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嫌がることをされた後に「説明するから仲良く話そう」と言われても誰が応じられようか。怒りが増すだけではないか。
安倍晋三首相が政権発足から1年を迎えたきのう、靖国神社を参拝した。現職としては、2006年に当時の小泉純一郎首相が参拝して以来7年ぶりとなる。
戦没者を追悼するのは当然であり、それを他国から批判される筋合いはない。だが、中国や韓国が反発するのを分かっていながら参拝するのは挑発的な行為であり、日本の国益を損なうのは明らかである。
反発の理由は言うまでもなく、第2次世界大戦の戦勝国による極東国際軍事裁判(東京裁判)で、重大な戦争犯罪人とされたA級戦犯14人が合祀(ごうし)されているからだ。
日本による戦争被害や植民地支配を受けた中国や韓国は、首相らの参拝に「日本は過去の侵略の歴史を反省していない」と批判してきた。
両国には日本批判で自国民の不満をそらしたい事情もあるとはいえ、参拝が国民感情を傷つけるのは確かだろう。首相がいくら「傷つける考えは毛頭ない」と言っても、身勝手な論理といえる。
首相は、沖縄県・尖閣諸島や島根県・竹島問題などで冷え込んだ両国との関係を、参拝を見送っても早期に改善するのは難しいなら今のうちに、と判断したようだ。
しかし、挑発すれば挑発を招くのは自明の理だ。日本が尖閣を国有化したのに対し、中国は領海侵犯を繰り返し、尖閣を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定した。首相が参拝で圧力に屈しない姿勢を見せたとすれば大人げないと言わざるを得ない。中国は次の行動に出るだろう。
中韓両国民のナショナリズムに火をつければ、両政府も関係改善に動けまい。当分、修復は難しい。
首相は前回の在任中に靖国に参拝しなかったことを「痛恨の極み」と語っていた。首相が靖国にどんな思いを持っていようが、異を唱えるつもりはない。
だが、参拝によって失われるものの大きさを考えるべきだ。1千万人を突破した訪日観光客は下火に向かうだろう。中韓両国に進出している日本企業も製品不買などの痛手を被り、景気を冷やしかねない。国益を第一に考えて動くのがリーダーのあるべき姿ではないか。首相が保守層の支持をつなぎ止めるために強行したのなら、何をか言わんやである。
東アジア情勢はさらに不安定化する恐れがある。それは米国も望んでおらず、機会あるごとに日本に慎重な対応を求めてきた。バイデン副大統領が日中韓3カ国を歴訪し、防空識別圏設定で高まった緊張を緩和しようと働きかけたばかりである。
米は日中の対立に巻き込まれたくないし、日米韓の防衛協力にも亀裂を入れたくない。今回の首相参拝に失望したのは当然で、日米関係にきしみを生じさせかねない。
靖国問題は国内でも意見が分かれている。首相参拝は憲法の政教分離規定に反する恐れがあり、現にいくつかの違憲判決も出ている。
政治家が参拝するたびに外交問題や政治問題になることは、戦没者も遺族も望むまい。誰もがわだかまりなく慰霊できる施設を考えたい。
http://www.topics.or.jp/editorial/news/2013/12/news_13881051538575.html
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