【 安倍首相の靖国参拝は、無用の紛争を挑発する危険な行為 】ワシントンポスト社説
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2013年12月30日 　星の金貨プロジェク

日中の衝突、日韓関係の冷え込みは、安倍首相が進めようとする憲法改正、そして軍備強化のための格好の口実

中韓両国の反感を買うだけでなく、アジア地区で日本を孤立させてしまい、アメリカをも遠ざける安倍首相

論説委員会 / ワシントンポスト　12月28日

2013年11月中国は東シナ海において、日本と韓国に一部重なる形で一方的に防空識別圏を宣言しました。
これに対しアメリカ合衆国は、中国政府に通告する事無くB-52戦略爆撃機２機にこの防空識別圏内を飛行させ、一方的な力の行使は認められないという無言の威圧を行いました。

そしてこの問題はアメリカと日本の間の、安全保障協力関係の強化を促すはずでした。
そして場合によっては、日本政府と韓国政府の関係改善にまでその影響が及ぶ可能性もありました。

12月末、日本の安倍晋三首相は日米の軍事同盟を強化するためには避けて通れない、長年の懸案となっていた駐留アメリカ軍の新しい基地の建設に向け、沖縄県において必要とされた措置をとりました。

しかしその一方、安倍首相はただでさえ日米に対し好戦的ともいえる態度を隠さない中国に対し、無用の挑発を行いました。
小泉氏以来、７年ぶりに東京にある靖国神社に参拝し、今後のアジア情勢をより混沌とさせてしまったのです。
靖国神社には一般戦没者だけではなく、第二次世界大戦後の裁判で戦争犯罪人とされた戦時指導者も合祀されています。

この行為は国際社会における安倍首相の評価をいっそう悪いものにし、日本の安全保障すら脅かす結果となりました。

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靖国神社は戦争犯罪人だけではなく、戦争の犠牲者である数百万人の日本人を慰霊するための施設です。
アメリカ大統領が国際社会からの非難を避けるため、国立アーリントン墓地に墓参する事を取りやめる事は考えられません。
しかし戦後日本の歴代の指導者は、第二次世界大戦中の日本の侵略行為、そして植民地化した各国から女性を挑発し、『従軍慰安婦』として性的奴隷として使役した戦争犯罪について、綿密な調査はもちろん、事実を明らかにすることもしませんでした。
こうした態度に対する中国や韓国、さらには他の侵略された国々の反感が、戦争犯罪人とされた戦時指導者をも合祀する靖国神社に向けられる事になったのです。

国際社会において安倍首相は特に、歴史を歪曲する修正主義者として悪名高い存在です。

そして常に軍備強化を指向し、軍備について厳しい制約を課す現在の平和憲法を改定する事を最終目標としている事についても、各国は警戒しています。

中国と北朝鮮の軍事的脅威を口実に、安倍首相は日本の軍備拡張と憲法改定の地ならしを進め、アメリカとの軍事同盟強化のための道筋を探り続けてきました。

しかし靖国参拝に象徴されるように、戦前の帝国主義国家・大日本帝国への個人的ノスタルジーを直接政治の場に持ち込む事をすれば、安倍氏が首相である事の大義は徐々に失われていく事になります。

事前に予想はしていたはずですが、靖国参拝は中国と韓国から激烈な反発を引き出しました。
しかし安倍首相の行為は、両国のナショナリストを利するだけに終わりました。
中国が一方的に防空識別圏を設定した事に正当性を与え、韓国のパク・キョンヒ大統領が日本との首脳会談を拒否し、日韓の関係改善のため何も行わない事についても支持が強まると見られます。

もう一方の側ではアメリカのオバマ政権は、沖縄の米軍基地問題の進展を喜んだ直後に、安倍首相の行為を厳しく批判する公式声明を発する必要性を認識させられる事になりました。
声明はアメリカ大使館から発せられた後、国務省声明に引き上げられました。

「日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに、米国政府は失望している。」

日本国内には、中国と韓国との間には一定の緊張関係を維持する事の方が安倍首相にとっては有利だとの見方があります。
安倍首相が進めようとする憲法改正、そして軍備強化のための格好の口実となるからです。

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しかし安倍首相のやり方は中国・韓国の反感を買うだけでなく、アジア地区で日本を孤立させてしまいます。
そして日米の同盟関係の強化も難しいものになります。

