http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/223.html
Tweet |
【ベルファスト(英北アイルランド)小倉孝保】中東の民主化運動「アラブの春」で非暴力運動を展開し、2011年のノーベル平和賞を受賞したイエメン人女性、タワックル・カルマンさん(34)が訪問先のベルファストで毎日新聞のインタビューに応じた。カルマンさんは泥沼化するシリア内戦について、「市民を殺害し続けるアサド政権をイランが武力支援していることに問題がある」とイランを強く批判した。
インタビューは28日に行われた。「アラブの春」が始まって2年半たち、チュニジア、エジプト、リビア、イエメンで独裁政権が倒れたものの、バーレーンで民主化デモがつぶされ、シリアで内戦が激化するなど民主化の動きは停滞している。しかし、カルマンさんは「民主主義や人権、法の支配を求める市民運動は始まったばかりだ。終わったわけではない」と運動は継続中との認識を示した。
ただシリアで民主化運動にブレーキがかかっていることを認め、イランを非難するとともに、「国際社会が市民(反体制派)を十分支援していない。自由や人権を踏みにじるアサド政権の暴力を放置すべきでない」とも述べた。
欧州連合(EU)が27日、シリア反体制派への限定的武器供与で合意したことについては「少しは市民の支援になる」としながらも「市民への攻撃を止めさせるには(国際社会が)飛行禁止空域を設定すべきだ」とし、EUの対応は不十分との認識を強調した。
一方、反体制派にテロリストが加わっているとの政権側の主張については、一部にテロリストが参加していることを認めながらも、「アサド(大統領)が政権にしがみついているため、テロリストを呼び込んでいる」と批判し、アサド政権が崩壊すれば、市民がテロリストを追放するとの考えを示した。
エジプトやリビアなど独裁政権が倒れた国でイスラム勢力が台頭していることについては「女性の権利が脅かされているとの意見がある。もちろん民主化は十分ではない。しかし、(民主化への)移行期であり、女性が一致して主張し続ければ権利は獲得できる。私は楽観的だ」と述べた。
カルマンさんは「アラブの春」の将来について、「シリアのアサド政権が近い将来、崩壊することは間違いない」とし、ペルシャ湾岸諸国やイラン、中国を念頭に、「その後、民主化運動は世界各地の独裁国家に広がるだろう」との見通しを語った。
【略歴】1979年、イエメン・タイズ生まれ。サヌア大学を卒業後、ジャーナリストとして活動。2005年に女性ジャーナリスト仲間で人権団体「束縛のない女性ジャーナリスト」を設立し、07年からサレハ政権による言論弾圧に対し抗議行動を始める。11年にチュニジアで市民の大規模デモが始まると、イエメンで民主化デモの先頭に立った。3児の母。
http://mainichi.jp/select/news/20130531k0000m030145000c.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。