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(回答先: 米当局のデータ収集問題、リークした元CIA職員が実名公開 投稿者 良寛 日時 2013 年 6 月 10 日 10:12:52)
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idjptye95801020130609?rpc=188
コラム:米政府が「メタデータ」を欲しがる理由
By Jay Stanley and Ben Wizner
英紙ガーディアンは5日、米国家安全保障局(NSA)が、米通信大手ベライゾンの利用者数百万人を対象に通話履歴を収集していたと報道。これについて、NSAは通話を盗聴したわけではなく、「メタデータ」を集めただけだと擁護する声も聞かれる。まるで、市民の自由が侵害されているとの批判は大げさだと言わんばかりのようだ。
しかし、そのような反論は間違っている。通話内容を傍受しなくても、政府はメタデータを使って個人の最もプライベートな情報――飲酒問題から性的指向まで――を知ることが可能なのだ。メタデータは大した問題ではないという認識は、残念なことに法にも影響しているが、これは、現代の通信世界の現実から全くかけ離れてしまっている。
では一体、メタデータとは何なのか。簡単に言えば、「データ」が電子メールや通話の内容のことなら、メタデータは送受信者の身元や日時、場所、通信時間の長さといったことを意味する。「誰が」「いつ」「どれくらいの頻度で」といった情報が、内容そのものよりも多くを語ることは珍しいことではない。メタデータは一歩間違えば大きな問題に発展しかねない極めて扱いの難しい情報なのだ。
数年前に米マサチューセッツ工科大学(MIT)が行った研究では、個人のソーシャルネットワーキング上の交流を調べるだけで、その人の性的指向が分かることが明らかとなった。また、アルコール依存症コミュニティーや10代同性愛者の電話相談サービスへの通話履歴は、個人が抱える問題を知るのに十分な情報となり得るだろうし、米中央情報局(CIA)のペトレアス前長官の不倫が発覚し辞任に追い込まれたのも、メタデータが発端だった。
加えて、精巧なデータマイニング技術により、米国政府は膨大な量のメタデータを分析することが可能となった。個人情報はかつてないほど詳細に明らかにされるようになり、プライバシー侵害の恐れが高まっている。
こうした技術の進歩はまた、データとメタデータの境界線を曖昧にしかねない。もしウェブサイトの中身がデータだとすると、URLはメタデータなのか。政府の考え方によれば、そういうことになる。
しかしながら、図書館から借りた本のように、訪れたウェブサイトの数だけその内容を読んだとみなされるだけでなく、URLには大抵そのサイトの内容を示す言葉が組み込まれており、URLを知るだけでも、電子メールの内容にも劣らない個人情報を露呈し得るのだ。
こうしたことから、警察や情報機関は長いことメタデータを重宝してきた。そして、メタデータの監視は盗聴よりも侵害度が低いという時代遅れな考え方から、比較的司法の監督が及ばない中で、強力な監視ツールを用いてメタデータを収集してきた。
盗聴していないとの政府の言葉に安心してはいけない。盗聴していなくても、私たちのメタデータを掘り起し収集しているのだから。
(7日 ロイター)
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