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甲午の年は乱世の始まり
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★「田中良紹氏の視点ー(2014/01/01)」★ :本音言いまっせー
あけましておめでとうございます。本日の東京は春のように暖かく、のどかな正月日和でありましたが、フーテンはお天気とは裏腹にこの正月を「乱世の始まり」と考えている。
干支を古人の解説で読み解けば「甲」は物事の始まりを意味し、前の十年に通用していたものが通用しなくなる事を表す。そして「午」には激しく動いて抵抗する意味がある。それが組み合わされれば、何が起きてもおかしくない不透明な時代が始まるという意味になる。
異次元の金融緩和によって海外投資家を日本市場に招き入れる事に成功したアベノミクスは、いよいよこれからが正念場を迎える。三本の矢によって日本経済を復活させると大見得を切った安倍総理だが、当初から三本目の矢である成長戦略が実現できるかどうかに注目が集まっていた。そこで安倍総理は臨時国会を「成長戦略実行国会にする」と国民に約束した。
ところが臨時国会ではその約束をひっこめ、日本版NSCと特定秘密保護法を成立させることに専念した。安倍「らしさ」を優先させたと解説されているが、フーテンは二つの理由から方針転換を図ったとみている。
一つは成長戦略を国会審議の俎上に乗せれば、その内容が審らかになるにつれ失望が市場に広がり、期待値だけで維持してきた株価に影響が出かねなかった事。つまり市場を満足させる成長戦略がまだ出来ていないのである。もう一つはアメリカから強く迫られていた日本版NSCを実現するタイミングは、経済に対する期待値が維持されているうちしかなく、ボロが出ないうちに急いでやったのである。
つまりアベノミクスの成功を、本人は願望はしているが本気で実現させる手を打っている訳ではない事になる。異次元の金融緩和はアメリカの真似をした「チャレンジ」と受け止められ、当初からアメリカは好意的な見方をしてきたが、しかし本音で言うとうまくいくかどうかは誰にも分からない。ローレンス・サマーズ元財務長官が「3年待つしか分かりようがない」と言っている通りなのである。
しかも4月からは消費増税が実施され家計の負担が確実に増える。鼻先にアベノミクスというニンジンをぶら下げられ、食べたい一心で走らされてきた国民からニンジンは遠のいていくのである。国民は期待と現実のギャップを初めて実感する事になる。国民の期待感が薄れればアベノミクスの効果も薄れていく。
小泉元総理が「原発ゼロ」を主張するのも、アベノミクスが成功するとは考えていないからだとフーテンは書いた。アベノミクスにとって原発再稼働は欠かせない必要条件である。しかし「政治的勘」に優れた小泉元総理からすればあまりにも政治的リスクが大きい。うまくいくかどうかわからないアベノミクスのために明確に政治的リスクのある再稼働に踏み込むことは政治家として愚かだと小泉氏は考えているのである。
年末に安倍総理は靖国参拝を行った。これもフーテンには政権運営に余裕があるから行ったようには見えない。年を越せば何が起こるか分からない、あのタイミングしかないと判断したのだと思う。余裕ありげなパフォーマンスをしている時は、余裕がない事を示していると国民は受け止めなければならない。
靖国参拝は世界中に波紋を巻き起こしたが、最も注目すべきはアメリカの反応である。アメリカは日本の軍国主義を復活させない事を目的に日本人の戦争犯罪を東京裁判で一方的に裁いた。しかし冷戦が始まるとその戦争犯罪人を秘かに復活させ、自国の国益のために利用してきた。二枚舌の国家とも言えるが、アメリカの国益追求という点では一貫している。それこそが外交でどちらもアメリカなのである。
アメリカ国務省は安倍総理の靖国参拝に「失望」を表明し、その理由として「アジアに緊張をもたらすからだ」とした。自分たちの意見ではなく、中国や韓国が反発する事をやったから「失望」したと言うのである。するとそれを真に受け「日米同盟」は揺るがないと主張する人間もいるが、それはあまりにもアメリカを知らない。
アメリカはアジア外交に日本を利用できるうちは利用しようと考えている。だからあのような表現をするが、本音を言えばアメリカが裁いた戦争犯罪人を祀っている神社に日本の総理が参拝する事を喜ぶ筈はない。日本に利用価値がなくなれば本音を出してくる筈である。アメリカは今、安倍政権の足元を見ている。これで安倍政権は更なる「従属化」を求められる事になるとフーテンは考えている。
年の初めの風景と年の終わりの風景とが全く様変わりする事が政治の世界ではよくある。年の初めに余裕たっぷりに自分の長期政権を占い、継総理の人選を次の次まで考えていた総理が、その年の暮にはボロボロになっていた例を間近で見た事がある。安倍総理にそれほどの余裕があるとは思えないが、政治手腕があるとすれば初めてその真価が問われるのが今年という事になる。
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