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何様のつもりなのか 「靖国参拝」強行の安倍首相は日本の恥
http://gendai.net/articles/view/news/146930
2013年12月27日 日刊ゲンダイ
26日、小泉純一郎以来、7年ぶりに首相としての靖国神社参拝を強行した安倍晋三は、自らの行動を驚くべき傲慢な言い訳で正当化した。
「安倍政権1年の歩みを報告し、二度と戦争の惨禍で人々が苦しむことのないよう決意を伝えるため、この日を選んだ」
「中国、韓国の人々の気持ちを傷つける気持ちは全くない。自由と民主主義を守り、敬意を持って友好関係を築いていきたいと願っている」
国民をドン底に突き落としたA級戦犯が祀(まつ)られている靖国を参拝して、「非戦の決意」とはよく言う。中韓が反発することは百も承知で「傷つけるつもりはない」とは、「相手をブン殴って、話し合おうと開き直る“犯罪者”の手口」(政治評論家・森田実氏)である。
中韓にとって安倍の靖国参拝は“挑発”以外の何ものでもない。誰が見たってそうで、だから、米国大使館までもが異例の「失望する」との声明を発表したのだ。
これで日中、日韓だけでなく、日米関係もますますメタメタになるのは間違いないが、真の問題は外交ではない。日本人がこんな破廉恥な男を首相にいただいていることだ。
安倍は中韓に対し「直接説明したい」「誤解に基づく批判だ」と妄言を吐いていたが、靖国を“曲解”しているのはむしろ安倍自身である。
「日本国憲法20条に『国およびその機関は、いかなる宗教的活動もしてはならない』とあります。さらに靖国には、第2次大戦後、戦争指導者だったA級戦犯が合祀(ごうし)されています。そこで頭を下げるということは、あの侵略戦争を賛美していることになってしまう。安倍首相は、あの大戦を『自衛戦争であり、侵略ではない』と捉えているので、『誤解だ。悪く言われる筋合いはない』と思っているのでしょうが、歴史を直視しない妄動です」(立正大教授・金子勝氏=憲法)
安倍は「国のために戦った英霊に、哀悼を捧げ、尊崇の念を表す」と言うが、東条英機らA級戦犯は、国民に赤紙を送って死に追いやった極悪人だ。戦犯が祀られているから、先祖を靖国に入れたくないという人も大勢いる。天皇が靖国参拝しないのも、同じ理由だし、米国のケリー国務長官らが靖国ではなく、千鳥ケ淵の戦没者墓苑に行ったのも同じ理由だ。
しかし、安倍ら一部の保守だけが、A級戦犯を含めて「英霊」などという言い方をする。「英霊」とは戦死者の霊を敬う言葉だが、その背景には「お国のため」「天皇陛下のため」に死んだという戦時下さながらの思想がある。戦犯に戦地に送られ、殺されたような戦死者の遺族は、あの戦争のバカバカしさをイヤというほど知っている。誰が「英霊扱い」を望んでいるのか。時代錯誤も甚だしい。
「『英霊』なんて言葉は、軍隊の上の人しか使っていない言葉です。私も、兄が戦死して帰ってきませんでしたが、遺族はただただ悲しみをこらえてお墓を作った。安倍さんは『英霊』『尊崇』という言葉を、顔をしかめながら使っていますが、戦争を知っている世代からすれば、滑稽でしかありません」(森田実氏=前出)
結局、安倍にとって靖国参拝は、右翼支持者を喜ばせるための自己満足なのだ。
安倍側近のひとりは「ずいぶん前から決めていたようだ。首相の政治信条だから」と言っていたが、冷静な判断力や自制心もなく、保守仲間に胸を張りたい、「どうだ!」と言いたい。それだけの話だ。その幼稚性が恥ずかしい。歴史認識の乏しさ、欠如が見るに堪えない。
靖国問題は外交問題以前だ。こんな首相を選んでしまったことを直視すべきだ。
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