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俺的メモあれこれ
内閣支持率の急落もなんのその、安倍晋三首相が「警察国家」「戦争できる国」に向けて一気にアクセルを踏み込んだ。希代の悪法たる特定秘密保護法を強引に成立させたかと思えば、今度は、事前の話し合いだけで処罰される「共謀罪」創設が急浮上した。十七日にも閣議決定される国家安全保障戦略には武器輸出推進が明記される見込みだ。来る。次々と来る。(林啓太、小倉貞俊)
◆市民運動監視、つぶすことも
「安倍政権は、日米で戦争を遂行する体制づくりを進める一方、戦争に反対する団体を監視して運動を委縮させたい。共謀罪は、言論の抑圧に悪用される可能性が極めて高い」。日弁連共謀罪等立法対策ワーキンググループ副座長の山下幸夫弁護士は懸念する。
実行行為がなくても、犯罪の謀議に加わるだけで処罰対象となるのが共謀罪だ。安倍政権は、共謀罪を創設する組織犯罪処罰法改正案の検討に入った。菅義偉官房長官は11日の記者会見で、同改正案について「(来年の通常)国会に提出する予定はない」と明言したが、いずれかのタイミングで共謀罪が政治日程に上ってくるのは間違いなさそうだ。
自公政権は2003年から三度、関連法案を国会に提出。第1次安倍政権も共謀罪の導入を狙った。そのたびに野党や日弁連から「市民活動などにも拡大解釈されかねない」と強く反対され、すべて廃案に追い込まれた。
過去の関連法案によると、殺人や強盗、建造物等放火など4年以上の懲役・禁錮を定めた600以上の罪が対象となりそうだ。これまで政府は、暴力団や組織的な詐欺の取り締まりを共謀罪創設の目的に挙げてきたが、今回は20年東京五輪のテロ対策も「大義名分」に掲げたいらしい。
しかし、石破茂・自民党幹事長の「絶叫デモはテロ行為」発言を引くまでもなく、自民党には暴力団も反戦団体も等しく「危険な集団」に映る。共謀罪があれば、市民運動を監視するだけにとどまらず、場合によってはつぶすこともできる。例えば、反戦団体にもぐり込んだ公安警察のスパイが「政府の建物への放火をみんなで計画している」とウソの密告をすれば「自白を証拠に、団体の関係者が有罪にされかねない」(山下氏)。
それにしても、秘密法成立直後に共謀罪を持ち出すとは、どういう神経か。
山下氏は「秘密保護法が共謀罪へのハードルを下げた」との見立てだ。現行法では共謀の段階で処罰できる罪は爆発物取締罰則など少数だが、秘密法にも特定秘密を知ろうと共謀するのを罰する規定が盛り込まれた。「秘密保護法の審議では、共謀の規定の危険性がそれほど問題にされなかった。共謀罪導入の露払いはできたと考えているのではないか」
このままでは秘密法の二の舞だ。小倉利丸・富山大教授(監視社会論)は「どんなにデモで国会を囲んでも、安倍政権が続く限り、共謀罪の導入を強行するだろう。阻止するには安倍政権を退陣に追い込むぐらいの大きな運動を今からつくり出さなければならない」と力を込めた。
◆首相の野望 続々
4月にスタートした国家安全保障会議(日本版NSC)に続き、外交・安全保障分野でも安倍路線は着々と“実績”を積み上げる。
11日には政府の「安全保障と防衛力に関する懇談会」が開かれ、外交・安保政策の中長期的な指針となる「国家安全保障戦略」と、防衛計画の大綱(防衛大綱)の概要を了承した。懇談会を設置した安倍首相は「歴史的な文章になる」と胸を張った。17日には閣議決定される見通しだ。
懇談会に提示された最終案などによると、安保戦略では、社会的基盤の強化の項目で「諸外国やその国民に対する敬意を表し、わが国と郷土を愛する心」を表記するとともに、武器輸出3原則に基づく禁輸政策の見直しに伴って輸出を推進する方向に転換する。中国の沖縄・尖閣諸島周辺での領海侵犯などを念頭に置いた防衛大綱は、無人偵察機の導入などを視野に入れた警戒監視能力の強化を図る内容だ。
渡辺治・一橋大名誉教授(憲法)は「『戦争できる国』を目指す安倍首相の最終目標は明文改憲であり、その前のプロセスとして必要な2本柱が『戦争できる権限』と『その権限の中身』をつくることだ。安保戦略と防衛大綱は後者。前者にあたるのが解釈改憲による集団的自衛権の行使容だ」と説く。
集団的自衛権については、政府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」で議論が進められている。今後のスケジュールについて渡辺氏は、2014年末までに自衛隊と米軍の役割などを定めた日米防衛協力指針(ガイドライン)が改定されることを踏まえて「来年の通常国会で首相自ら声明を出すか、一般質問に答える形で発表したいのでは」とみる。
ただし、安倍政権が順風満帆というわけではない。秘密法の強引な成立劇は、内閣支持率を大きく押し下げた。共同通信が8、9の両日に実施した調査では前回比10.3ポイント減の47.6%にまで急落。NHKでも前回比10ポイント減の50%。朝日新聞の調査では3ポイント減ながら46%と最低だった。
支持率の低下は安倍路線に影響するのだろうか。小林良彰・慶応大教授(政治過程論)は「中身が分かりにくい秘密保護法にメディアが強く警鐘を鳴らしたことに加え、採決強行など成立の過程で印象を悪くした。政権にとってこの支持率の下がり方は予想以上ではないか」と指摘する。
その上で「第1次安倍政権時とは異なり、今回は(安倍首相の目的である)安全保障政策を隠して国民生活に直結するアベノミクスを前面に出し、高支持率を得てきた。安全保障の改革は支持率が低ければやりにくい。消費税の軽減税率など経済施策も打ち出しながら、慎重にバランスを取っていく」と予測した。
◆反対の声「継続して」
われわれはどうすればいいのか。渡辺氏は、秘密法反対運動が全国的な広がりを見せたことに期待を寄せる。「戦争につながりかねないという『平和の危機』に、知る権利など国民の自由が脅かされるという『民主主義の危機』が結合したからこそだった」と分析し、こう訴える。
「それぞれ平和と民主主義を求める運動がこのまま結び付いて継続し、そこに一般国民が多く参加していくこと。それこそが安倍首相の野望を食い止める唯一の手段だ」
[デスクメモ]
「こちら特報部」は2006年、反共謀罪キャンペーンで日本ジャーナリスト会議(JCJ)大賞に選ばれた。私は当時、政治部記者として国会の動きを追った。権力の邪悪なたくらみは頓挫したはずだった。因果はめぐる。亡霊の復活に血道を上げる安倍政権と対峙(たいじ)しなければならない。(圭)
2013年12月12日東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013121202000179.html
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