界から見れば、そこに領土紛争があるというのもまた事実である。CRSリポートは、タイトルそのものに「尖閣諸島紛争」という言葉を用いている。

アメリカも苦しい立場に追い込まれる

 このような状況下で、「領土紛争は存在しない」と言い続けて、世界各国を説得できるだろうか。日本側に立った国際世論を形成できるだろうか。

 中国が、もう一つ狙っているのは、この「領土紛争存在の有無」に関する日本とアメリカの間にある認識のギャップだ。そこに照準を当てているからこそ尖閣領海領空への侵犯と威嚇行為を続けている。

 ニクソン政権時代同様、アメリカは今度は、中国と日本の間で苦しい立場に追い込まれているのである。

 日本に不利な事態を引き起こさないためにも、、CRSリポートに注目することを、日本政府にお勧めしたい。

このコラムについて
ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130823/252555/?ST=print


08. 2013年8月28日 10:24:13 : niiL5nr8dQ

日本版“スパイ衛星”は何を視る?

政府の運用組織関係者を直撃

2013年8月28日(水)  宗像 誠之

 2013年は春から夏にかけ、日本で宇宙関連の大きな話題が相次いだ。

 残念ながら延期にはなったが、直近では8月27日、新型の固体燃料ロケット「イプシロン」の打ち上げでメディアは盛り上がった。液体燃料を使う「H2A」や「H2B」といった基幹ロケットに比べ、固体燃料を使うイプシロンは小型で運用が簡単な点が特徴。打ち上げコストも格段に安い。コンパクトさと手軽さを売りに、衛星の打ち上げ受注などで大きな競争力を発揮すると期待されている。

 約1カ月前の7月26日には、準天頂衛星システムの利活用を目指し約200の企業・団体が参画する連携組織「高精度衛星測位サービス利用促進協議会(QBIC)」が発足した。2010年9月に打ち上げられた「みちびき」に続き、準天頂衛星システムは今後続々と打ち上げられ、2018年度までに4基体制で本格運用が始まる計画。米国が運用するGPS(全地球測位システム)と組み合わせることで、従来よりも高精度な測位が可能になり、さらに正確な位置情報サービスの実現や、クルマや農機の自動運転の可能性などが広がってくる。QBICの設立により、日本版GPSとも呼ばれる準天頂衛星システムの本格運用開始に向け、官民がタッグを組んだ具体的な取り組みが始まったと言える。

 一方、これら産業的な宇宙の話題だけでなく、宇宙を使った安全保障の分野でも、2013年は大きな節目となる。2013年4月末、日本政府による情報収集衛星の本格運用が始まったからだ。これは地球上の特定地域を1日1回以上撮影できる、事実上の偵察衛星である。

 運用主体は、政府の情報機関である内閣情報調査室の配下にある、「内閣衛星情報センター」と呼ばれる組織。同センター関係者の話を基に、日本の「宇宙の目」の実力と、一体いつ何を見ているのかをここで紹介したい。

取材でオフィスに入れてもらえず

 「では明日14時ということで。私は茶封筒を持ってホテルのロビーに立っているので、声をかけてください」。内閣衛星情報センターの関係者は、そう言うと電話を切った。

 偵察や測位など様々な用途の人工衛星について調べていた筆者は、日本の情報収集衛星の話を関係者に聞く機会を得た。だが、部外者の入室は厳禁であるため、たとえ正式取材であっても内閣衛星情報センターのオフィスに記者は入れてもらえないという。そこで取材場所として指定されたのが、都内某所のホテルのラウンジ。機密性の高い組織であることをうかがわせる警戒ぶりだった。

 国の安全保障にかかわる偵察衛星の運用状況は、各国とも軍事機密の扱い。世界一多くの軍事衛星を所有する米国では、エドワード・スノーデン氏の暴露により、改めて世界中から注目が集まっている謎多き組織NSA(国家安全保障局)が偵察衛星の画像分析を担う。内閣衛星情報センターのオフィスに記者が入れないのは、仕方がないのかもしれない。

日本の情報収集衛星には、どこまで見えている?

