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2013-06-30(08:47) みんな楽しくHappy♡がいい♪
ラジオフォーラム
第25回放送 うまくいくんかいな? アベノミクス
ゲスト: 浜矩子さん(エコノミスト、同志社大学大学院教授)
パーソナリティ: 石丸次郎(ジャーナリスト)
放送日: 6/29(土)〜7/28(金)
小出裕章ジャーナル
石丸:
今日のテーマなんですけれども、核兵器の事についてお伺いしたいと思います。
2月12日に北朝鮮が核実験を強行しました。
これに対してアメリカ中国ロシアをはじめとした、核保有国が中心となった国連の安保理でですね、
制裁決議が上がりました。
自国だけ核兵器を持って、他国に「核兵器を開発するな」というのは、
これはこれで非常に不平等な事ではありますけれども、
それはそれとしてもやはり北朝鮮が核開発をするという事は非常にやっぱり憂慮される事でありますが。
以前、小出さんは北朝鮮は核兵器開発に成功していないと見ておられるという事をおっしゃいましたけれども、
この辺についてもっと詳しくお聞きしたいんですが、
小出:
もともと朝鮮人民民主主義共和国という国の核疑惑というものが起きたのは1992年の事でした。
その当時にIAEA等がさんざん査察等を行った事があったのですが、
核兵器を製造するには二つの道筋がありまして、
ウランを使う道筋とプルトニウムを使う道筋です。
広島に落とされた原爆がウランを使って作られていましたし、
長崎に落とされた原爆はプルトニウムという物質を使って作っていました。
で、朝鮮人民民主主義共和国の場合は、
核分裂性のウランを濃縮するという技術も工場もありませんでしたので、
もし、あの国が核兵器をつくるとすれば、プルトニウムでつくるしかなかったのです。
ただし、朝鮮人民民主主義共和国には、まずそのプルトニウムをつくる道具、つまり原子炉ですけれども、
「原子炉は大変小型の小さな実験用のものしかなかった」のです。
熱出力という原子炉そのものの大きさで言うと、2万5000kw。
日本には100万kwという、電気出力の原子力発電所が、ま、何十もある。
電気出力100万kwというのは、熱出力でいうと300万kwになりますので、
朝鮮人民民主主義共和国が持っていた2万5000kwというのは、100分の1以下ですかね。
もう本当に話にならないほど小さな原子炉しかもっていなかったのです。
その原子炉をいくら効率的に動かしたとしても、
作り出せるプルトニウムの量なんてもちろん知れているのです。
おまけに、プルトニウムというのは原子炉の中でつくっただけではダメで、
それを使用済みの燃料の中から取り出すという、再処理という作業が出来なければいけない。
ただしそれはもう、猛烈に危険な作業でして、
大変な被ばく作業だし、環境汚染もそこいら中で引き起こしてきた作業なのです。
で、それを行うためには、いわゆる再処理工場という工場が必要なのですが、
1992年の時点で朝鮮人民民主主義共和国には再処理工場はなかったのです。
つまり「取り出すことすらが出来ない」という、そういう状態でしたので、
あの国に核兵器があるという事は、私はそれこそあり得ない事だと思いまして、
そのように発言を続けてきています。
石丸:
なるほど。
それは90年代前半のお話ですが。
小出:そうです。
石丸:
北朝鮮が「核実験を2006年、2009年、2013年にやった」と主張しておりますが、
時間的に言うと、14年の年月がたちました。
この間に開発が進んだというふうには考えられませんか?
小出:
えー、あるかも、しれません。
放射化学実験室という非常にプリミティブ (primitive 原始的・素朴・幼稚)な再処理工場が
90年代の初めにも、ま、建設途上であったわけで、
それをその後も建設を続けて、ひょっとしたら完成させたという事もあるかもしれません。
ただし、先程聞いていただいたように、
朝鮮人民民主主義共和国には本当におもちゃのような工場しかありませんので、
取り出せたとしてもプルトニウムの量は本当に知れている量でしかありません。
今年になって、ストックホルムにある国際平和研究所という所が、
また今年度版の年鑑を出しましたけれども、
それで考えられている朝鮮人民民主主義共和国が持っている核弾頭の数も、
せいぜい6発から8発だというのです。
そしてたとえば朝鮮人民民主主義共和国と未だに戦争状態、
つまり休戦協定しか結んでいない米国という国は、核弾頭の数で言えば7700発も持っているわけで、
戦争をしている当事者同士の数の比較で言うなら、
もう話にならないほどちいちゃなものしかもっていないのです。
石丸:
そうですね。
2006年そして9年13年北朝鮮が核実験をやったと主張しています。
咸鏡北道吉州郡豊渓里(ハムギョンブクド、キルジュグン、プンゲリ)というところに、
地下に穴を掘ってそこで爆発をさせたと。
で、直接それは映像ではもちろん見られた訳ではないんですけれども、
何らかの大きな地震と言いますか、地下で大きな爆発があったという事は、
国際機関、いろんなところの調べで明らかになっていますね。
これは、核実験として、核爆弾の実験としては、どう理解したらいいんでしょうか?
未熟なものだと理解したらいいんでしょうか?
非常に小型と理解したらいいんでしょうか?
小出:
いずれにしても、もう話にならないほどの小型なものです。
ただ小型の原爆をつくるという事はそれなりに難しい事なので、
朝鮮人民民主主義共和国に言わせれば、
「どうだ、俺たちはこんな小型の原爆だって作れるんだぞ」という、
そういう言い訳になるのかもしれませんけれども、
観測された地震そのものは、普通の火薬でも、
火薬を使った爆弾でもできるほどの地震のマグニチュードでした。
石丸:その程度にしか過ぎなかったという事ですね
小出:はい。
ですから、なんか皆さんはもう、
その時の地震が必ず核爆弾を爆発させたための証拠だというふうにおっしゃる訳ですけれども、
私はそれは直結しないと思います。
石丸:
見えない所で、あたかも大きな武器を持っているということを誇示するための
一つのトリックのようなものの可能性もあると、
小出:はい、私はそう思っているのです。
石丸:
なるほど。
その後ですね、ウラン濃縮のための道具をいろいろ揃えたりして、
ウラン濃縮の実験場でしょうか、
それをアメリカの核研究者に直接見せたりという事もしていますけれども、
これも進展は進んでいない…というふうに見られますか?
小出:
進んでいるとは思いますけれども、
ウラン濃縮という技術は大変難しい技術でして、
たとえば日本だって、やろうやろうとしてきたわけで、
人形峠でパイロットプラントをつくって、
その技術を基に青森県六ケ所村に巨大なウランの濃縮工場をつくろうとしてきたのです。
しかし、つくればつくるだけどんどん壊れていってしまいまして、上手くいかない。
そして昨年度から、新型のまたウラン濃縮施設をつくろうとして、今やっているところであって、
簡単にできるものではないのです。
ですから、米国と戦争状態にある国ですから、もちろん何とかしたいという思いはあるでしょうし、
それなりの努力もしているだろうとは思いますけれども、
いずれにしても容易ではないし、あの国が核兵器を簡単に持てるというふうには私は思っていないのです。
石丸:
なるほど。
核技術者として、実際はそんなに簡単ではないからということですよね。
小出:そうです。
石丸:
なるほど。
もうちょっとお聞きしたいんですが、またよろしくお願いします。
今日はどうもありがとうございました、小出さん。
小出:ありがとうございました。
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