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労働者派遣法の見直しを議論する厚生労働省の労働政策審議会の部会が十七日開かれた。厚労省は昨年十二月に出した派遣期間の上限を事実上撤廃することを柱とする骨子案に沿い、より具体化した報告書案を提示。委員からはなお修正を求める意見が出たため、取りまとめは次回以降に持ち越した。同省は今月開会の通常国会に改正案を提出、来年四月の施行を目指している。
報告書案では、現行制度で一部の専門業務を除き、最長三年としている派遣期間の上限を廃止。働き手の入れ替えや労組からの意見聴取を条件に、企業は継続して派遣労働者を使い続けられる。
労働者側委員は、労働者側の反対により派遣を延長できない仕組みの導入を主張していたが、労組がない企業で意見聴取する場合に労働者代表を投票などで民主的に選出することや、労働者側が延長に反対する場合は企業は再検討して方針を説明することなどにとどまっている。
一方、派遣労働者を無期雇用する派遣会社は、これまで届け出制で開業できたが、すべて許可制とする。
一昨年の派遣法改正で原則禁止された日雇い派遣についても見直し、収入条件を緩和するなど拡大させるよう求めている。
◆正社員希望に逆行
派遣労働の問題に取り組むNPO法人「派遣労働ネットワーク」の高井晃(あきら)理事は、今回の労働者派遣法の見直しについて「完全な改悪で雇用劣化の象徴だ」と批判する。
ネットワークが一九九四年から実施する派遣労働者へのアンケートからは、この二十年間で派遣労働者の雇用環境の悪化が浮き彫りになっている。九四年に千七百四円だった時給の平均額は調査のたびに下がり、昨年は首都圏で千三百三十九円、全国では千百七十九円。年収平均は二百十三万円だ。仕事を掛け持ちする人も16%いる。
かつては正社員より派遣で働くことを望む人の割合が高かったが、十年ほど前からは正社員希望が六割、派遣は二割と逆転。低収入や休業制度を利用できないことを理由に、仕事と出産、育児や介護など生活の両立を「できると思う」人も22%にとどまる。派遣のメリットとされる「生活スタイルに合わせた自由な働き方」とは程遠い状況に置かれている人も多い。
高井さんは「仕組みを抜本的に変え、企業が労働者を安く使い続けるための見直しだ。働く人には何のメリットもない」と指摘している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014011702000245.html
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