 まず、日本が情報収集衛星を持つようになった経緯と、どのような衛星を所有しているのか、その実力と共にまとめておこう。

 日本の情報収集衛星は2013年4月末、光学衛星2機、レーダー衛星2機の4基体制がそろい、本格運用が始まった。光学衛星とレーダー衛星を2基ずつ運用すると、天候や昼夜を問わず、世界のどの場所も1日1回以上、撮影できるようになる。

 光学衛星は、分かりやすく言うと、高性能のデジタルカメラで宇宙から地上を撮影する仕組み。通常の写真のように、分析しやすい画像で撮影できるが、曇りや雨、夜間は撮影できない。

 一方でレーダー衛星は、電磁波を発して、その跳ね返りの差分を計算処理して画像にする仕組み。レーダー衛星で撮影した画像分析は、専門家でないと何が写っているのかの把握が難しい。しかし、曇りや雨、夜間でも撮影が可能という特性を持つ。このように、仕組みの異なる光学とレーダー衛星を組み合わせることで、天候や時間帯に関係なく、宇宙からの偵察が可能になるわけだ。

 日本で情報収集衛星が導入される契機となったのは、1998年の北朝鮮によるテポドン発射。これを機に政府が導入を決めた経緯がある。当初は2003年に光学とレーダー衛星の各2機体制を築く予定としていた。が、ロケット打ち上げの失敗や打ち上げ後の衛星の故障などが続き、なかなか2機ずつをそろえることができなかった。

 2013年1月末に打ち上げられた最新のレーダー衛星の稼働試験が終わり、4月末から運用を開始。これを持って、光学衛星2基、レーダー衛星2基の4基体制がそろい、計画より10年遅れで、ようやく日本の情報収集衛星が本格運用と呼べる状態になったのだ。

 気になるのはその性能。宇宙から、どのように地上が見えているのか。

 現在、内閣衛星情報センターが運用している最新の光学衛星は60センチメートル四方、レーダー衛星は1メートル四方の分解能を持つとされている。

 情報収集衛星の寿命は5年程度なので、途切れないように後継機を打ち上げて4基体制の維持が必要。現状の後継機として2014年度に打ち上げ予定の光学衛星は、40センチメートル四方の分解能を目指して開発が進んでいる。

 2016年度に打ち上げ予定のレーダー衛星の後継機は、1メートル四方以下の分解能が目標とされ開発が続けられている。

 分解能の数字だけであると、具体的に何がどのように見えるのかピンと来ないが、内閣衛星情報センターの関係者は、こう説明してくれた。「例えば光学衛星の場合だと、1メートル四方の分解能であると、クルマを識別できても、それが乗用車なのか小型トラックなのかは分かりにくいレベル。60センチメートル四方の分解能になると、乗用車か小型トラックなのかの識別が簡単にできるようになるが、近くに人が立っているかどうかまでは確認しにくい。40センチメートル四方の分解能になると、クルマの近くに人がいるかどうかも明確に判断できるようになる」――。

 この関係者によれば、米国の偵察衛星は10数センチメートル四方の分解能を持つとされる。日本の情報収集衛星は、「開発段階で、商業用の情報収集衛星の分解能を超えるものを目指す」という目標が設定されることになっており、一足飛びに米国並みの分解能を目指すことはしていないという。

 では、日本の情報収集衛星は毎日、この能力を使って宇宙から何を見ているのか?

近隣国のミサイル発射を調べるだけではない

 内閣衛星情報センターは、東京・市ヶ谷に中央センターを構え、茨城県に副センター、北海道と鹿児島県に受信管制局を持つ。

 情報収集衛星とこれら地上のセンターで分析する画像を利用しているのは、総理大臣や総理官邸メンバー、外務省や防衛省などの関係省庁だ。

 これらの組織に対し、内閣衛星情報センターから報告書と画像データを、必要に応じて随時出す。リポートの具体的な頻度は安全保障上、非公開だという。「数は言えないが決して少なくはない。非常にたくさん出している、と理解してほしい」(内閣衛星情報センター関係者)。

 これら分析画像はあくまでも政府用なので、民間企業には一切提供されることはなく、マスコミに出ることもない。「撮影された画像を専門家が見れば、情報収集衛星の軌道などが分かってしまうので、安全保障上の問題で画像は見せられない」(内閣衛星情報センター関係者)というのが、政府外に提供しない理由だ。

 情報収集衛星の画像の用途は、国防や有事対策、災害対策がメーンになっている。

 具体的には、某近隣国のミサイル発射基地の状況確認や、テロリストの活動拠点として疑われる場所の動きなどを、観察しているという。2013年1月に日揮が被害を受けた、アルジェリアのプラントにおける人質拘束事件では、テロリストに占拠されたプラントを情報収集衛星で撮影し、政府としての対応を協議した経緯もあるという。

