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●先の大戦の戦勝国にとって、安倍靖国参拝はサンフランシスコ体制への挑戦と映る。
●中国の拡張意思が明白な中、日米の紐帯を弱める行為は外交戦略の定石から見ると下策であり時期尚早だ。
●しかしながら、踏み出した以上、これを機に来るべき東京裁判史観の修正に向け準備を加速すべきだ。
◆参拝の波紋◆
昨年末26日に安倍首相が、予てから公約していた靖国神社参拝を行った。
これに対し、中韓両国は予想通り非難声明を出し、主要各国からは懸念が表明され、特に駐日米国大使館、続いて米国務省は「失望した」との異例の表現で批判した。
首相は靖国参拝について、「国の為に戦った戦没者に国のリーダーが個人として哀悼の意を表明する行為は他国から何ら非難されるべきではない」との立場だ。
一方、日本を非難する各国には、A級戦犯が合祀されている靖国を国のリーダーが参拝する事は、戦後の国際社会を形成するサンフランシスコ講和体制への挑戦と映っている。
このギャップを埋める事は困難だ。
筆者は予てから靖国参拝問題について、第一段階としてA級戦犯を分祀した上での天皇及び首相の参拝可能化を図る、第二段階として中国の拡張意思が明白な中、米国を筆頭とした各国との紐帯を強め中国を牽制し何らかの形で中国の牙を抜く、第三段階として国際社会に向け東京裁判(極東軍事裁判)史観の修正を図った上で「A級戦犯」を再合祀し、進んではサンフランシスコ体制の見直しを図るべきと考えていた。
この成就には最低10年は掛り、それまでは中国と各国に楔を打ち込み離反させるようにこそすれ、共同させる事は外交上の下策と考えてきた。
だが、今回安倍首相は参拝に踏み切った。
今後安倍首相が採る選択肢は、(1)参拝を自粛する、(2)A級戦犯分祀または新たな追悼施設の建設を表明し参拝する、(3)国際世論に左右されず参拝を継続する、(4)国際社会に向け東京裁判史観の修正を発信しつつ参拝を継続する、の4つ若しくはこれ等の混合型だ。
恐らく、現実に安倍首相が採る選択肢は、就任以来の行動パターンから察するに(1)か(2)となるだろう。
(3)、(4)は、中国の牙を抜くべく他国と強調して囲い込みを図る中では、ほぼ不可能だろう。
◆大東亜戦争は聖戦か◆
しかし、国際社会に向けての東京裁判史観の修正については、今から準備をすべきだ。
これ等については、瀬島隆三著「大東亜戦争の真実」等で多くが語られてきた。
だが、そこで語られている「大東亜戦争は、祖国防衛戦争であると共に欧米による支配からのアジア解放の聖戦であった」とのコンセプトを国際社会に認めさせるには、次の事項についての一層の体系化、理論化、洗練化が必要である。
●欧米による「日本植民地化」の蓋然性の証左
●欧米による植民地統治より、日本による統治が人道的であった理由とその証左
●日本による統治は、自治独立への過渡的形態と位置付けられていた事の証左
●戦闘による現地人及び欧米人死傷者数が、上記「善政」を是とするに足る範囲に留まったと主張するに足る理論構築
●戦闘や統治の過程で残念ながら起きた暴力や性暴力が、発生数や状況に於いて「事故」の範囲に収まる事の証左
近年、中韓を除くアジア諸国で、戦前戦中の日本について肯定的な意見が発せられている。
これは、中国の拡張主義への恐怖への反作用、世界的な左翼の退潮が影響している事は間違いない。
しかし、歴史の性質として、流血の記憶は世代交代と共に薄れ、替って大きな歴史的流れに対する認識が浮上する事にも起因する。
例えば織田信長は、当時比叡山、石山本願寺焼き討ち等により天魔(現代で言う悪魔)と呼ばれていたが、現在では中世を打ち破った日本史最大の革命児として尊敬を集めている。
筆者は、浅学にして未だ大東亜戦争を聖戦であるか否かを断ずるに躊躇がある。
欧米によるアジア植民地支配に対して、日本によるアジア支配の企てが起こり、鬩ぎ合いの結果の日本の敗北、アジアの解放という、正、反、止揚して合を為すとするヘーゲル哲学に於ける絶対精神、理性の狡知に操られた弁証法的展開ではなかったかとの感もある。
しかし、何れにせよ大東亜戦争を終末とする一連の戦争について、東京裁判史観から脱し、総括して国際社会に向け発信する事は、中国の牙を抜いた後に遅かれ早かれやらねばならぬ事だ。
今回の安倍靖国参拝が、その契機となるなら意味ある事となる。
●ご意見を参考に、以下にて随時推敲更新予定●
http://blog.livedoor.jp/ksato123/
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