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2013/4/16 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
政権基盤にいくつもの疑問
北朝鮮は本当にミサイルを撃つのか。読みきれない理由のひとつに金正恩第1書記の権力基盤がハッキリしないことが挙げられる。
2011年12月17日、金正日が死去した際の訃報で、金正恩は「卓越した領導者」と呼称され、金正日の政治的後継者であることが内外に示された。党第1書記になったのは2012年4月11日。13日には「国防委員会第1委員長」に就任し、正式に党・国家・軍の三権を握った。
その後、正恩は軍・治安関係の人事に着手。金正日の葬式で霊柩車を囲むように行進した軍首脳は表舞台からきれいに消えた。中でも、軍の最高実力者で、金正恩を支える中心人物とみなされた李英鎬総参謀長の更迭は注目されたものだ。2012年7月のことである。
さらに北朝鮮は2013年2月12日、3回目となる地下核実験を成功裏に実施したと発表した。
こうしてみると、金正恩の権力基盤を着実に強化しているように見えるのだが、私の見方は違う。
最大の理由は中国の対応だ。中国は韓国との間に緩衝地として北朝鮮の存続を望んだ。しかし今や、韓国は大幅に中国にシフトし、対中輸出は対日輸出の3倍(2011年)だし、対米輸出の2倍になる。中国と急接近なのである。
加えて習近平国家主席は、従来の中国指導者と一線を画し、対北対応を一変させた。4月海南島の国際会議で「誰も利己的な利益のために地域や世界を混乱に陥れることを許すべきではない」と述べたのは、北朝鮮への警告とみなされている。
中国は貿易面でも北朝鮮を締め上げている。4月10日、日経新聞は「1―3月中国の対北朝鮮輸出は総額7・2億ドルで13・8%減。北朝鮮の輸出は5・9億ドル。毎月約50万トンあった石油輸出も2月はゼロ」と報じた。これは驚くべき数字だ。中国の援助がなければ、北朝鮮の生存が危うくなり、内部の権力基盤も不安定になる。
それでなくても、軍の重鎮を更迭することは副作用を伴う。自分への忠誠者を登用できる代わりに従来の重鎮の重しを利用できなくなるからだ。
李英鎬総参謀長の更迭の裏には、対外貿易における軍の利権をはがそうとする党と軍部の抗争があったと推測されているだけになおさらだ。
米国も強硬である。米韓軍事演習中に、核爆弾搭載を目的とするB52爆撃機が韓国で爆弾投下実験を行った。2013年中を目指して、先制攻撃を主体とする新たな米韓軍事戦略も作成中。ややトーンダウンしたが「PLAYBOOK」と称し、北朝鮮の出方に応じ米軍対応を厳しくする計画もある。
金正恩がミサイル発射や核実験を強行すれば、政権基盤を大きく揺るがす危機に陥る。
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