http://www.asyura2.com/13/senkyo158/msg/161.html
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【蔵前勝久、園田耕司】安倍内閣は17日、外交・安全保障の基本方針となる国家安全保障戦略(NSS)を初めて策定し、防衛計画の大綱(新防衛大綱)、中期防衛力整備計画とともに閣議決定した。NSSに「愛国心」を盛り込み、中国の軍事的台頭や北朝鮮への懸念を強調。周辺国に対抗するため、集団的自衛権の行使を視野に、日米同盟の強化と自衛隊の増強をはかる「軍事力重視」の内容だ。
■集団的自衛権も視野
安倍晋三首相は、17日に開かれた私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)でNSSの策定に触れ、「日本が個別的自衛権だけで国家の存立を全うすることができるのか。集団的自衛権が本当に必要ないのか」と憲法解釈の見直しによる集団的自衛権の行使容認を訴えた。
NSSは12月に発足した外交・安保政策の司令塔である国家安全保障会議の行動指針となり、基本理念に「国際協調主義に基づく積極的平和主義」を掲げた。
第1次政権で果たせなかった国家安保会議の設置とNSSの策定にたどり着いた安倍首相が次に目指すのは、米国とのさらなる軍事協力を軸とする集団的自衛権の行使容認だ。安保法制懇は17日、年明けの次回以降、報告書の取りまとめに入ることを確認した。
NSSでは、中国の尖閣諸島付近の領海侵入や防空識別圏設定への懸念を示し、「日米安全保障体制の実効性を高め、多面的な日米同盟を実現していく」として集団的自衛権の行使容認をにじませた。
さらにNSSを支える新防衛大綱では、「防衛力は安全保障の最終的な担保で、脅威を排除する意思と能力を表す」と明記した。
ただ行使容認に向けた道のりは容易ではない。連立を組む公明党が反対姿勢を崩しておらず、菅義偉官房長官はこの日の会見で「(行使容認は)来年度以降の課題になる」と語った。解釈変更をめぐる判断について、安倍政権は通常国会で来年度予算が成立した後の来春以降とする方針だ。
■公明の疑問、押し切る
今回の国家安全保障戦略(NSS)には、「我が国と郷土を愛する心を養う」という文言が盛り込まれた。NSSはその理由を、「国家安全保障を身近な問題としてとらえ、重要性を認識することが不可欠」と記す。
国の安全保障政策が、個人の心の領域に踏み込むことにつながりかねない内容だけに、NSSに「愛国心」を入れることには、与党内にも慎重論があった。
「そもそも国家安全保障戦略という文書に、この記述が必要なのか」。11日にあった与党の会合で、政府案の「国を愛する心を育む」という表現に、公明議員が疑問を呈した。
この表現は、有識者会議で出た「開かれた愛国心を明記すべきだ」という意見を受けて盛り込まれた。第1次政権で取り組んだ教育基本法の改正で、「愛国心」条項の新設を主導した安倍晋三首相の意向も反映された。
12日、公明党の太田昭宏国土交通相が首相と直談判し、冒頭の表現で折り合った。
「愛国心」をめぐっては、1957年に閣議決定した国防の基本方針にも「民生を安定し、愛国心を高揚する」と明記されている。時の首相は安倍氏の祖父、岸信介氏だった。
http://digital.asahi.com/articles/ASF0TKY201312170401.html
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