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『人民の星』 5844号1面 2013年12月7日付
http://ww5.tiki.ne.jp/~people-hs/data/5844-1.html
安倍政府の特定秘密保護法案が衆議院を通過し、その反動性がひろく知られるようになるなかで反対運動が全国にひろがっている。秘密保護法反対運動は、米軍再編やTPPに反対する斗争ともむすびついて発展しようとしている。いずれの課題も根源は「日米安保条約」にある。人民の圧倒的多数が反対しているにもかかわらず、安倍政府はそれに挑戦するかのように法案通過に躍起になっている。アメリカにつきしたがう安倍政府の戦争政治をあきらかにし、全国的な人民運動によってうちやぶっていかなければならない。
与党の自民、公明の幹事長・国対委員長は四日午前、会合をおこない、五日の参院国家安全保障特別委員会で特定秘密保護法案を可決、六日の参院本会議で強行可決する方針を確認した。
「特定秘密」の対象となるのは、@防衛、A外交、Bスパイ活動の防止、Cテロ活動――の四分野といわれている。
特定秘密法案では、なにが「特定秘密」になるかは、大臣や長官などの「行政機関の長」がきめると規定している。しかし、実際には大半がアメリカの軍事行動や外交にかかわる情報のため、アメリカが真っ先に指定するのである。アメリカが「特定秘密」に指定した情報で、それが日本人民の利益に反するものであっても、日本の「行政機関の長」はそれをかくさなければならず、また、あきらかにしようとするものは秘密法違反で弾圧するのである。
たとえば、自民党幹事長で防衛庁長官もやったこともある石破が「単なる絶叫戦術はテロと本質においてかわらない」とのべて批判をあびた。石破がふたたび大臣になり、デモでシュプレヒコールをおこなうのはテロ行為とみなし、禁止するとしたらどうなるか。これにかかわることは「特定秘密」とされ、デモの弾圧を報じたりすれば逮捕されるということにもなりかねない。
これはけっして空想ではない。原爆投下について、絶対主義天皇制政府は広島市を通過するとき列車の窓をとじさせ、乗客である人民に被害が見えないようにした。戦後もGHQ(連合軍総司令部)の支配下で、原爆投下や空襲についてその実態を文章や写真でもって知らせることは禁止された。これを勇敢にあばいてたたかった中国地方の人人はたくさん逮捕された。特定秘密保護法は、ふたたびGHQ占領下のような状態に日本社会をおき、アメリカがたくらむ戦争に日本社会全体を動員することをねらっているのである。
しかし、日本人民のなかにはかつての戦争の体験がのこっており、若い世代に受け継がせる活動も活発になっており、あらたな戦争策動に反対する世論はおおきな力をもってきている。石破は「主義主張を実現したければ、理解者を一人でもふやし支持の輪をひろげるべきだ」と説教をたれたが、いまの自民党政府は衆議院選挙ではわずか一八%程度の支持しか得ておらず、その後の地方選では自民党が支持した候補が連戦連敗をしている。世論の大勢が秘密法に反対でも、それを聞く耳をもたないから、人人はデモをおこない、力をもってたちあがっているのである。
アメリカ帝国主義は中国の広大な市場をわがものにしようという野望をますます強めている。しかし、アメリカはかつてのような力をうしなってきており、他方で中国の経済力、軍事力は大きくなっている。こうした状況のなかで、アメリカは「アジア太平洋重視戦略」をうちだして、日本を動員し、アジア太平洋の諸国を糾合して、中国包囲網を形成しようとしている。
そのために日本には戦争ができる体制をつくるために、日本版NSC(国家安全保障会議)を設置し、戦争にかかわる機密情報をあつかうための特定秘密保護法を制定して戦争統制体制をつくるとともに、米軍辺野古新基地建設、米軍岩国基地への艦載機部隊の移転、オスプレイの配備といった軍事的な強化をすすめ、また経済的にはTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)をむすんで中国にたいするアメリカの包囲網を強めようとしている。日本の売国独占ブルジョアジーは、アメリカのこの戦略にしたがうことで利益のおこぼれにあずかろうとしている。
安倍は、このアメリカの野望の片棒をかつぐために登場したのである。特定秘密保護法をはじめ、米軍再編、TPPに反対する全国的な共同斗争を発展させ、日本の独立、平和、繁栄をたたかいとろう。
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