 東日本大震災の際には、被害状況の早期把握のため、関係省庁に被災地の衛星写真を提供した。

 「他国ではやっていると聞くが、政府として自国の企業の経済活動を支援する用途はないのか?」。このような筆者の質問に対しては、関係者はしばし黙り込んだ。実際、あまりないらしい。かろうじて出てきたのが、以下の回答だ。

 「2011年のバンコクの大洪水のときは、この衛星写真を使い経済産業省などが、浸水地域を正確に把握して今後の対応を考えたりしていた」(内閣衛星情報センター関係者)。詳細な目的は言えないとしながらも、ある国の農村地帯を観察して、どのような作物を作っているのか、作物の耕作状況を分析することもあったという。

 ウィル・スミスが主演したサスペンスアクション映画「エネミー・オブ・アメリカ」では、NSAの偵察衛星が、一般人を追跡して撮影する様子が描かれた。情報収集衛星で、犯罪者の追跡などのため自国民を監視することがあり得るのかどうかについては、ノーコメントだった。

累計で1兆円近い予算

 内閣衛星情報センターの予算は大体、年間600億〜700億円くらいで推移しているという。主に、情報収集衛星の開発や運用に使われる金額だ。

 情報収集衛星の計画が発足してからもう10年程度たつが、これまでの投資額は累計で1兆円近く、決して小さな額ではない。衛星の寿命が来る前に、新しい衛星を打ち上げる必要があるため、現状の情報収集体制の維持には、今後も数百億円単位の年間予算が継続的に必要になる。

 これだけの予算が投じられている割には、あまり情報が公開されておらず、利用も政府内のみに閉じられているのが実態。これでは画像データの利用頻度だけでなく、画像の分析手法や衛星の運用体制が適切なのかなども検証できない。本当に、目標通りの分解能を実現できているのかでさえ、不透明だ。

 安全保障のための撮影画像が政府内での利用に限定されるのは仕方がないだろう。ただ、費用対効果を考えると、政府内外の幅広い組織が迅速に対策を練るための災害時や有事の衛星画像の公開の是非、画像を公開するかどうかは別に、その分析を元にした日本企業の経済活動の支援を強化するなど、画像データの用途を広げる議論があってもよいように思える。

 そのためにも、あえて「偵察衛星」や「スパイ衛星」という名称を使わない日本の情報収集衛星の在り方について、国民がもう少し興味を持って知っておく必要があるかもしれない。

このコラムについて
記者の眼

日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130823/252568/?ST=print


09. 2013年8月29日 02:03:05 : niiL5nr8dQ
JBpress>日本再生>国防 [国防]
トモダチ作戦で活躍した米軍墜落ヘリ
在日米軍は“タクシー”なのか?
2013年08月29日(Thu) 北村 淳
 8月5日に、アメリカ空軍ヘリコプターHH-60ペーブ・ホーク捜索救難ヘリコプターが沖縄宜野座村キャンプ・ハンセン内に墜落した。墜落したのは「トモダチ作戦」に際して被災地に出動したヘリコプターである。そのことを知った数百名の日本の人々が、墜落に際して死亡した搭乗員に対しての弔意と、墜落機が大震災に際して救難活動に従事してくれたことに対する謝意を示しているという報道がなされていると、日本の友人が知らせてくれた。

 いまごろ、このような事実がようやく人々の耳に達したのはメディアの怠慢と驚いたが、多くの人々が嘉手納基地に弔意や謝意を評している状況は、一般国民の感覚というものはいかに常識的なものであるのかということを示している。

相変わらずの偏向報道

 一部メディアでは「墜落したHH-60はトモダチ作戦の救援活動で活躍した」という事実を、墜落の報道に際して紹介していたと思うが、ちょうど海兵隊輸送機オスプレイが岩国基地から普天間基地に移動する最中であったためか、多くのメディアは無理やりオスプレイ配備と関連付けさせようという下心のある取り扱いをしていたようである。

 それどころか、ヘリコプターの墜落事故ということで、2004年8月13日に沖縄国際大学構内に海兵隊の大型輸送ヘリコプターCH-53が墜落した事故を再び取り上げて、いかにアメリカ軍ヘリコプターは危険な存在であるか、そして“ヘリコプターに輪をかけて危険な”オスプレイが配備されているという報道姿勢であった。

