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警告(転載):保阪正康氏「安倍政権は保守政党ではなく、右翼化した全体主義政党だ」〈週刊朝日〉
http://blog.goo.ne.jp/ichimurasan2006/e/085bf814ebad45fb3122b4effb564b04
★孫崎享氏の視点ー<2013/12/21>★ :本音言いまっせー
歴史作家としての保阪正康氏の評価は高い。
この彼が現在の安倍政権に対し警鐘を鳴らしている。
私も朝日カルチャーセンターで保坂氏とまさに秘密保護法をめぐり対談を行ってきた。
その時保坂氏が述べていたことが、週刊朝日への論評になっている。、必読の論評である。
下記に転載する。〈週刊朝日; 12月20日〉
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この法律は、平時から戦時へと移行する法体系の一部なんです。憲法改正、集団的自衛権の行使容認、日本版NSCの創設。
これらが構成する法体系です。
今までの日本は、もし戦争が起こったら、という枠組みがない、平時の法体系でした。安倍首相は、この法体系そのものを見直しているのです。
日本の戦争は、1945年に終わりました。原爆や無差別爆撃で多くの非戦闘員が戦死しました。
しかし戦後は、軍事で復讐しない、問題を戦争で解決しないと選択したんですよ。それを、戦争が終わってから68年間続けている。
世界史的な実験と言えるのです。私たちの誇りなのです。自衛隊は一人も殺していないし、殺されてもいない。
法体系を変えるという選択は、歴史的に、この実験を疑われることになります。
そういう選択をしないという誇りを日本の保守政党、自民党が守ってきたのです。
伊東正義、松村謙三、前尾繁三郎、三木武夫、後藤田正晴……。やりすぎだぞ、とチェックを働かせる代議士がいっぱいいた。
戦争を体験した世代です。後藤田などは護憲だって言ってましたから。「あんな戦争はやるべきじゃない」と。
そういう人たちが、どれだけ保守政党が右翼化しないためにがんばってきたか。
もちろん自民党の中にも右翼はいましたけど、バランスを取っていたのです。それが自民党政権の良さだった。
今は、それがまったくない。党内のバランスがまったく働かない。右翼化した政党になってしまった。
戦前に法体系が変わるときには、治安維持法ができました。これは、もともと共産主義者を取り締まる法律でした。
ところが、共産党員は、逮捕されたり、転向したりして、いなくなった。すると、次に自由主義者、今度は宗教家、さらに純正右翼、
と対象がいなくなるたびに範囲を広げていった。
なぜ拡大解釈したか。
治安維持法を運用するため、警察機構の中に一つの組織ができた。これが特高警察(特別高等警察部)です。
ひとたびできてしまうと、逮捕する対象がいなくなっても組織があるわけだから、仕事を作っていくわけです。
一つの法律を運用し始めると、そこにできた組織が、自動的に増殖していくのです。
今度の法律でも、取り締まる部署ができるでしょう。取り締まる連中は、特定秘密を扱うから身元調査される。
それは、ある意味でエリート意識を与えられることになる。お前たちは国を守っているんだ、などと言われるでしょう。
張り切って、人を捕まえてきて調べて、調書を法律に引っかかるように作っていかなきゃいけない。
そのときには、強制、威圧、拷問、脅かし、いろんな手が使われると思うね。かつての特高警察と類似のね。
特高警察のようなものは社会の病理です。特定秘密保護法の成立は、我々の社会にとっては、くしゃみが出るようなもの。
ほかにも、教科書に政府見解を入れること。集団的自衛権で自衛隊が地球の裏側まで行くこと。
そういうことが重なって、熱が出て、カゼを引く、肺炎になる、というように、徐々に社会の体力が弱まっていく。
そうなれば、民主主義社会の権利が侵害されて、みんな黙ってしまう。権力を怖がる。
それが病気、つまり、社会の衰退です。やがて戦時体制に移行するのではないでしょうか。
今すぐ戦争をやるわけではありません。でも、ゆくゆくは、太平洋戦争の前にできた国家総動員法みたいな法律を
平気で考え出すのではないかと心配です。今の自民党は、保守政党じゃなくて右翼化した全体主義政党ですから。
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