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【ワシントン】米政府当局者は26日、米戦略爆撃機「B52」2機が中国当局に事前通報しないまま、東シナ海の尖閣諸島周辺上空を飛行したと発表した。中国は最近、同上空に防空識別圏(ADIZ)を設定したと発表しており、米軍機による飛行は中国に対する直接的な挑戦ないし異議申し立てを意味する。
米当局者によれば、2機のB52はグアムの空軍基地から飛び立ち、ワシントン時間の25日午後7時(日本時間26日午前9時)ごろ中国が新たに設定した防空識別圏内に入った。
中国政府は先週末、尖閣諸島周辺の上空に防空識別圏を設定すると発表していた。日本が管理している尖閣諸島は中国では釣魚島と呼ばれ、同諸島の領有権をめぐる日中間の意見対立で緊張が高まっている。
米国防当局者はこれより先、米国は中国の新たな防空識別圏に挑戦すると約束するとともに、中国が要求している飛行計画や無線周波数、無線中継機情報の提出に従わない方針を明らかにしていた。
グアム島のアンダーセン空軍基地に所属しているB52の飛行は、以前から計画されていた演習「コーラル・ライトニング」の一環だった。B52は爆弾など兵器を装備しておらず、護衛機も同行していなかった。
しかし、この通常の訓練飛行は、中国が先週、防空識別圏設定を発表したことで重要な意味を帯び、この水域に対する影響力強化を狙う中国の試みに対抗する動きになる。中国は、指示に従わない航空機は軍事的な対応の対象になり得ると警告している。
新しい識別圏の設定が中国の新指導者、習近平国家主席の承認を得たものであるのは確実だ。同主席が昨年11月に共産党のトップ(総書記)に就任した際、軍トップ(党中央軍事委員会主席)にも就任している点をアナリストたちは指摘している。
アナリストたちは、この識別圏設定の動きについて、東シナ海の現状を徐々に変化させようとする長期的な戦略の一環で、日本が尖閣諸島の領有権主張を押し通すのはますますコストがかかるようにすることを狙っているとみている。
しかし、今回の識別圏設定の結果、日本や米国だけでなく、韓国や台湾、さらには南シナ海で中国と領有権問題を抱えるその他の幾つかの国をも怒らせたわけで、中国はやり過ぎたと見るアナリストもいる。韓国と台湾は、中国のそれと重複する防空識別圏を設定している。
米当局者は、B52が尖閣諸島水域上空を飛行した際、中国は何ら連絡ないし接触してこなかったと述べた。B52は演習後、グアム島に無事帰還した。
中国の外務省と国防省に電話したが、応答はなかった。
米当局者は、米国としては中国の防空識別圏設定を適切と見なしていないため、同識別圏に挑戦せざるを得なかったと述べた。しかし、尖閣諸島付近上空を米機が飛行しても軍事的な衝突につながるとは思わないとも述べた。
ホワイトハウスは、中国と日本の領有権紛争は外交的に解決すべきだとしている。オバマ大統領に随行してカリフォルニア州にいるホワイトハウスのアーネスト副報道官は「中国が先週末に発表した防空識別圏設定方針は、いたずらに挑発的だ」と述べた。
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