 その反面、そのような付帯的情報を大きく取り上げながらも、トモダチ作戦でのアメリカ空軍をはじめ海軍・海兵隊の活躍に関して論及はしない。

 多くのメディアが、今回墜落した空軍HH-60ヘリコプター自身ならびにその同型機多数も、2004年に墜落した海兵隊CH-53ヘリコプターの同型機多数も、ともに「トモダチ作戦」に出動し活躍したというこの種のヘリコプターの“有用性”には触れないで、墜落するかもしれないといった“危険性”ばかり強調している。それらメディアは、オスプレイの“安全性”というものに拘泥し“オスプレイ恐怖症”を作り出してしまった過ちを反省していないようだ。

「トモダチ作戦」とHH-60

 墜落したHH-60がトモダチ作戦で活躍したことを知った多数の人々が弔意や謝意を米軍に伝えていることを紹介する記事には「トモダチ作戦」に関する説明も添えられていた。「トモダチ作戦」自体が色褪せてきてしまっているということなのであろうか。

 2011年3月11日、東日本大震災が発生し東北地方の広域にわたる地域が極めて甚大な被害を受けたとの情報に接したアメリカ政府は、在日米軍を派遣して救援活動を支援することを即決した。震災当日から、後に「トモダチ作戦」と名付けられる大規模災害救援活動がスタートした。

 この種の作戦のエキスパートは海兵隊であり、翌日にはチンバーレーク大佐(当時)を指揮官とする災害救援司令部が普天間基地から飛び立った。

 ちょうどこの時期、強襲揚陸艦に乗り込んだ海兵隊実働部隊(31-MEU)は東南アジアでの人道支援活動に従事中であり、直ちに反転し東北沖を目指したが、31-MEU救援部隊が到着するまでの米軍による救援活動の主役は空軍・海軍・海兵隊の各種ヘリコプターと航空機であった(拙著『写真で見るトモダチ作戦』並木書房、参照)。

 3月12日には、嘉手納基地から急行した空軍HH-60捜索救難ヘリコプターが横田基地に到着しており、13日には空軍HH-60に乗り込んだ空軍・海兵隊合同先遣調査チームが山形空港に降り立ち、被災地に対する陸上航空前進拠点の設置を開始した。


3月12日、嘉手納基地から横田基地に到着したアメリカ空軍HH-60(拙著『写真で見るトモダチ作戦』より、以下同)


3月13日、空軍HH-60で山形空港に到着した空軍・海兵隊先遣調査チーム
 そして、HH-60により、米軍調査チームは水没してしまった仙台空港をはじめ被災地を上空から視察した。その後、海軍航空母艦をはじめとする各種軍艦の海上航空前進拠点とともに、山形空港を中継点として空軍や海兵隊の各種ヘリコプターが被災地に対する救難支援活動に従事することになる。

 翌14日には、海兵隊前進救援司令部が仙台郊外に設置され、空軍HH-60による被災地に対する救難活動が開始された。この際、HH-60は孤立した施設が掲げていた「SOS」を発見し飲料水はじめ救援物資を届けている。


3月14日、捜索救難に出動した空軍HH-60が発見した救援要請の表示
 この日以降、数週間にわたって、空軍や海軍のHH-60捜索救難ヘリコプター、海兵隊の中型輸送ヘリコプターCH-46(現在はオスプレイに交代した)や大型輸送ヘリコプターCH-53(沖縄国際大学に墜落した型、すでに老朽化が進んでいるため将来的にはオスプレイに交代する)をはじめ、対潜ヘリコプターや攻撃ヘリコプターまで含んだ各種の海兵隊・海軍・空軍のヘリコプターも投入されて、被災地エリアでの捜索救援活動や医療品・食料飲料水・その他の救援物資の運搬・配布活動に活躍した。


3月15日、被災地に救援物資を届ける海軍HH-60ヘリコプターと搭乗員

3月17日、マレーシアから急行し秋田沖に到着した強襲揚陸艦から被災地に向けて発進する海兵隊CH-53
米軍は日本が必要な時だけ来てくれればいいのか?

