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安倍首相の一人芝居外交と米国の忠告
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★「天木直人氏の視点ー(2013/12/15)」★ :本音言いまっせー
マンデラ大統領の葬儀を欠席してまで重視したアセアン特別首脳会談。
いったい安倍首相はその会議で何を達成しようとしたのか。
それはアセアン諸国を使って対中包囲網を築くことであるはずだった。
見事にその思惑は失敗に終わった。
安倍政権を擁護するはずの大手新聞も今朝の各紙でそれを認めている。
「対中国めぐり温度差」(毎日)
「中国防空圏 言及避ける」(東京)
「対中国 そろわぬ歩調」(朝日)
「対中国 温度差隠せず」(日経)
産経新聞でさえ「対中 困難な共同歩調」と書き、読売新聞でさえ「中国巡り温度差も」と書かざるを得ない始末だ。
それでも安倍首相は会談後わざわざ記者会見を開いて中国をけん制出来たといわんばかりだ。
誰かこんな馬鹿な外交を批判してくれるものはいないのか。
そう思っていたら朝日がきょうの社説で書いた。
「日・アセアン 価値観外交安はどこへ」という見出しのその社説の要旨は次の如くだ。
安倍首相は今年1月、対アセアン外交5原則を発表した。その第一原則は
「自由や民主主義、基本的人権など普遍的な価値の定着と拡大に努力する」といういわゆる価値観外交であった。
しかし中国との対抗心にはやるあまり、それが今回は消えた。狭量な利益外交にばかり傾斜すれば、
逆に日本は本当にそうした価値観を尊重する国なのか疑われかねない。
この社説は、一読するとアセアン諸国に対し、
日本はもっと人権や民主主義などの「普遍的価値観」の実現を訴えろと言っているように見える。
奇妙な安倍首相のアセアン外交批判のように聞こえる。
しかしこれは痛烈な安倍首相への批判なのである。
すなわち日本は価値観が違うと言って中国を包囲しようとしているが、日本にその資格があるのか。
自らが人権や民主主義重視という価値を実践できなければ、それを対アセアン外交で唱えるのは難しい。
アセアンを対中国包囲網に利用していると思われても仕方がない、と言っているのだ。
なぜ朝日がこのような社説を掲げるのか。
そうなのだ。
こんな事を言えるのは米国だけである。
そして朝日は米国の意向を知らされれ、それを日本国民に伝える米国の広報紙と私は見ている。
これは米国の安倍首相に対する警告とみるべきである。
米国は安倍首相の価値観を否定しているのである。
安倍首相の進める価値観外交は米国の価値観外交とは違うと言っているのだ。
本物の価値観外交を行なえと言っているのである。
安倍外交の前途は厳しいと言わざるを得ない。
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