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【緊迫北東アジア 列国の軍事力】最も警戒すべき中国の潜水艦戦力 対米核戦略の延長線上にある「尖閣問題」
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130709/plt1307090730001-n1.htm
2013.07.09 夕刊フジ
北東アジアが緊迫している。中国は、参院選(21日投開票)に合わせるように、海軍艦艇を長崎県沖の対馬海峡を通過させ、沖縄県・尖閣諸島周辺にも調査船を侵入させた。日本に接する各国の軍事力はどうなっているのか。軍事ジャーナリストの井上和彦氏が迫る。
中国の国防費は毎年2ケタの伸び率−。だが、実際に日本にどれほどの脅威となっているのか。まず、中国の国防費の絶対額をみてみよう。
2013年の国防費7202億元(約11兆7700億円)は、その5年前の08年の約4100億元(約6兆7000億円)の約1・75倍である。しかも過去10年間で約4倍に増えている。世界でこれほど極端な国防費の増額を行っている国は他にない。
もっとも公表額には、兵器購入費や新兵器の研究開発費といった主要支出区分が含まれておらず、実際の国防費は公表額の2、3倍になるとみられている。
莫大な国防費に支えられた人民解放軍の総兵力は約229万人。この数は、第2位の米国(約157万人)、第3位のインド(約133万人)を抑えて断トツである。自衛隊の総兵力が約23万人であるから、10倍の戦力ということになる。
人民解放軍のなかでも、陸軍は約160万人でこれまた世界一。米軍の陸上戦力が約64万人だから、中国は約3倍ということになる。
航空戦力はどうか。
中国空海軍の作戦機は2074機で、世界最強の航空戦力を誇る米国の3497機に次いで第2位。近年、旧式機をスホーイ27やJ10など第4世代戦闘機に急ピッチで更新し、ステルス戦闘機J20まで登場させるなど、航空自衛隊の戦力を凌駕するまでに成長している。
尖閣諸島など、日本の安全保障にとって最大の関心事である海軍力はどうか。
中国海軍の艦艇数は1088隻(135・2万トン)で、海上自衛隊の143隻(45・1万トン)をはるかに上回っている。近代化も急速に進んでおり、海上自衛隊の護衛艦に匹敵するハイテク艦艇も登場している。
とりわけ空母「遼寧」の就役は衝撃的だった。さらに空母2隻も建造中というから、これが戦力化されれば東アジアの軍事バランスは大きく変容することが予想される。
そして、最も警戒すべきは潜水艦戦力だ。
現在、中国海軍は、原子力潜水艦を含む約60隻の潜水艦を保有しており、内訳は、原潜が約10隻と通常型が約50隻である。新型原子力潜水艦を次々と開発しており、戦力の拡大を図っている。
中国は、東シナ海と南シナ海を「内海」にして、海軍艦艇が太平洋に出てゆく回廊にするとともに、北米大陸にも届く「巨浪12」と呼ばれる潜水艦発射型核弾道ミサイル(SLBM)を搭載した晋級戦略原潜を就役させて対米核攻撃能力を飛躍的に向上させようとしている。
尖閣問題の本質は、中国による対米核戦略の延長線上にあるのだ。
北朝鮮の弾道ミサイルの陰に隠れて見落とされがちな中国の核戦力と弾道ミサイルこそ、日本にとって最大の軍事的脅威であることを忘れてはならない。
■井上和彦(いのうえ・かずひこ) 軍事ジャーナリスト。1963年、滋賀県生まれ。法政大学卒。軍事・安全保障・外交問題などをテーマに、テレビ番組のキャスターやコメンテーターを務める。航空自衛隊幹部学校講師、東北大学大学院・非常勤講師。著書に「国防の真実−こんなに強い自衛隊」(双葉社)、「東日本大震災秘録−自衛隊かく闘えり」(同)、「尖閣武力衝突−日中もし戦わば」(飛鳥新社)など。
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