 両者ともにトモダチ作戦で活躍したHH-60捜索救難ヘリコプターとCH-53大型輸送ヘリコプターには何の関係もない(ただし両者ともシコルスキー・エアクラフト社が製造しているという点だけは共通点と言えるが)。

 それにもかかわらず多くのメディアはアメリカ空軍のHH-60が墜落すると、2004年のアメリカ海兵隊CH-53墜落事故をことさらに取り上げて、「アメリカ軍ヘリコプター」という言葉を用いてオーバーラップさせる。そして、海兵隊がかなり老朽化してしまった輸送ヘリコプターを新型輸送機オスプレイに交代させると、多くのメディアは“オスプレイ恐怖症”を蒸し返して(空軍の嘉手納基地ではなく)海兵隊の普天間基地の危険性を取りざたする。

 このようなメディアや米軍基地反対派は、自衛隊の脆弱性を穴埋めしている海兵隊を沖縄から追い出そうとする一方で、アメリカ政府やアメリカ連邦議会などの尖閣諸島問題に関するコメントを人一倍気にかけて「アメリカが日本の肩を持っている」とか「アメリカはまだ日本を見捨てていない」といった具合に一喜一憂している。このような日本のメディアの論調を伝え聞いているアメリカ軍関係者たちが、「日本では、日米安保条約遂行のためのアメリカ軍を“タクシー”のように思っているのであろうか?」と疑問を呈している。

 つまり、「日本にとって必要がない時はできるだけ日本に駐留してほしくはなく、トモダチ作戦や万一対日軍事攻撃が勃発した場合のように日本が必要と感じる時は直ちに米軍が馳せ参じて窮地に陥った日本を助けてほしい、すなわち、米軍は日本が必要とするときだけ姿を見せればいい」と日本側は考えているのではないのか、といったふうにアメリカ側に受け止められかねないとの危惧を口にしている。

 確かに、憲法9条や日米安全保障条約に関してほとんど何も知らない多くのアメリカの人々にとって、「経済的に進んでいて(さすがに多くのアメリカ人はこの程度の認識は持っている)、立派な軍隊も保持している(一般のアメリカの人々が米軍と似通った軍用機や軍艦を保有している自衛隊を見ればこのように感じる)日本を、どうしてアメリカの若者の血を流してまで救援しなければならないのか?」といった疑問が生ずるのは当然と言えよう。

 そして日米安全保障条約に関して知識がある人々にとっては、「アメリカは日本防衛のための各種軍事力を提供し、日本はアメリカ軍の駐留に必要な土地・環境を提供する」といった基本的枠組みがあるのに、「基地の設置は困るしオスプレイも嫌だが、しっかりとした抑止力は提供してほしい」という態度は、あまりにも自分勝手に過ぎると映ってしまうのである。

矛盾した態度は改めよ

 どうしても米軍基地やオスプレイやHH-60ヘリコプターが嫌ならば、現在の日本の国防予算を4〜5倍増(あるいはそれ以上)して在日アメリカ軍(第7艦隊、第3海兵遠征軍、第5空軍、空軍特殊作戦群など)に取って代わる超強力自衛隊を構築することに賛成しなければならない。しかしながら、そのような予算もなければ技術力もないのは誰の目にも明らかである。

 日本人としては極めて残念ながら、現状においては自衛隊“だけ”では軍事強国中国やロシアはもちろんのこと北朝鮮や韓国の軍事的脅威を撥ね除けることは不可能な状況である。したがって、「基地を設けたり墜落するオスプレイやヘリコプターや戦闘機を持ち込んだりしてほしくはないが、日本が困ったときには敵をやっつけてくれ」といった矛盾を内在したというより自分勝手極まる態度は全く通じないのが現状である。

 しかしながら、いつまでもアメリカの軍事力に“すがりつく”状況のままでよいのであろうか。少なくとも独立国同士の同盟関係を強化しようというのであれば、自国の都合だけを身勝手に要求する“子供のような”被保護国的態度は許されず、できうる限り自主防衛能力を保持して、足りない部分を同盟国の軍事力により補完するという(常識的な)態度が必要である。

 まして強制財政削減措置により国防費が大幅に削減されているアメリカは、たとえ同盟国を助けたくとも、思うようにならない状況に向かいつつあるのである。

 日本としては、ますます自主防衛能力の確立が急務であることを再認識するとともに、「アメリカ軍は“タクシー”か?」といった喩えが生じてしまうような矛盾を内在している風潮は断固として排除しなければならない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38547


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