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2013年12月12日
「日本を安倍晋三から取り戻す! 真の国益を実現するブログ」さんが実に興味深い記事を載せている。
その記事の骨子は12月9日の国会閉会後、安倍総理が今期臨時国会の総括的な記者会見を行ったが、その総括内容に一つの重要な法案への言及が抜け落ちているというものである。
安倍首相が故意に無視したその法案とは、「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法」、縮めて「国土強靭化基本法」である。
まずはその記事を転載させていただくのでご覧になっていただきたい。
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国会閉会時の記者会見で国土強靭化基本法の成立には言及なし?
2013-12-12 08:00:00NEW !
テーマ:安倍政権
安倍総理は、12月9日国会閉会後、質疑応答合わせて30分程度の記者会見を行いました。内容はこちらです。
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/1209kaiken.html
最初に、成長戦略として今国会で成立した法案の列挙。安倍総理が具体的に列挙されていたのは次の法律です。
「民間投資を喚起するための産業競争力強化法、規制改革の突破口となる国家戦略特区法、電力自由化のための電気事業法改正、再生医療を促進する法律、農業の構造改革を進めるための 農地集積バンク法」
次に、いわゆる日本版NSC、国家安全保障会議、そして、特定秘密保護法の意義等。
最後に、5.5兆円の経済対策と来年度予算編成に向けた決意表明です。
なんと、12月4日に成立した「国土強靭化基本法」については一言の説明もなし、法律の名称すら読み上げていません。
国家安全保障会議の説明の中では、安倍総理は「国民の生命と財産は断固として守り抜いていかなければなりません」と発言されています。ならば、「国土強靭化法」にも言及することが当然必要なことではないのでしょうか。
「国土強靭化基本法」の基本方針としては、@人命の保護が最大限に図られること、A国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず、維持され、我が国の政治、経済及び社会の活動が持続可能なものとなるようにすること、B国民の財産及び公共施設に係る被害の最小化に資すること、C迅速な復旧復興に資すること、が挙げられています。
一部経済界や民間議員の意見を主に反映した「規制緩和中心の成長戦略」が大好きな、そして東北大震災から得られた教訓を踏まえて策定された「国土強靭化基本法」には、あまり興味がなさそうな安倍総理、こいつはやはり最低です! ある意味分かりやすい。
これでは、国土強靭化のために十分必要な予算確保も期待できませんね。
http://ameblo.jp/datoushinzoabe/entry-11727493719.html
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ここに書かれてあるように、安倍総理は今国会の総括的な記者会見で、提出された31法案のうち可決成立した23法案の中で、特に重要案件として認識している次の法案群に言及している。
○産業競争力強化法
○国家戦略特区法
○電気事業法改正
○再生医療を促進する法律
○農地集積バンク法
○国家安全保障会議(日本版NSC)
○特定秘密保護法
○5.5兆円の経済対策と来年度予算編成
ところが非常に奇異なことに、この記者会見では12月4日に成立している『国土強靭化基本法』を完全にスルーしているのである。
神州の泉は、安倍政権が臨時国会で提出した法案は全てが新自由主義で塗り固められていると書いたが、この「国土強靭化基本法」に関していえば、国民を防衛し国土や社会を防衛する基本思想が見えている。
だからこそ、生活の党はこの法案には積極的に賛意を示している。
内閣官房の資料(pdf)を参照すると、政府は国土強靭化の基本理念を次の三つで示している。
@経済等における過度の効率性の追求の結果としての一極集中、国土の脆弱性の是正 →戦後の国土政策・経済政策の総合的検証の結果に基づく多極分散型の国土の形成
A地域間交流・連携の促進、特性を生かした地域振興、地域社会の活性化、定住の促進 →我が国の諸課題の解決、国土の保全、国土の均衡ある発展(複数国土軸の形成)
