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コメントに寄せられていた件です。正直いって全く知らなかった話題ですが、調べるとなかなか「奥が深い」ので記事にしました。
大阪府議会が12月16日、泉北高速鉄道を運営する第三セクターの大阪府都市開発(以下「OTK」)の株式を、最高価格で入札した米国投資ファンド「ローンスター」に売却する議案を賛成51・反対53で否決しました。
もともと大阪府議会は定員が105名で、そのうち大阪維新の会が55名と単独過半数を占めているのですが、そこから4名が造反して否決となりました。
このOTKとは昭和40年に設立され、鉄道事業(中百舌鳥〜和泉中央の14.3kmで南海電鉄に乗り入れ)とトラック輸送事業が中心ですが、大阪府の公表した平成23年度決算では当期利益が18.3億円、利益剰余金259億円の「優良会社」です。
入札されたのは大阪府の所有分(49%)だけですが、ローンスターの他に南海電鉄、ゴールドマンサックスなどの6社が入札し、781億円で応札したローンスターに11月26日付けで優先交渉権が与えられていました。
大阪府以外では、大阪瓦斯・関西電力(各18%)、りそな銀行・三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行(各5%)が株主ですが、大阪府以外の株主は大阪府と同条件で売却することに同意しているようで、そうなると売却総額は1594億円にもなります。
ポイントがいくつかあるので整理してみましょう。
まず大阪府がOTKの株式を民間に売却(つまり民営化)することは、間違いなく正しい決定です。とくにOTKは設立が古く、資産内容も収益状況も「優良会社」なので、大阪府の財政状況改善のためにも「もっと早く売却しておくべきだった」ともいえます。
次に、海外ファンドといえばサーベラスも西武鉄道を含む西武HDの大株主ですが、べつにこれら海外ファンドが鉄道経営を得意としているわけはなく、ましてや地域住民のことを考えているわけでもなく、単なる投資収益だけです。
確かにウォーレン・バフェット氏が2009年11月にバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道(本社・テキサス州)を2.4兆円の巨費で買収しています。 米国で生き残っている鉄道会社は競争の結果、地域独占企業となった優良会社が多く、今後も貨物輸送は有望産業であることを見越した投資でした。実際に最近 はシェールガス・オイルの輸送需要が急増しているはずです。
もちろんローンスターはバフェット氏とは規模も理念もかなり違うため、そこ まで考えてはいないようですが、地域住民にとっては唯一の足で「地域独占企業」であることは違いがありません。そうすれば手っ取り早く値上げや人員整理で 徹底的に営業利益だけを追及していれば、やがて社会的公共性から「日本の鉄道会社」が買収せざるをえなくなります。
大阪府の説明では、ローンスターに優先交渉権を与えた理由として、応札金額7:事業提案内容3の割合でスコア化して判断したとなっています。
要するにローンスターは事業提案内容が劣るものの、応札金額がそれを勘案しても高かったのだからよいではないか、といっているのです。ちなみに最も事業シナジー効果のある南海電鉄の応札が720億円で、61億円の差でした。
ローンスターに事業譲渡された場合に考えられる状況は、何年間か地元住民は値上げとサービスの低下に苦しみ、結局は何年後かに(例えば)南海電鉄が買収せ ざるを得なくなり、その「高かった」ローンスターの買収価格に「ローンスターの投資収益を乗せて」買収しなければならないので、最初の買収価格が高いとい うことは「日本全体で考えれば何の意味もない」のです。
大阪維新の会で造反した4名の議員と、もともと反対していた大阪維新の会以外の議員も、直感的には同じことを考えていたはずです。
特定秘密保護法案を強行採決した国会より、大阪府議会の方が「民主的」であるというより、そういう判断を機械的に承認しようとした大阪維新の会(もちろん日本維新の会と同じです)が大阪府議会の過半数を占めていることのほうが「はるかに不気味」です。
いろいろな意味で「維新の会」の限界がみえた「象徴的な出来事」のような気がします。
「第三セクター」と「大阪維新の会」と「ローンスター」闇株新聞
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-978.html
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