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【ローマ福島良典、ロンドン小倉孝保】欧州に暮らす少数民族ロマの子供が金髪であることを理由にギリシャとアイルランドで当局に「保護」されるケースが相次ぎ、物議を醸している。ギリシャで両親と名乗っていたロマの男女は未成年者誘拐罪で起訴されたが、ブルガリアのロマ夫妻が出稼ぎ中に乳飲み子を男女に渡していたことが判明。アイルランドのケースでは実子と分かった。いずれもロマの主張が正しかった形で、ロマ団体や国際組織から「欧州社会に残るロマ差別」を指弾する声が出ている。
ギリシャ中部ファルサラのロマ居住地で今月16日、薬物・銃器を捜索していた当局が金髪で白い肌、青い目の女児マリアちゃん(4)を見つけたのが発端。ロマには黒髪、浅黒い肌、茶色の目の人が多い。当初、実子と偽っていたロマの男女は「ブルガリアの女性が子供の面倒を見られないというので、養子にもらった」と主張したが、逮捕・起訴された。
だが、テレビでマリアちゃんの映像を見たブルガリア中部のロマの女性が「自分の子供ではないか」と思い当たり、DNA鑑定で実の親子と確認された。女性は10人の子持ち。ギリシャ中部でオリーブの収穫作業員をしていた4年前、女児を出産したが、養えないために渡したと話している。当局は女児を売った疑いで調べているが、女性は金銭の授受を否定している。
マリアちゃん発見から5日後の21日、アイルランドの警察が住民からの通報で首都ダブリンに住むロマ夫婦の長女(7)と長男(2)を保護した。2児は金髪で目が青く、警察が「他人の子ではないか」と疑った。
しかし、DNA鑑定の結果、いずれも夫婦の実子と分かり、警察は23日、2児を夫婦の元に帰した。政府は「児童福祉の観点から警察が取った緊急措置だった」と説明したが、夫婦の弁護士は「受け入れがたい」と批判、ロマ人権団体は「人種差別」として独立調査を要求している。
また、非政府組織(NGO)「欧州ロマ人権センター」によると、セルビアで19日、スキンヘッドのグループが「肌が浅黒くない」との理由でロマの男児(2)を両親の元から連れ去ろうとする事件が発生した。マリアちゃんの報道に反応した行動とみられる。同センター代表は英BBC(電子版)に「白い肌で青い目のロマもいるのだ」と話している。
AP通信によると、欧州やロシアなど47カ国でつくる地域人権組織・欧州評議会の人権担当委員は「ギリシャやアイルランドのロマの家族で見つかった子供のケースで、少数民族に対する否定的な報道姿勢が浮き彫りになった」と指摘。「誘拐者と決め付ける無責任な報道はロマを危険にさらし、反ロマ運動の火に油を注ぎかねない」と警鐘を鳴らした。
一方、マリアちゃん「発見」が大々的に報じられた背景には、欧州で多発する児童行方不明事件と、世論の強い関心もある。
子供が行方不明になっている家族には「自分たちの子供もロマ家族の元で生きている可能性がある」との根強い期待感があるのが現実だ。
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■ことば
◇ロマ
インドをルーツとする民族で、13世紀末以降、欧州に渡ったとされる。かつては「ジプシー」と呼ばれたが、差別的との理由で近年は「ロマ」の呼称が使用される。欧州評議会によると、欧州に暮らすロマは推定計1000万〜1200万人。長年、差別や迫害の対象となってきたことから、地元社会との接触が少ない居住地(キャンプ)に暮らしているケースが多い。
http://mainichi.jp/select/news/20131027k0000e030116000c.html
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