http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/331.html
Tweet |
http://electronic-journal.seesaa.net/article/367346322.html
2013年06月25日 Electronic Journal
現在の中国でははさまざまな問題が噴出しつつあります。最近
では、中国の良くない問題が新聞紙上に出ない日はないといって
いいほど、いろいろな問題が伝えられています。
中国にとって残されている道は2つしかないと思います。それ
は、中国共産党の上が改革──具体的には民主化に向けての政治
改革をやるか、下からの革命を待つかの2つです。もし、上が政
治改革をやらなければ、やがてやり場のない怒りと不満が爆発し
下からの革命が起こるはずです。
下からの革命は、劉暁波氏のような勢力が中心になって盛り上
がり、おそらくフランス革命のような規模の大革命に発展する可
能性があります。共産党の幹部たちが一番恐れている事態です。
しかし、新しいエンペラーである習近平国家主席は、そのどち
らでもない方向を目指しています。それはナショナリズムの喚起
です。習主席は、毛沢東を褒め讃え、ケ小平詣でをしています。
イデオロギー的には完全に混乱しているのですが、ただ、ナショ
ナリズムだけは明確に打ち出しています。
その狙いはどこにあるのでしょうか。ずばり、国民のやり場の
ない怒りや不満を外に向けさせたいのです。そういう人民の気持
をひとつにまとめ上げるテーマは「反日」しかないのです。
中国のネット世論を扇動している代表的メディアである「環境
時評」は、2012年8月27日付の社説で次のように書いてい
ます。ちょうど尖閣をめぐる日中対立が激化していた時期です。
―――――――――――――――――――――――――――――
もし、中日間で戦争が起きれば、中国人の心理の上で、一世紀
余りにおよぶ屈辱を晴らす戦争となるに違いない。たとえどの
ような戦争であっても、中日戦争ほどこうした役割を果たすの
にふさわしいものはない。中国の民間がどれだけ日本を嫌って
いるかはともかく、いったん民意が対決すれば、中国人は必ず
一致団結する。 ──加藤隆則/竹内誠一郎著
「習近平の密約」/文春新書911
―――――――――――――――――――――――――――――
もちろんここで中国人民の目を外に向けるのに仮に成功しても
問題は何も解決せず、むしろ世界の非難を浴びて、問題の解決を
遅らせるだけです。まして、不法な戦争などを起こせば、中国は
改革開放で得た果実をすべて失うことになるでしょう。
もちろん中国メディアにも良心があります。「中国青年報」に
所属する「氷点週刊」の編集長である徐百村氏は、2012年9
月5日の同紙において、「メディアは『愛国』で商売をしてはな
らない」というタイトルで、次のように反論しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
無責任で大局をわきまえない言説で、我々が反対している外国
の過激勢力と変わらない。こうした表現を用いることを習い性
とするメディアは、筆を収めて、民衆に謝罪してほしい。
──加藤隆則/竹内誠一郎著の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
このような冷静で理性的な言論が中国内部の過激な言論を抑え
ているのです。しかし、トップがナショナリズムに舵を切ってい
るのでは、いつ戦争が起きても不思議はないのです。
習近平主席は尖閣諸島をめぐって、日本と戦争になる事態もあ
ると考えています。彼は昨年暮れに総書記に就任すると、すぐ部
下に命じて、「日本と開戦になった場合の影響」についてレポー
トを作らせているからです。
もし、中国が尖閣諸島をめぐって、戦争を仕掛ける場合、次の
2つの条件がクリアされたときです。
―――――――――――――――――――――――――――――
1.日本の自衛隊が先に手を出したと主張できる状況
2.米軍が絶対に介入してこないという確証がとれる
―――――――――――――――――――――――――――――
「1」は、中国にとってはいくらでも手があるのです。例のレ
ーダー照射は、その手のひとつです。レーダー照射があったので
日本が反撃したとすると、レーダー照射は見えないので、日本が
先に手を出したことになるのです。
このあたりのことは海上自衛隊はよくわかっているので、レー
ダー照射に反撃せず、政府を通してその事実を公表したのです。
中国はまさか日本が公表するとは思っていなかったので、かなり
慌てて対応に追われたのです。これは日本の勝ちです。
1937年7月7日に日中戦争の発端になった盧溝橋事件──
北京郊外で日本軍が銃撃を受けたのです。そのとき、ひとりの日
本兵が行方不明になっていたので、日本軍は中国軍を攻撃し、日
中戦争がはじまったのです。
中国側は日本側が最初に発砲したと主張していますが、真相は
日本を戦争に引きずり込みたい劉少奇が自分の部隊に命じて、日
中両国の部隊に向かって発砲させたといわれています。
レーダー照射はこれと同じです。「レーダー照射があった」と
公表してもそれを証明することは困難であり、「そんなことはな
い」と否定できるのです。中国はそのようにしています。
中国にとって大問題は「2」なのです。米国の本心がわからな
い──この点をはっきりさせようとして、習主席は先の米中首脳
会談で相当際どいことまでいって、オバマ大統領に迫ったのです
が、「日本が米国の同盟国であることを忘れるな」とクギを刺さ
れてしまったのです。結局、米国のハラを読めなかったのです。
これについて宮崎正弘氏は次のようにコメントしています。
―――――――――――――――――――――――――――――
アメリカが出てこれない範囲のなかで、小さな軍事事件として
やるということなんです。だから、戦争というのはかなり拡大
されて誤解される恐れがあるので、尖閣事件といったほうがよ
い。もしくは尖閣軍事事故、そんな感じなんです。
──石平/宮崎正弘著
「2013年後期の『中国』を予測する」/ワック刊
―――――――――――――――――――――――――――――
――─ [新中国論/73]
≪画像および関連情報≫
●日中「軍事衝突」に備えよ/「経済の死角」
―――――――――――――――――――――――――――
2013年5月14日、人民解放軍のスポークスマン役を務
める羅援少将が『中国新聞ネット』に出演し、次のような過
激な『尖閣奪取宣言』を行った。「われわれは今後、3段階
で釣魚島を奪取する。第一に、漁船を海域に放ち、主権を宣
言する。第二に、国家海洋局の海監(巡視船)が重武装で赴
く。すでに最近、島から0・6海里まで達している。そして
満を持して中国海軍が出動するのだ。現在、東海、北海、南
海の3大艦隊が共に、釣魚島付近で軍事訓練を行っている。
これは刀を磨いているのだ。3艦隊が一体となって刀を抜け
ばよい。制海権を奪うことが何より重要で、そのために力を
つけるのだ」。羅援少将は翌15日、同番組で今度は、沖縄
問題について吠えた。『人民日報』(5月8日付)が「沖縄
は中国の領土」と主張したことを受けての発言だ。この日は
沖縄が日本本土に復帰して41周年にあたる記念日だった。
琉球は日本に帰属しているものではまったくない。なぜなら
琉球は以前は独立した王国だったからだ。西暦1372年に
琉球王国は明に朝貢を始めた。以来、琉球は明の属国となっ
た。それを1872年に、日本の明治政府は、中国に何の相
談もなく、琉球国王を軟禁し、王制を廃して琉球藩とし、そ
の後、沖縄県にしてしまった。実際、琉球国の多くの国民が
福建省、浙江省、台湾の出身だ。つづく
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35896
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。