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2013-12-23 07:42:17
フランシスコ・ローマ法王が、グローバル資本主義と闘うようメッセージを発しています。ウォールストリート・ジャーナルの日本語サイトが伝えるところによると、「フランシスコ法王は、カトリック教会が改めて貧者に的を絞って活動するとともに、グローバル資本主義への攻撃に着手するよう呼びかけた」そうです。
このメッセージは、「喜びの福音」と名付けられた文書で、先月11月26日に出されました。「『汝、殺すなかれ』という戒律が人間生活の価値を守るための明確な制限を設定しているのとまさに同じように、われわれは今日、排除と不平等の経済に『汝、向かうなかれ』と言わなければならない」
「現在の経済システムは『その根本において不公正』であると指摘し、『市場と金融上の投機の絶対的な自立を守るものだ』」と、糾弾。「このような経済は『殺す』ことになる」と、断罪しました。
フランシスコ法王は、社会の最も弱い人々、とりわけホームレス、麻薬常習者、難民、移民、そして高齢者に対するケアを促しています。自らも、法王庁の周辺のホームレスを招き入れ、食事を一緒にしたり、見た目に恐ろしい印象を与えるとして嫌われた難病の人を、てらいもなく抱擁したりしたことが、最近伝えられました。
法王は、この種の弱者集団に手を差し伸べるにあたって、教会は傷つき、汚れると覚悟しなければならないとし、なぜなならそうした教会のメンバーは保護された壁に囲まれた安全な場所(教会)にとどまるのではなく、貧者を支援するために街頭に出るからだと述べています。
不平等と社会的不公正を糾弾しつつ、カトリック教会に対し聖職者としての使命をさらに深く追及するよう求めているのです。
そして、現代世界の難題として、途方もない所得不平等を生みだしている経済システムを挙げ、それは抑圧され疎外された人々を「落伍者」として放置していると批判しています。
このメッセージについて触れたネット上の記事には、「カトリック教会の法王が、グローバル資本主義と闘えと呼びかけている。それに対し、日本の知識人の知的退嬰振りが際立つ。左派と呼ばれる陣営の人たちほどグローバリズムの持つ危険性に対する感度が鈍い。また、未だに憲法学者も行政法学者も国際公法学者もグローバリズム批判の論を張ろうとしていない」というコメントがありました。
明日は、キリスト教を信じる人々には、イエス・キリストが生誕する聖夜。わが家は代々仏教系ですが、ローマ法王の「グローバリズムと闘え」という呼びかけは、よくよくかみしめたいと思います。
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