B大規模災害の未然防止、発生時の被害拡大の防止、国家社会機能の代替性の確保 →大規模災害発生時における我が国の政治・経済・社会活動の持続可能性の確保
この三つの基本理念は@の一極集中が東京への集中なのか、その解決策として多極分散型の国土形成という意味がよく分からないが、後は至極まともに見える。
その基本施策は次の12項目である。
@東日本大震災からの復興の推進
A大規模災害発生時の円滑・迅速な避難・救援の確保(避難路・避難施設・緊急輸送道路整備)
B大規模災害に対し強靱な社会基盤の整備等(建築物耐震化、密集市街地対策、国家機能代替性確保)
C大規模災害発生時の保健医療・福祉の確保(救急医療体制整備)
D大規模災害発生時のエネルギーの安定的供給の確保(自然エネルギー利用促進、原発安全確保)
E大規模災害発生時の情報通信の確保(多様な通信手段確保、行政機関の業務継続用情報システムの整備)
F大規模災害発生時の物資等の供給の確保(危険分散のための工場等移転の支援)
G地域間交流・連携の促進(全国的高速交通網の構築、日本海国土軸・太平洋国土軸等の相互連携)
H我が国全体の経済力維持・向上(国際競争力強化のための社会資本整備、アジアとの貿易・交流・連携)
I農山漁村・農林水産業の振興
J離島の保全等(海岸等の保全、周辺海域の警備強化、住民の生活基盤の整備)
K地域共同体の維持・活性化(隣保協同の精神に基づく自発的防災活動に対する支援)
防災・減災にかんする政府資料2では、次のようになっている。
○基本理念
・人命の保護が最大限に図られること。
・国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず、維持され、我が国の政治、経済及び社会の活動が持続可能なものとなるようにすること。
・国民の財産及び公共施設に係る被害の最小化に資すること。
・迅速な復旧復興に資すること。
○基本方針
・既存社会資本の有効活用等により、費用の縮減を図ること。
・施設又は設備の効率的かつ効果的な維持管理に資すること。
・地域の特性に応じて、自然との共生及び環境との調和に配慮すること。
・基本理念及び基本方針を踏まえ、実施されるべき施策の重点化を図ること。
・民間の資金の積極的な活用を図ること。
以上をざっと通読すると、「多極分散型」とか「複数国土軸」などの言葉は道州制をイメージさせて胡散臭い部分もあるのだが、ほとんどは現代日本で国民が切望する理念と方針でできていて、是非実現して欲しい法案である。
一方、安倍政権が第3の矢の二大柱として、成立させた国家戦略特区法と産業競争力強化法は、対比的にみると、政策指針が「国土強靭化基本法」とは全く別物であることが分かる。
ここには国民生活の防衛や社会秩序の持続性や保全の観点は皆無であり、儲けの出る企業や海外企業を最優先する方針に満ちている。
産業競争力強化法は、企業に対して規制緩和を行うことで新しい事業の参入を招聘するという。
また、新事業(ベンチャー事業)に挑戦する企業を支援することや、もうからない仕事をやめて、もうかりそうな仕事に挑戦する企業に税制優遇を行う考えだ。
そうすれば、日本企業が賦活して景気が上がるという理屈である。
また、国家戦略特区は徹底した規制緩和と企業に対する税制優遇である。
二法案とも外国資本をなるべく参入させて投資やM&Aを活発化し、儲かる企業だけを政府が支援するという法案である。
ここには企業が儲かるかどうか、外資が多く参入できるかどうかしかなく、そのためには国民生活や社会秩序を破壊する規制緩和はためらわずにやるという極悪な思想が見えている。
言わば鮮明な新自由主義政策である。
多国籍企業の収奪活動を支援する新自由主義法案群は、国土を強靭化するどころか、国土、社会、国民生活を逆に“脆弱化”するのである。
この二法案と「国土強靭化基本法」とは大きく矛盾し、その思想性は天地の差異がある。
安倍首相はこの事実をはっきりと認識したうえで、臨時国会終了後の記者会見で国家強靭化基本法をあえて無視したのである。
その真意は、この国土強靭化基本法自体が他の新自由主義法案群を糊塗するための偽装法案だったと考えれば辻褄が合うのである。
安倍首相は国民や国土を守る『国家強靭化基本法』を実施する気は全くない。
最初からやる気のないこの美名法案を振りかざして国民を惹きつけておきながら、国民に破壊的なダメージを与える危険な法案群をラインアップしたのである。
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