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日本社会を疲れさせたのは誰か?
http://ameblo.jp/usinawaretatoki/entry-11742185906.html
2014-01-03 11:26:33NEW ! simatyan2のブログ
直木賞作家の石田衣良氏がNEWSポストセブンの年始恒例企画で、
「文化が寡占化する日本」
と題して今の日本を鋭く分析しています。
「今の日本で嫌なのは文化的に寡占傾向が進んだということです。
小説の世界でもアイドル、ドラマでも同じだと思います。
誰かが何かを「面白い」と言えば、すぐ行列が出来ちゃう。
行列の先になにがあるかわからないけれどとにかく並んでおくか、
という貧しい時代のソ連のようですね。
http://livedoor.blogimg.jp/zetusoku/imgs/a/2/a2e6ce55.jpg
たとえば僕がいる小説の世界で言うと、フロー(新刊)は売れても
ストック(古典)が全く売れないんです。
いま生きている作家でも死んだら途端に売れなくなります。
あまり表に出てないですが、 リーマンショック以降、作家の3分の1
は厳しい状況ですよ。
でも出版界全体の売り上げはピーク時の3分の1が落ちたところ。
音楽CDのように半減していませんから、これからもっと落ちる
かもしれない。
原因みたいなのが二つあって、まず読者全体が「右ぶれ」している
な、という感想があります。
去年、僕が選考委員している小説賞の最終候補のうち5編のうち
2編が戦争末期のテーマだったんですよ。
敵の女スパイを拷問してみたいな描写があって、みんなどう
しちゃったんだろうと思いました。
僕は「右傾エンターテイメント」と呼んでいます。
書く側からしても右傾エンターテイメントって、日本人の「古層」
に響くところがあるんですよ。
実は僕いま、ネットで軍国小説を連載しているんです。
架空の近未来の軍国主義の日本が舞台で、 主人公はそこの士官
学校通っている。
中途半端にセンチメンタルにおじいさんが国のために死んだという話
を書くぐらいなら、 徹底的に他の国を侵略して占領地にしてくらし
ていくしかない若い戦闘員たちの話を書いてみようと、極端に振れて
みました。
右傾エンターテイメントの世界に飛び込んでその禍々しさを書いて
みると、「忠義を尽くす」とか戦闘シーンだとか、日本人てこういう
の好きだよなとわかるんです。
(中略)
文化的に寡占が進む二つ目の理由が、若い人が本当に
疲れていることです。
この間、若い人と話をしたんですが、 彼がいうには毎日契約社員と
かバイトしていると夜中に帰ってきて崩れるように寝るだけで、
テレビとか映画をみる余裕がない。
そういうなかで、もし見るとするなら癒やし効果があるもの。
たとえば若い人に人気がある「ライトノベル」で多いパターンは、
主人公は取り柄もないけれど女の子に続けて惚れられる。
敵には無敵に勝つ。そんなのが今わりと売れています。
ドラマの「半沢直樹」にしても、ある意味で「水戸黄門」なんですよ。
リアルがあまりにも辛いので、本当に痛みを描いたドラマとかダメ
なんですよ。
それぐらいみんな疲れているんですね。
その根っことヘイトスピーチと右傾エンターテイメントが
つながっているんですよ。
みんな生活の疲れが来ちゃっているんだなあという気がしますね。
自分たちがこれだけ苦しいから、在日がもっと苦しめ、
生活保護は許せん。
グローバリズムは本当に辛いなあ。
そう言ってても仕方ないんで、日本は安全な社会という点では
素晴らしいし、みんな無理してでもおもてなしで頑張るし、
いいところはいっぱいある。
来年も今年と変わらず、陽の当たるところと当たらないところの
差がはっきりついていくだけの話です。
その中である種の人々は浮かれているけれど、生活の苦しさも
増していく。
生きて行くには、難しいけれど自分のなかの戦う武器を作って、
この社会全体のシステムをうまく利用する人間になるしかないと
思う。
社会の坂道がどんどん急になっていく。
全員が豊かになる社会はもうこない。その坂道に爪を立てていける
か、 どうしがみつけるか這い上がっていか考えるしかない。
もうこれが王道だという生き方はないんですよ。
自分ができる範囲で頑張り、世界の潮流を捉まえて高く飛ぶこと
を考えるしかない。(談)
http://www.news-postseven.com/archives/20140103_234266.html
まさに現代日本の問題点が凝縮されていますね。
以前からこのブログでも再三書いている問題点、つまり日本人が
あまりに疲れすぎている、ということなんですね。
疲れていることすら意識できないほど疲れているのです。
これにブラック企業が一役買っているのは間違いありません。
肉体的に疲れ、精神的に疲れ、全体のバランスが崩れ、余裕が
なくなり、しかし攻撃本能だけは残っているものだから弱者を叩く。
学校、職場、家庭、サークル、ネットのバーチャル世界に至るまで
この構図は変わりませんね。
過去記事の、
「山口集落殺人に見る排他的村社会が日本全体を蝕んでいる」
http://ameblo.jp/usinawaretatoki/entry-11581501848.html
の世界が当たり前になりつつあるのです。
攻撃は強者にではなく弱者に、しかも1人の責任を曖昧にするべく、
群れを成して叩くのです。
そして自分が強いものには媚びへつらい、弱者を攻撃していることを
隠すために大義名分として利用されるのが「滅びの美学」です。
石田さんが書いている「忠義を尽くす」ために命を掛けることへの
憧れですね。
忠臣蔵然り、新撰組然り、特攻隊然り、戦艦大和然り、
それは国である場合もあれば、企業の場合もあり、時と場合によって
変わりますが、要するに組織のためです。
これは紛れも無く全体主義です。
そして今、政府マスコミ連合は日本人気質を利用して、国民を
全体主義から更に危険な軍国主義に向かわせようとしています。
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