安倍首相の政策は外交的に、日本にどのようなメリットももたらす事は出来ないのです。

http://www.washingtonpost.com/opinions/japanese-prime-ministers-visit-to-war-memorial-was-provocative-act/2013/12/27/622bfe48-6f18-11e3-aecc-85cb037b7236_story.html

コメント
01. 無段活用 2013年12月30日 00:50:18 : 2iUYbJALJ4TtU : ddGVSlWexS 日本がアジアで孤立することを米国は怖れている。なぜなら、米国は自国プラス アジアの同盟国でタッグを組んで、チームとして中国と向き合うことをイメージし ているから。 日本がおかしなことをすると、チームの和が乱れる。 個人的には戦前・戦中の歴史認識に一言言いたいような気はするけど、これが 米国の常識的な意見なんだろうなと思う。
02. 2013年12月30日 01:57:07 : c7dkvolkv6 01 ↑ いつまで冷戦時代の頭でいるのか。
03. 無段活用 2013年12月30日 02:22:39 : 2iUYbJALJ4TtU : ddGVSlWexS >>02 そう思うでしょう。でも、これを読むとそういう流れが見えるんだよね。 11月にライス補佐官がジョージタウン大学で行ったスピーチです。 http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2013/11/21/remarks-prepared-delivery-national-security-advisor-susan-e-rice 英語ができるなら、是非読んでみていただきたいスピーチ原稿です。
04. 2013年12月30日 04:09:22 : SrmPqLSMME ＞こうした態度に対する中国や韓国、さらには他の侵略された国々の反感が、戦争犯罪人とされた戦時指導者をも合祀する靖国神社に向けられる事になったのです -------- なに その、他の侵略された国々って？ 確かに侵略されたのは間違いない、が、侵略したのは、イギリス、オランダ、 フランス、アメリカでねぇの？　 ベトナム、インドネシア、マレーシア、カンボジア、・・・・・ このスレ主は、欧米植民地勢力の立場に立って、日本が侵略したぁ〜って 不平を鳴らしておる。
05. 2013年12月30日 06:55:52 : NjWH7NSIno これで今後は安倍に限らず 首相の靖国参拝は難しくなった
06. 2013年12月30日 08:51:33 : EKv2AMBnpg アメリカ主要紙の批判記事を紹介する意味。 日本の主要紙が自民党歴代政権の官邸機密費で甘い汁を吸った編集者、主筆に支配さ偏向記事を垂れ流している現実を見ると、外国紙の論評も役に立つ。 でも、米国人の新聞マスコミ信頼度は２７％だからそのつもりで読むべし。
07. 2013年12月30日 10:05:15 : qYwj6mewB6 アメリカの新聞はそれぞれの主義主張がハッキリしていて 多くの場合で批判肯定の論調が分かれるのが普通 それが今回はどの新聞も安倍の批判で一致している アメリカの政治に詳しい人間なら その恐ろしさが分かるだろう アメリカのマスコミの論調が全て一致するのは さながら開戦前夜のように見える
08. 2013年12月30日 11:01:25 : SrmPqLSMME アメリカ論調に恐れをなしてはイカン とことんやれ、安倍くん。　正義は日本にある。
09. 2013年12月30日 11:21:38 : 41toqx9g2M >　正義は日本にある。 こういう妄想、驕りで先の大戦、日本人で310万人以上 アジアで2000万人以上の犠牲者を出したのだ。 ちなみにアメリカだけの論調だけではなく世界の論調
10. 2013年12月30日 13:38:08 : TGZjS8iB2r 中韓が勝手に外交問題に仕立てあげて、せっかく国内のガス抜きと反日プロパガンダのカードとして使ってたのに、実際に参拝されると焚き付けた分だけ自分達に帰ってきて頭が沸騰するという見事な逆噴射にワロタｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

