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有名なベンチャーキャピタルクライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズの共同設立者トーマス・パーキンス氏は先日、左派的な人々が、「1%」を占める富裕層への批判を繰り返していることを、1938年にドイツで起こったクリスタル・ナハト(ユダヤ人に対する襲撃暴動事件)になぞらえたことで問題になった。
正直に告白すると、筆者も「左派」の一員だ。だが、私が将来思いもかけずお金持ちになったら、どうなるだろうか。きっと、その1%の人たちに加わって、今度は貧しい人たちをクリスタル・ナハトになぞらえるようになるだろう。
どうしてわかるのかって? それは、科学的な調査の結果だ。
人は、裕福になるほど、右派的な政治家に投票するようになり、「社会福祉の拡大」や「富裕層への増税」といった、富を分配する政策に反対するようになる。これは、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのナタブドゥ・ポウドサビー教授と、ウォーリック大学のアンドリュー・オズワルド教授が、英国で宝くじに当たった数千名を対象に行った調査(PDF)の結果だ。
この調査によると、宝くじで得た金額が大きい人ほど、右派的な考え方が強くなったという。これらの人々の多くが、かつて左派的な政治家に票を投じていたにもかかわらずだ。
また、当たった金額が大きいほど、「普通の人々はすでに、社会の富から十分な分け前をもらっている」という考え方を信奉するようになるという。
グラフを見ると、英国の宝くじで500ポンド(約8万4400円)以上を手にした人々の18%近くが、当選後に、左派(または支持政党なし)から右派に転向したことがわかる。
右派的な人々の多くは、自分たちの思想は理にかなった道徳的な思考に基づくものであり、利己的で身勝手な態度などでは全くないと主張するだろう(合理的利己主義を提唱し、リバタリアニズムの代表的思想家とされるアイン・ランドの信奉者でなければ、ということだが)。
彼らは、貧しい人たちを心から心配していると言いながらも、富の再分配については、どのような種類であれ、社会の公正さを大きく損ない、建国の父やアイン・ランドの亡霊等が象徴する正義を侮辱するものだと考えている。
もちろん、右派的な人たちが全員金持ちであるわけではないし、金持ちの人がすべて右派というわけでもない。だが、宝くじ当選者に対する今回の調査が示唆しているのは、少なくとも一部の人たちについては、富裕層への税金を減らしたり貧困層への給付をカットしたりするといった右派的な政策への信奉は、「私はもう手に入れたよ、早い者勝ちだから」といった考え方から来ていると見られることだ。
「投票ブースでは、金銭的な利己主義が大きな影響を及ぼす。人々は、税率の引き下げに賛成する合理的な理由があるのだと反論するだろうが」と、オズワルド氏は「Phys.org」に対して語っている。
この調査は、右派的な傾向と、貧困層への共感の欠如が、富と権力に関連していることを示した他のさまざまな調査を追認するものだ。ただし他の調査は、人々が貧しい人たちに対する態度を変える原因が富にあるかどうかという疑問に正面から取り組んだわけではない。宝くじ当選者に対する今回の調査は、この疑問に答える初めての研究であり、「お金は本当に人を変える」ことを示唆している。
[Mark Gongloff(English) 日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ]
http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/12/uk-lottery-study_n_4771788.html?utm_hp_ref=japan-world
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一方で、貧困度が高くなるほどその一部の人たちの差別主義的・排外主義的指向が強くなり、右派に転じる傾向が高くなることも経験的に言える。
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