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■小学生の二択
小学生が休み時間にするような、こんな例え話を。あなたがもし
1・100mの高さから飛び降りろ。
2・あるいは猛毒を飲め。
と言われたらどうするだろうか。
もしかしたら大まじめにどちらかマシか考える人もいるかも知れないが、
たいていはそんな選択肢を強いられる覚えがないことに気付くはずだ。
そんな選択肢の中から解を選ぶことを絶対に拒否し、むしろそんなことを迫る相手に
何様のつもりなんだと腹を立てるだろう。
■大きな詐欺ほどバレない
では、次の例ならどうだろう。あなたの親友が不摂生な生活をして病気に罹ったとする。
そこで
1・親友にそのままの生活を続けさせれば死ぬ。
2・この“薬”を飲ませろ。
※ただしあなたはそれが猛毒だと知っている。
3・いい医者がいるから診せろ。
※ただしその医者はその病気の専門家でないどころか
不要な外科手術をして患者をよく死なせると知っている。
と言われたらどうだろうか。じつはこれ、最初の例の変形に過ぎないが、
今回はまじめに考えてしまう人も多いのではないか。違いはこうだ。
・選択肢が増えている。
選択肢が増えたことで、いかにも自由に選ぶことが出来るように錯覚し易い。
しかしいくら選択肢が増えようが、その中に正解がなければ何の意味もない。
・それぞれの選択と、その結果がやや曖昧。
親友の命が掛かっているという焦りのせいで「自分が毒だと思っているだけで、
本当に薬かも知れない」と自分に言い聞かせてしまいかねない。
また人によっては、本当にそれが毒だと知らない人もいるだろう。
・何もしないこと(現状維持)が選択肢に含まれている。
このため「回答を拒否」しても、事実上(A)を選んだのと同じことになってしまう。
これはかなり厄介だ。
■選択肢から選ぶ“自由”
さて、では都知事選挙の候補者について考えてみて欲しい。
ネット上ではさも「原発に反対だから○○候補」「いや、あの候補は
別の候補の足を引っ張っているだけだ、××候補が正しい」といった
声ばかりが目立つが、本当にそうだろうか。
実際にそれぞれの候補の政策や人脈を見ていくと、
(A)現行の、経団連寄りの政策。
→五輪を招致して都に残されたわずかな自然すら破壊しかねない。
明らかに資本家とマスコミを利する。日本の大企業は大半が国際資本が大株主である。
五輪でマスコミが潤うことは言うまでもない。
(B)福祉を民営化すればいい、という政策。
→明らかに国際資本家を利する。
これに賛成する人間は、東京で第二のボリビア水戦争を起こしたいのであろうか。
(C)福祉、労働者保護を徹底する。
→政策自体はよさそうだが、うっかり財源を考えずに散在すれば都の財政は破綻する。
そうなればいずれ(B)の選択を選ばざるを得なくなり、結局は資本家が得しかねない。
(D)軍国化。
→前々都知事と何が違うのであろうか。軍産企業の株主も、やはり国際資本家である。
となる。さらには
(A')棄権する。
→(A)の候補が勝つ可能性を上げるだけ。
(B')(C')こんな社会はおかしいと言って暴動を起こす。
→中東のようにそこに欧米が介入して、いっそう自然や生活の破壊が進むだろう。
――端的な事実として、あなたに与えられた選択肢はどれも最後は
国際資本家が得をするようになっているということだ。
自分達の“番犬”を誰にするか選ぶための選挙だから、番犬の候補は互いに
相手を非難するだろうが、我々庶民には何の意味もないのである。
強いて言えば、あなたが選挙に行った方が「投票率が高くなり、選挙の正当性が裏付けられる」
「あなたが自由と民主主義の国に生きていると錯覚してしまう」というだけだ。
余談ながら、都知事選に限らず、昨今の首長選挙の候補は間違いなく上記4種のいずれかに
当て嵌まることも指摘しておく。金持ち企業の社長が庶民寄りの福祉政策を言い出したら、
間違いなく「財政を破綻させ、インフラの民営化を余儀なくする」ことが狙いだ。
選択肢の中から答えを選ぶ“自由”など、自由でも何でもない。
■ボリビア水戦争の再来か
(B)に補足しよう。
ふしぎなことに、かつて自民の麻生太郎が水道事業に外資の参入を言い出した時、
必死に叩いていたネットのクラスタ(少し前はTPP反対を言って小沢一郎を、
最近は原発反対で山本太郎を熱狂的に指示していたのと同じ人間達)が、
今回は平気で民営化を是認する。
言っていることが矛盾しているではないか。
「まずは原発を止めることが大事」だそうだが、
これなどまさしく筆者が指摘する“二択思考の害悪”そのものである。
■共産主義が招いたオリガルヒ(新興資本家)
(C)にも補足する。
ソ連崩壊後のロシアで、民営化された社会インフラをオリガルヒと言われる
新興資本家が買い漁って台頭したことを、日本人は知らな過ぎる。
プーチンがロシアで指示されるのは、じつはこれらの社会インフラを
国営に戻したからである。
(参考・資源エネルギー庁)
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2007energyhtml/html/1-2-3-4.html
日本には未だに根強く共産主義の信奉者がいるが実験国家ソ連の招いた結末は
「帝政廃止」「新興資本家の台頭」だった。
むしろこれらは彼らが敵視しているはずの資本家を利しているではないか。
■もがくな、辺りを見回せ
残念ながら、選挙でも暴動でもこのような状況は解決しない。
我々がバブルのころに資本や政治団体に対する警戒をサボッていたツケだと言える。
しかしそうした失敗、困難な状況を認めたくないから、そこから目を背けて
「いや、○○さんについていけば大丈夫だ!」などと“人間信仰”に走ったところで
余計に状況は悪化するのである。
もし何か好転するきっかけがあるとすれば、こうした「既に選択肢のない困難な状況に
追い込まれている」という現実と、一人でも多くの人が向き合うことであろう。
底なし沼から脱出するには、いたずらにもがいてはいけない。まず自分の
抱え込んでいる荷物を全て捨てて、落ち着いて周囲を見回すことが肝心だ。
- Re: 選挙という幻想に踊らされる選挙民へ 裏の浦 2014/2/08 18:54:11
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- 騙されて底なし沼に落ちる選挙民へ 裏の浦 2014/2/08 19:08:39
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- 騙されて底なし沼に落ちる選挙民へ 裏の浦 2014/2/08 19:08:39
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