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TPP交渉 日米対立が招いた合意先送り(12月11日付・読売社説)
日米などの対立が解けず、アジア太平洋地域での新たな自由貿易圏作りの合意は、来年に先送りされた。交渉の前途は多難である。
シンガポールで開かれていた環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が閉幕した。
日米、豪州など12か国は、当初目指した年内妥結を断念し、「交渉の妥結に向けて集中的に作業を続ける。閣僚会合を1月に開く」との声明を発表した。
オバマ米政権は年内合意を最優先し、フロマン通商代表が、日本や新興国に関税撤廃や市場開放を求める圧力をかけ続けた。
しかし、参加国の利害が複雑に絡み合う交渉のとりまとめは難しい。米国の思惑通りに進まない現実を浮き彫りにしたと言える。
とくに鮮明になったのが日米両国の対立だった。全体の交渉も停滞させた印象が否めない。
自民党はコメ、麦など農産品5項目を関税撤廃の聖域扱いとするよう主張している。これを踏まえた日本は、全品目の関税撤廃を求める米国の要求を拒否した。
その代わり、全品目のうち関税撤廃に応じる自由化率を約95%に引き上げる譲歩案を提示した模様だが、米国は拒んだという。
一方、米国車の販売拡大を目指す米国が日本市場での自動車の安全や環境の基準緩和を求めた点では、日本が拒否を続けた。
来年11月の中間選挙を控え、TPP合意を成果としてアピールしたいオバマ政権には、安易に妥協できない事情があるのだろう。
だが、日本も守りに徹するだけでなく、成長著しいアジアの活力を取り込み、成長に弾みをつける攻めの姿勢が必要である。
一層の市場開放を求められる農業の競争力強化を図りつつ、TPPを軸に自由貿易を推進する戦略を練らなければならない。
シンガポールでの妥結を断念した一因として、知的財産権や競争政策を巡り、米国と、マレーシア、ベトナムなど新興国が激しく対立した事情も挙げられる。
12か国の対立は根深く、1月の閣僚会合での決着は楽観できない。米国がどこまで柔軟に対応できるかが最大の焦点になろう。
注視すべきは、TPPへの参加意向を表明した韓国の動きだ。
韓国の合流には12か国の同意が必要で、早くても来春になるが、日本はその前に貿易ルール作りを主導して早期妥結を図り、先行メリットを生かしたい。
国益の追求へ、したたかな交渉力が日本に求められる。
(2013年12月11日01時43分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20131210-OYT1T01451.htm?from=ylist
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