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いま日本に問われるのは自衛隊の正しい統率である
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★「天木直人氏の視点ー(2014/01/01)」★ :本音言いまっせー
昨年のメルマガ最終号で私は書いた。
シビリアンコントロールに甘い事が、日本にとって今後大きな問題として浮上してくるだろうと。
奇しくもその言葉通り、文民統制が必要な好例を今朝(元旦)の毎日新聞に見つけた。
大晦日や元旦の各紙はこぞってスクープを争うのが常である。
それまであたためていた特ダネをここぞとばかり、年末年始のニュースのない時期にぶつけ、他社との優位性を誇示しようとするからだ。
今度の年末年始にはそれがなかった。
そう思っていたら今朝の毎日新聞が一面トップで大スクープを掲載した。
それはあの中国の防空識別圏設置について、すでに3年前に中国人民解放軍の幹部が日本の防衛省職員に伝えていたという記事だ。
すなわち2010年5月に北京で開かれた「日中安全保障研究会議」という非公式会合で、
中国海軍の准将が中国が防空識別圏を設置した事を明らかにしたうえで、
「日本の防空識別圏の境界線は中国側に非常に近い。
日中の防空識別圏が重なり合うのは約100カイリ(約185キロ)くらいあるだろうか」と述べ、不測の事態に備えたルール作りを提案していたというのだ。
毎日新聞が入手した機密の会合発言録で分かったという。
私が驚いたのはその時の日本側の対応だ。
中国の防空識別圏に尖閣諸島が含まれていれば、「尖閣に領土問題は存在しない」という日本政府の公式な立場を崩しかねない。
このため、日本側の出席者である防衛省職員は「中国は国際的に防空識別圏を公表していないので、どこが重複しているかわからない。
公表していないものについて、どう扱うのかコメントできない」とはねつけたというのだ。
おどろくべきやり取りがあったのだ。
もしこのやり取りが正しく日本政府に伝わり、それを知った日本政府の政治家や官僚がそのやり取りの深刻性を正しく判断し、政治的、外交的に適切に対応していたなら、今回の防空識別圏問題は起こらなかったに違いない。
その毎日新聞の記事はまた、別の機会における中国軍と自衛隊制服組とのやり取りを次のように書いている。
すなわち昨年(2013年)6月、北京市内のホテルで自衛隊将官OBでつくる「中国政経懇談会」と中国の現役人民解放軍の幹部の会合が
あったという。
この会合は1977年にケ小平副首相(当時)と自衛隊の元陸将らが始めた会合で、現在まで30年以上も続いている会合であるという。
その会合で、「防空識別圏は日本の国家主権を主張するものではない。
中国空軍にも同様のものがあると承知している」と自衛隊元将官が指摘したのに対し、「日本の境界線が公海上なら問題がないが、中国の海域、つまり排他的経済水域に設定されている。非合法ではないか」と中国軍少将は反論したという。
熱を帯びた議論は、中国軍と自衛隊が、尖閣周辺での偶発的な衝突を避けるための「海上連絡メカニズム」をつくる必要性があるという議論にまで及んだと言う。
この二つの例が教えてくれるものは何か。
それは日本で文民統制がしっかりと出来ていれば防空識別圏問題は起こらなかったということだ。
文民統制とは何も軍人の暴走を抑えるという事だけではない。
軍人たちの言動を掌握し、それを正しく政治的、外交的に活用し、有事に至る事態を避けるということである。
すなわち政治・外交の軍事に対する優位性である。
日本の場合は自衛隊制服組が独走しているのではない。
政治家と官僚(文民)の無能、怠慢によって、自衛隊の正しい統率が出来ていない事が問題なのだ。
いたずらに制服組を遠ざけたり、その逆に制服組を甘やかして危険な方向に追いやる。
それが日本の文民統制の問題ではないのか。
安倍政権に問われるのは、まさしく正しい文民統制なのである。
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<中国>防空圏3年前提示 日本コメント拒否 非公式会合 (毎日新聞)
http://www.asyura2.com/13/warb12/msg/296.html
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