04. 2013年6月21日 17:22:29
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〈そこが知りたいQ&A〉朝米高位級会談、提案の意図は 破綻した米国の軍事強硬策、対話への局面転換で主導権 朝鮮は国防委員会スポークスマンの重大談話(16日)を通じて、朝米当局による高位級会談の開催を提案した。提案の背景と意味をQ&Aで整理した。 ー北南会談が中止になったばかりだ。何故、この時期に米国との会談を提案したのか。 国際情勢の推移を見て判断したのだろう。 対決から対話への転換局面で、朝鮮は主導権を発揮できる位置にいる。 今年に入り、朝鮮半島情勢は緊張局面が続いた。一月に朝鮮の人工衛星打ち上げに対する国連安保理の制裁決議が採択され、3月からは米・南が核攻撃手段を動員した大規模な軍事演習を行った。朝鮮も「停戦協定の完全白紙化」を宣言、人民軍の戦略ロケット軍が戦闘態勢に入るなど一触即発の危機が生じたが、紛争は寸前で回避された。 現在は、緊張緩和と対決構図の解消に向けた外交の調整期にある。北南当局会談を提案した祖国平和統一委員会の重大談話文(6日)も情勢の転換を見据えたものだった。 今回、朝鮮は米国に先んじて交渉のレベルと議題に関するアイデアの内外に公開した。国防委員会談話では、朝米が高位級会談を行い◆軍事的緊張の緩和 ◆停戦体制の平和体制への転換 ◆「核なき世界」の建設など、双方が求める様々な問題を幅広く、真摯に協議できるとした。 −今回の提案は、孤立感を深める朝鮮が国際的包囲網の分断をねらって行ったものだとの指摘もある。 日本のメディアは、国際的な制裁と圧力によって朝鮮が窮地に陥り、対話を模索せざるを得なくなったと解説している。緊張激化の張本人である米国に都合のよい偏向報道だ。それが虚構であることは、事態の経緯を客観的に見ればわかる。 「朝米核ミサイル危機」ともいえる緊張状態が極限に達したのが3月末。4月に入って「対話論」を先に持ち出したのは米国だ。オバマ政権は、軍事演習に戦略核爆撃機を幾度となく投入し、朝鮮を力でねじ伏せようとしたが、土壇場で強硬策を撤回した。核保有国である朝鮮が米本土まで射程内に収める戦略ミサイルを持ち、米国の核攻撃に対する報復能力を備えたという現実に直面したからだ。 朝鮮は、米国の軍事的強硬路線が破綻するに至った経緯を踏まえた上で、高位級会談の開催を提案した。朝米敵対関係の清算という根本問題の議論を念頭においているはずだ。 −国防委員会の談話で非核化を目指す意志が示された。朝鮮は「今後、非核化会談は行わない」との立場を表明したのではなかったか。 国防委員会の談話は、朝鮮半島非核化は「金日成主席と金正日総書記の遺訓」であると明言した。 半年前に「非核化会談を行わない」と表明したのは、米国の行動を問題視したためだ。そもそも朝鮮は米国の敵視政策、核戦争脅威に対処するために、抑止力として核兵器を開発した。今年1月、朝鮮が「米国の増大する敵視政策によっ自主権尊重と平等の原則に基づく6者会談共同声明は死滅し、朝鮮半島の非核化は終わりを告げた」と宣言したのは、米国の挑発に対抗するためのロジックだ。当時、米国は主権国家の正当な権利行使である人工衛星の打ち上げを制裁対象とする国連安保理決議の採択を主導し、朝鮮に対する対決姿勢を露にしていた。 その後、米国は制裁決議を背景に朝鮮に対する軍事的圧力を強めたが、結果的に対決から対話へと舵を切らざるを得なかった。米国が対朝鮮敵視政策に固執しないのであれば、朝鮮半島非核化の可能性も開かれる。 今回、朝鮮は自国の非核化意志を明確にした。談話では「南を含めた朝鮮半島全域の非核化」、「米国の核脅威を終わらせる最も徹底した非核化」を要求した。「北の核廃棄」だけに照準を合わせる非核化は全面否定した。 −米国は、朝鮮が非核化に向けた真摯な意志を示さなければ、対話を行わないとしている。 朝鮮半島に戦争の危機が現存するのは、米国が朝鮮を敵視し、冷戦時代の遺物である軍事対決構図の維持を政策の基本に据えているためだ。このような根本問題が議論されてこそ、朝鮮半島の緊張緩和、地域の平和と安定に向けた行動計画を立てることができる。しかし、オバマ政権は核問題に焦点を合わせ、それを対話の入り口に置いている。 非核化の意志を示せという米国に対して、朝鮮は核の威嚇をやめて、制裁を含めた挑発を中断せよと反論している。朝米の主張は平行線だが、双方が問題解決に向けて現実的なアプローチをとるならば、非核化交渉の接点をつくることは可能だ。