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米国の批判をことさらに隠そうとする安倍政権とメディア
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★「天木直人氏の視点ー(2014/01/05)」★ :本音言いまっせー
今朝1月5日のTBS(6時45分)がヘーゲル米国防長官と小野寺防衛大臣の電話会談を報じた。
今年に入ってはじめて報道される閣僚級の日米電話外交だ。
もちろん私の関心は、安倍首相の靖国参拝についてどのようなやり取りが交わされたかにある。
ところが真っ先に流されたのは普天間基地の辺野古移転に関し沖縄の負担軽減で日米が一致したということだ。
そして付け足したように靖国参拝について報じた。
すなわち小野寺防衛相から、安倍首相の真意はあくまでも不戦の誓いであって近隣諸国との関係悪化は望まないということだ、
と説明して理解を求めたという。
これに対してヘーゲル長官はコメントしなかったという。
最後にTBSのニュースは、この電話会談はヘーゲル長官のほうからかけてきたものであると付け足した。
どう考えても不自然だ。
なぜ米国のほうから沖縄負担軽減の話のために電話をかけてくる必要があるのか。
しかも靖国参拝の問題について小野寺防衛大臣が安倍首相の真意を説明したのに対し、ヘーゲル長官はコメントしなかったという。
ありえない話だ。
米国の立場を一言も伝えないなどということはありえない事だ。
そしてもし本当にコメントしなかったなら、
それは、「まだそんな馬鹿なことを言っているのか」というあからさまな不快感の表明ではないのか。
どう考えてもこのTBSのニュースは疑問だらけだ。
そう思っていたら、その直後に流れたNHKの朝7時のニュースでもこの電話会談を取り上げていた。
沖縄の負担軽減で一致したという事を最初に流したのはTBSと同じだ。
沖縄問題が目的と言わんばかりにTBSよりも詳しく報じた。
そして靖国参拝についてつけたしたが、ヘーゲル国防長官は日本の説明に感謝したと報じた。
コメントしなかったと報じたTBSと、感謝したと報じたNHKとの間でなぜ違いが生じるのか。
それはこういうことだ。
NHKもまたヘーゲル長官が靖国問題について米国の考えを述べたとは一言も報じていない。
つまりヘーゲル国務長官は米国の立場について何も言わなかったのだ。
その意味でコメントしなかったというTBSの報道が正しい。
しかし、それではあまりにも雰囲気が悪いということになるので、
「説明に感謝した」という事を防衛省が付け加えてブリーフしたのだ。
あるいは防衛省がそうブリーフしなくても、いまでは最も政府寄りになってしまった感のあるNHKが、
その後防衛官僚と示し合わせてそういうことにしたのだ。
それにしても、TBSにせよNHKにせよ、私はその報道に根本的な疑問を抱いている。
ヘーゲルから電話がかかってきたなら、ヘーゲルが靖国参拝について安倍政権に注文をつけなかったなどということがあるだろうか。
安倍首相に対し中国や韓国との関係改善について早急に動けと命令してきたのではないか。
それでは安倍首相を窮地に追い込むことになるから防衛省がひた隠し、メディアが何の追及もせず、
政府の思惑に加担して国民をだます報道をしたのではないか。
これは私が今度の靖国問題をめぐる安倍政権とメディアに対して抱く大いなる疑惑の一例である。
安倍首相の靖国参拝に対して米国が「失望」を表明して以来、安倍政権もメディアも、その後の米国の反応について、
その報道があまりにも抑制的だ。
あたかも政府とメディアが結託して沈静化に奔走しているかのようだ。
しかしごまかしは必ずばれる。
そしてその反動は倍になって跳ね返ってくる。
◇
米国の批判をことさらに隠そうとする安倍政権とメディア(続)
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★「天木直人氏の視点ー(2014/01/05)」★ :本音言いまっせー
驚いた。私の推測が的中した。
正午のNHKのニュースで小野寺・ヘーゲル会談の内容を次のように報じた。
ヘーゲル米国防長官は日本政府の行動に注文をつけたと。
今朝の報道には一切触れられていなかったあらたなニュースだ。
やはりへーゲル長官は日本に釘をさしていたのだ。
電話会談は一つであるのになぜ報道がここまで違うのか。
それは防衛省が本当のことを国民に知らせなかったからだ。
しかし米国防総省が米国で発表した。
だからNHKもそれを報道しなければならなくなったということだ。
メディアは日本政府からだまされていたのだ。
間違った情報を国民に報道させられたのだ。
防衛省に、そして安倍政権に、メディアは抗議しなければいけない。
もし沈黙を守るようであれば日本のメディアは死んだということである。
やはりごまかしは倍返しになって跳ね返ってきたのである。
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