11. 2013年12月31日 02:51:16 : MaA2Hd29a2 これは、 安倍 と 東アジア各国が アメリカの狙いどうりに動いているから 嬉しくて誇らしげに ワシントンポストが 世界中に宣伝している文です
12. 2013年12月31日 11:07:46 : zWalLAkn9o >ちなみにアメリカだけの論調だけではなく世界の論調 これこそ妄想だろう。だったらインド、アフリカ、中東諸国あたりに聞いてみてほしいものだ。世の中で言われる世界の論調なんて、所詮、欧米側の視点でしかない。それこそ世界史をもう一度学んでみれば、欧米の植民地での搾取なんて日本の比ではないことがわかる。日本は少なくともインフラ整備、教育の普及、軍事の訓練も行った。それに対して欧米は、地元民を無知・無学、無力化にした上で一方的に搾取した。それが実態です。
13. 2013年12月31日 11:27:32 : zWalLAkn9o ＞ちなみにアメリカだけの論調だけではなく世界の論調 どこが世界の論調でしょうか？？下記参照（他記事からの引用ですが） これで明らかなことは、反対してるのは、中韓米EUなど戦勝国側だということ。中国なんて「日本は第二次世界大戦の”被告席”に座っていろ！」と言ってましたね。これはいくら温厚な日本人でも心に火が付きますよ。 ★シンガポール　リー元首相：「靖国問題も中国が心理的なプレッシャーをかけているだけ」 ★台湾、李登輝元総統：「国のために命を亡くした英霊をお参りするのは当たり前の事。外国が口を差し挟むべきことではない」 ★カンボジア：フン・セン首相：「戦没者の霊を弔うことは当然のこと」首相の靖国参拝に理解 ★インドネシア：ユドヨノ大統領：「国のために戦った兵士のためにお参り、当然」靖国参拝に理解 ★ベトナム：「我々は中国や韓国のような卑怯な外交手法をとるつもりはない」 ★マレーシア、外相：「過去は過去である」 ★タイ：「参拝を支持」 ★インド：「参拝を支持する」 ★パラオ、レメンゲサウ大統領：靖国参拝に「すべての人のために祈るのは正しいこと」と支持を表明 ★ソロモン諸島のケマケザ首相：「日本とソロモン諸島の共通の文化は先祖に感謝すること。英霊が祭られている場所を拝見したい」
14. 2013年12月31日 18:01:26 : CKJ0L0xyrw >>13. 2013年12月31日 11:27:32 : zWalLAkn9o これって、2013年12月26日の安倍晋三による参拝に対する反応を示したものが一つでも含まれるのか？ むしろシンガポールと台湾については、正反対の反応ならあるぞ。 http://sankei.jp.msn.com/world/news/131229/asi13122918410002-n1.htm シンガポールが遺憾表明 2013.12.29 18:40 　シンガポール外務省の報道官は２９日、安倍晋三首相の靖国神社参拝を「遺憾だ」とする声明を出した。シンガポールは、日本とも中国とも常に同じ距離を保つ外交方針を取っており、日中対立で明確な立場を示すのは極めてまれだ。 　声明は、尖閣諸島や竹島をめぐる中韓との対立を念頭に「最近の一連の出来事によって、地域の緊張が高まっている」と指摘。こうした状況下での参拝は「さらなる反発感情を引き起こす可能性が高い」とした。 　シンガポールは、２００６年８月に当時の小泉純一郎首相が参拝した際も、遺憾とする声明を出している。 　旧日本軍は１９４２年、英国植民地だったシンガポールを占領。抗日運動を抑え込むため多数の中国系住民を殺害したとされる。（共同） http://news.livedoor.com/article/detail/8383799/ 産経新聞 2013年12月26日17時56分 首相靖国参拝　台湾「隣国の国民感情を傷つける行動すべきでない」 　台湾の外交部（外務省に相当）は２６日、安倍晋三首相の靖国神社参拝に関し、「日本政府や政治家は史実を正視し、歴史の教訓をくみ取り、隣国の国民感情を傷つける行動をすべきではない」とする声明を発表した。（台北　吉村剛史） >>12 >これこそ妄想だろう。だったらインド、アフリカ、中東諸国あたりに聞いてみてほしいものだ。 これはこれは懐かしい！丁度冷戦期のソ連・中国・北朝鮮なんかが、まさしく↑のようなことを言って、西側先進諸国政府やそのNGO（アムネスティやヒューマン・ライツ・ウォッチ）からの非難、とりわけ人権問題に関する事柄に反論していたものだ（嘘だと思うなら、当時の新聞や雑誌、あるいは関連の書籍他の記録を当たってみるといい）。

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