米国は核の傘を提供する同盟国との関係を考慮し、「北の核を認めない」と言い続けなければならない立場にあるが、朝鮮は「核保有国の地位が認められなければ、米国と対話しない」と言ったことはない。 朝米が朝鮮半島非核化というゴールで一致できれば、交渉の入り口は柔軟に設定できる。 −朝米高位級会談の実現可能性は。 オバマ政権が対話の道を選択せず、朝鮮半島の対決構図を解消するための交渉の機会を逸した場合、朝米の「核ミサイル危機」は今後も潜在化することになる。米国の軍事的圧力路線が続く限り、朝鮮も対抗措置をとらざるを得ない。 朝米高位級会談の提案を前後して、関係国の動きが活発化している。国防委員会談話の発表直後、対米外交を統括する金桂寛第1外務次官が中国を訪問、朝中戦略対話が行われた。 5月には、金正恩第1書記の特使として朝鮮人民軍の崔竜海総政治局長が軍服姿で訪中、胡錦濤国家主席と面談している。中国は特使の訪中計画を事前に米国に伝えたという。6月7、8日、米カルフォルニア州で行われたオバマ−胡錦濤会談では、朝鮮問題が主要議題としてとり上げられた。 今年、朝米の軍事的対立が激化し、一触即発の危機が起きたのは、朝鮮戦争がいまだ終結していないことに起因する。60年前、停戦協定(1953年7月27日)に署名した当事者である朝・中・米の首脳レベルで、直接または間接的な対話が行われた後に、朝米高位級会談の提案がなされた。各国の利害関係を調整するプロセスが一段落すれば、対話外交の具体的な動きが表面化するだろう。 (金志永) http://chosonsinbo.com/jp/2013/06/qa/ 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会 スポークスマンが重大談話を発表する 最近米国の現行政府は、朝鮮半島につくり出された緊張の局面を解消するためには、われわれが先に非核化の意志を示し「挑発」と「威嚇」を中止すべきであるとして、まるでわれわれの選択のいかんにあらゆる事態の進展がかかっているかのように騒ぎ立てている。 そして、これまで朝鮮半島で緊張を激化させた責任がわれわれにあるかのように世論をミスリードし世界を欺いている。 これに事大主義と屈従を体質としている南朝鮮の現当局者と各追随勢力が同調している。 これと関連して、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会は6月16日、重大立場を内外に明らかにした。 その要旨は以下のとおりである。 1.世紀と年代ををついで朝鮮半島の情勢を持続的に激化させた張本人はほかならぬ米国であることを今一度世界に明白に公表する。 前世紀50年代、朝鮮半島で侵略戦争を起こした挑発者も米国であり、戦後の60年もの歳月にわたり朝鮮停戦協定を系統的に破壊した主犯もやはり米国である。 新世紀10年代に入り、またもやわが共和国に反対する侵略戦争の導火線に火をつけようと執拗に策動している戦争放火犯もやはり米国である。 2.朝鮮半島の非核化はわが軍隊と人民の変わることのない意志であり決心であることを今一度内外にせん明する。 朝鮮半島の非核化は金キム日イル成ソン主席と金キム正ジョン日イル総書記の遺訓であり、わが党と国家、千万軍民が必ず実現すべき政策的課題である。 われわれの非核化は、南朝鮮を含んだ朝鮮半島全域の非核化であり、われわれに対する米国の核威嚇を最終的に終わらせることを目標としているもっとも徹底的な非核化である。 米国は対話の局面を開くため、われわれに非核化意志の真情性を先に見せろと騒ぎ立てる前に、われわれに対する核威嚇と恐喝をやめ、「制裁」を含んだあらゆる形態の挑発から中止すべきである。 3.朝鮮半島の緊張局面を解消し、地域の平和と安全を成し遂げるために朝米当局間高位級会談の開催を提案する。 朝米当局間高位級会談では、軍事的緊張状態の緩和問題、停戦体制を平和体制に変える問題、米国が示した「核のない世界の建設」問題を含んだ双方が望む諸問題を幅広く、真摯に協議することができるであろう。 会談の場所と日時は米国が便利なように定めればよいであろう。 朝鮮半島の緊張状態を緩和し地域の平和と安全を成し遂げようとするわれわれの立場は終始一貫である。 米国が心から「核のない世界」と緊張の緩和を望むならば、与えられた機会を逃すことなく、われわれの大らかな勇断と善意に積極的に呼応すべきであろう。 あらゆる事態の進展は、これまで朝鮮半島の情勢を悪化させた米国の責任ある選択にかかっている。 http://www.naenara.com.kp/ja/news/news_view.php?0+58479 |