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【カイロ時事】16日の「怒りの行進」デモでモルシ前大統領支持派が治安部隊と衝突し、約100人が死亡したカイロ中心部のラムセス広場。犠牲者の遺体や負傷者の収容所となった近隣の「ファタハ・モスク」では17日もモルシ派数百人が立てこもりを続け、取り囲む反モルシ派が「出てこい。地獄に送ってやる」と罵声を浴びせていた。
現場は鉄道の中央駅がある繁華街。しかし、17日は装甲車両が物々しく展開し、モスク周辺では銃声が絶えない。反モルシ派は取り乱して「同胞団がモスクの尖塔(せんとう)から乱射している」と訴えていたが、尖塔に人の姿はなかった。
実際にモルシ派による銃撃だった可能性もあるが、銃声はモスクと別の方向からも聞こえた。現場が半ばパニック状態に陥る中、誰が発砲したのか分かる状態ではなかった。
軍トップのシシ第1副首相の写真を掲げ、包囲の輪に加わっていたワリド・ガマリディさん(30)は「中にテロリスト(同胞団)がいて危険だ。引きずり出さないといけない」と話した。
現場では軍や治安部隊が投降を呼び掛けるが、中にいるモルシ派は訴追やリンチを恐れて出られないというのが実態だ。治安部隊が作った「脱出口」からモルシ派の数人が白い布に包まれた遺体を搬出しようとしたところ、人々が襲撃を試み、兵士に阻まれる場面もあった。
この際、少し離れた建物の陰から出てきた高齢の女性が、若い兵士に「中にけがをしている人もいる。出してあげて」と泣きついた。兵士は困惑の表情を見せ、女性を振り払った。
エジプトでは連日の衝突や混乱を受け、モルシ派と反モルシ派の対立感情がかつてなく高まっている。治安部隊が警備を強化しても、冷静に対話できる環境を作らない限り、情勢を安定させるのは困難だ。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013081700225
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