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【カイロ秋山信一】シリアの内戦に隣国レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラが参戦したことに対して、スンニ派からの反発が強まっている。国外の有力なスンニ派指導者が、アサド政権を支援するヒズボラと支援国のイランを相次いで非難し、反体制派への参加を呼びかけた。民主化や政治改革をきっかけに始まったシリア内戦は、外国の介入でシーア派とスンニ派の「代理戦争」の様相を帯びている。
「戦う準備ができている全てのムスリム(イスラム教徒)よ、シリアで同胞を助けるのだ」。世界的に有名なカタール在住のイスラム法学者ユセフ・カラダウィ師は5月31日、ドーハでの金曜礼拝で、スンニ派信者に檄(げき)を飛ばした。カラダウィ師はヒズボラ(アラビア語で「神の党」の意味)を「悪魔の党」と呼んで非難。ヒズボラとイランが「スンニ派の虐殺を続ける気だ」と訴えた。
さらにスンニ派の最高権威機関アズハルのタイエブ総長も今月10日、「シーア派は宗派対立のわなに落ちた」とヒズボラなどを批判した。
ヒズボラは今年4月以降、激戦が続いていたシリア中部クサイルの戦闘に数千人規模で参戦。今月上旬にアサド政権側がクサイルを奪還する原動力となった。反体制派の武装組織「自由シリア軍」幹部によると、クサイルでの戦闘後、北部の主要都市アレッポにもヒズボラの戦闘員が多数向かっているという。
シリア内戦は、民主化や政治改革を求めるデモをアサド政権が武力弾圧したことを契機に始まった。反体制派にはスンニ派(国民の約7割)が多く、アサド政権は大統領と同じアラウィ派(1割強)が支持基盤で、当初は宗派対立は主要な争点ではなかった。
ところが外国の介入によって、以前はなかったシーア派とスンニ派の対立という側面が浮上。シーア派国家のイランやヒズボラがアサド政権を支援する一方、スンニ派が多いサウジアラビアやカタール、トルコは軍事、財政面で反体制派を支えている。アラブ各国や欧州から若者らが戦闘に加わっている。
さらにシリアの周辺国でも両派の緊張は高まっている。レバノンでは今月9日、イラン大使館前でシリアへの介入に抗議していたデモ隊と、ヒズボラのメンバーが衝突し、デモ隊の1人が死亡した。イラクでもシーア派主導の政府に対するスンニ派の不満が高まり、4月以降に衝突が激化。5月だけで1000人以上が死亡した。
http://mainichi.jp/select/news/20130615k0000e040181000c.html
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