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アムネスティが現地で得た情報を見ると、治安部隊がモルシ元大統領派に対して過剰な武力を使っていることは明らかである。
7月5日の金曜日以来、衝突による死者は88人、けが人はおよそ1500人にのぼった。死者には多数のデモ参加者のほか3人の治安部隊員が含まれている。8日だけでも、モルシ元大統領の支持者51人が、大統領警護隊本部前での衝突で死亡した。
「最初に攻撃してきたのはデモ隊だ」「女性や子どもからは1人のけが人も出していない」と軍は主張しているが、アムネスティが現地で得た情報では、状況はかなり異なった。
アムネスティは、カイロとアレキサンドリアの死体安置所、病院、衝突現場を回って、けが人やその家族から話を聞いた。こうした話からわかったことは、治安部隊が殺傷力が高い武器などを使っているということだ。死傷者の多くは頭部や上体を実弾が命中していた。
軍や警察当局は、過剰な武力行使を直ちに止めるべきだ。
たとえ抗議する人びとが暴力に訴えたとしても、妥当な対応にとどめ、犠牲者を出さないようにしなければならない。これまで、エジプト当局が行使する武力はデモ隊に対して強大だった。その結果、平和的にデモをする人びとから多くの死傷者を出してしまった。
武力の過剰な行使については、独立的かつ公正な方法で調査する必要がある。
また、適切な検死と医学報告を行い、事実調査を支援し正義と補償がなされるようにすべきだ。
ムスリム同胞団幹部が、元大統領が復帰するまで抵抗を続けると宣言したことで、今後さらに流血が予想される。どちらが仕掛けたか、が問題ではない。治安部隊の行動と武力使用を制限しない限り、さらに惨事を招く。
8日、女性や子どもがいるテント付近で、礼拝後に攻撃を受けて負傷したある女性に話を聞いた。「男たちが走ってきたときに催涙ガスが降ってきた。子どもをどうすればいいのかわからず、銃弾が飛び交うなか走り出すこともできなかった。銃弾があちこちで飛び交ってた。だから木の下で祈るしかなかった」。かろうじて路地まで逃げることができたという。
アムネスティは体に散弾銃の銃弾を受けたという数名の女性や頭部と手足に傷を負った子どもにも話を聞いた。
調査ではまた、先週5日のモルシ派と反モルシ派の衝突に対して、治安部隊の介入が遅すぎたか、介入がなかったかの、いずれかであることがわかった。その結果、両陣営に多くの犠牲者を出した。
カイロでは治安部隊が不在で、少なくとも8人が死亡した。アレキサンドリアでは、少なくとも17人が犠牲になったが、治安部隊が到着したときにはすでに数人が殺害された後だった。犠牲者のひとりムハンマド・バール・アル=ディンさんは、刺されたうえに、モルシ支持者に屋上から放り投げられた。
これらの騒ぎに住民らが警察に助けを求めたが無視されたという。
治安と生命の安全を確保することは治安当局の責務だ。ところが、流血の事態を防ぐのではなく、武力を過剰に行使し、人びとの助けを求める声を無視して、事態を悪化させている。敵対する相手に暴力を使ったものには、立場がどうであれ、その責任を問われなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2013年7月10日
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0711_4055.html
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