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NYT紙社説「日本の危険な時代錯誤ぶり(「Peace Philosophy Centre」掲載訳)
http://blog.goo.ne.jp/ichimurasan2006/e/4479618d078ee3d02a2a797588c5faa2
★孫崎享氏の視点ー<2013/12/19>★ :本音言いまっせー
海外メディアは日本の秘密保護法に対して警戒感を持ってきている。
その最も代表的なものに次がある。
(1)11月11日ルーシー・バーミンガム日本外国特派員協会々長が
「特定秘密保護法案は報道の自由及び民主主義の根本を脅かす悪法であり、撤回、または大幅修正を勧告する」との声明を出した。
(2)国際ペンクラブは11月20日、「市民の表現の自由を弱体化させる」 として反対する声明を発表した。
国際ペンが日本の国内法案について、反対声明を出すのは戦後初めて。
これに加え、2013年12月16日ニューヨーク・タイムズ紙は社説で「日本の危険な時代錯誤ぶり( Japan's "Dangerous Anachronism)」
を掲載した。サイト「Peace Philosophy Centre」がその和訳を掲載している。
米国のリベラル層が如何に現在の動きを警戒しているかを示す貴重な論評である。
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安倍晋三首相の政府は今月、国会で秘密保護法をゴリ押しして通過させた。
この法律は日本の民主主義の理解が根本的に変えられることを示唆している。この法律の文言は曖昧で非常に広範囲にわたるものであり、
政府が不都合だと思うものを何でも秘密にすることを許すことになる。
秘密を漏らした公務員は10年まで投獄されうる。報道関係者が、「不当」な方法で入手したり、
秘密指定されていると知らない情報を得ようとしたりすることでさえ5年まで投獄されうる。この法律は国家安全保障を取扱い、
スパイ行為やテロも含まれる。
この法案が通る直前に、与党自民党幹事長の石破茂が、自身のブログで11月29日、
秘密保護法案に反対して合法的にデモを行う人たちをテロリストになぞらえた。言論の自由に対するこのような無情なまでの軽視は、
安倍政権が本当は何をやろうとしているのかについての懐疑心を大いにかき立てた。
日本の公衆はこの法律が報道の自由と個人の自由を侵害することを恐れていることは明確のようだ。
共同通信が行った世論調査によると、回答者の82%が、法律は廃案か見直すべきだと答えている。
しかし安倍氏は、傲慢なことに公衆の不安をものともしない。法案通過後に「この法律で日常生活が脅かされることはない」と語った。
自民党の古参議員の中谷元は、「政府が関与する事柄と一般市民が関与する事柄は区別されるものだ」と表明し、
民主主義についての驚くべき無知を露呈した。
この法律は安倍氏の、日本を「美しい国」に作り替える聖戦における不可欠な要素である。
それは、市民に対する政府の権力の拡大と個人の権利保護の縮小、すなわち愛国的な人々に支えられる強い国家を想定するものだ。
彼が公言してきた目標は、約70年前、占領中に米陸軍に課された国家の憲法を書き換えることである。
昨年4月に発表された自民党の憲法草案は、基本的人権の保証についての既存の条項を取り除いている。
草案は、国旗と国歌を尊重しなければいけないとする。また、国民は「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、
常に公益及び公の秩序に反してはならない」とする。さらに、総理大臣が緊急事態を宣言し、通常法を一時停止する権限を持つとされている。
安倍氏の目的は「戦後レジームの脱却」である。日本で批判する人々は、彼が1945年以前の国家を復活させようとしていると警告する。
時代錯誤的で危険な思想だ。
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